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サンドラの小さな家はシングルマザー向けの家族ドラマ!感想とネタバレ

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この記事は 約5 分で読めます。

苦労話が好きな人が見るべき大人向け社会派家族ドラマ。今まさに大変な思いをしている女性たち、特にシングマザーをターゲットにした映画です。62点

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サンドラの小さな家のあらすじ

二人の娘を持つサンドラは夫の暴力に怯えていた。ある日、また夫が手を挙げてきたため、娘たちを家の外に出して、通報するように頼まざるを得なかった。

それを機にサンドラは夫と別れ、シングルマザーとして生きることにする。しかし一人で二人の子供を育てるのは経済的にも難しかった。家賃が高く、なかなか新居が見つからなかった。その間、ホテル住まいを余儀なくされた。

いくつもバイトを掛け持ちしながら娘たちの学校の送り迎えにもいかなければならない。公的機関の支援も受けながらなんとか彼女はやりくりしようとするが、やはり住居を確保するのが最優先だった。

そこでサンドラはネットで見た格安で作れる簡易住居に興味を持ち、自分で家を建てようと計画する。そんなサンドラを掃除婦として雇ってくれている昔からの顔なじみのペギーは自分の庭を使っていいから、そこに家を建てなさいと提案する。

サンドラは人を集めてDIYで家を建てようとするが、元夫がサンドラから親権を奪おうとあやゆる手段を使って彼女の行く手を阻むのだった。

サンドラの小さな家のキャスト

  • クレア・ダン
  • ハリエット・ウォルター
  • コンリース・ヒル
  • モリー・マッキャン
  • ルビー・ローズ・オハラ
  • キャシー・ベルトン

サンドラの小さな家の感想と評価

「マンマ・ミーア!」や「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」で知られるフィリダ・ロイド監督による、シングルマザーの奮闘記。

夫からのDVに耐えかねて家を飛び出したヒロインが二人の娘を抱えて貧困に苦しみながらもよりよい生活を求めてマイホームを持つことを夢見る物語です。

イギリス映画に多い、労働者階級の貧困層の人々を取り上げた話で「家族を想うとき」や「わたしは、ダニエル・ブレイク」などとも共通するものが多々あります。

例えば登場人物はそこら辺にいそうなおっちゃんおばちゃんばかりで、容易に自分自身と重ね合わせることができるでしょう。特にシングルマザーの人が見たら共感できることが多そうです。

いわば共感と同情を誘って感動に持って行こうとするタイプの作品なので、どちらかというと順風満帆の人より、今まさに苦労している人に刺さる映画といえるでしょう。

子持ちの若いお母さんが夫と別れて家を出たらまずは一旦実家に帰るのが大半のパターンですが、サンドラには頼る人がいないのが特徴です。それゆえに住居も定まらなければ、日常のルーティンをこなすことですら難しくなり、複数のバイトをこなしてなんとか食いつなごうとします。

そんな中で家族の幸せと安定を求めてマイホームをDIYで立てることに決め、周囲の人たちの協力を受けながらなんとか困難を乗り越えていく、というのがおおよそのあらすじです。

夫とは別れはしたものの、彼にも子供に会う権利があるので、定期的に娘を連れて夫の家に行かなければないっていうのがきついですよね。

暴力に怯えて暮らしてきたサンドラにとっては夫の存在はトラウマでしかなく、夫の顔を見る度に恐ろしい記憶が蘇ってくる様子が伝わってきました。

離婚後の子供の親権をどうするかはイギリスだけじゃなく、日本も含め、世界各国に共通する問題で、それぞれの家庭で事情が違うから法律でルールを定めるのにも限界がありますね。

母親が有利に親権を得られる今の世の中もおかしいですが、DVの夫にまで面会の権利があるっていうのもまた変ですよね。子供たちが会いたいっていうのであれば会ってもいいけど、怖がって会いたがらない子供にまで父親に面会を強要するのは違うよなぁ。

そういった離婚後の夫婦の問題を考えさせられるストーリーになっていて、なかなか興味深かったです。

イギリス映画全般に言えることですが、俳優たちが素朴でいい味を出していて、また演技も自然なので物語の中に入っていけます。全体的にリアリティーが高く、誰にでも起こりそうなことを取り上げているのも好感が持てました。

一方でサンドラがあまりにもコテコテのいいお母さん、という設定になっているのはベタでしたね。監督が女性ということもあり、だいぶ女性寄りの話になっていてお父さんは悪魔、お母さんは天使といった両極端な描写になっているのは残念です。

あれでサンドラまで暴力的だったらもっと話が複雑になってよかったかもしれません。そしたら子供たちはどっちを選ぶのか分からなくなるし、親権問題や裁判シーンにより深みが出たことでしょう。

ラストは結構容赦ないなあ、という感じがしました。素直なハッピーエンドではないし、あれをハッピーエンドと捉えていいのかも難しいところです。一応希望だけは残しておいた、という感じで現実の厳しさを教えてやろうという監督の意図なんでしょうか。

それよりなにより、マイホームを建てただけで仕事の環境が変わらないんだったら、結局バタバタの生活は変わらないんじゃないのかっていう突っ込みどころもありましたね。

コメント

  1. ちー より:

    ラストの灰の山は切なかったですね。
    DVのトラウマで家づくりが一進一退な感じがリアリティありましたね。
    ただ、みんな無性で手伝ってくれるなんて優しすぎやしない?と思ってしまいました。