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薬の神じゃないはちょっといい話!感想とネタバレ

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この記事は 約4 分で読めます。

薬の密売に対しての概念を覆される衝撃の実話。悪徳製薬会社&中国政府に背を向けて、命がけで戦った男の熱いストーリーです。68点

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薬の神じゃないのあらすじ

上海でインド製精力剤を販売しているチョン・ヨンは店の家賃を滞納するほど経済的に追い込まれていた。別れた妻からは息子の親権を巡って訴えられそうになっていた。

そんなある日、知り合いから白血病患者リュを紹介される。そしてリュに中国政府から認可されていないインドのジェネリック薬を密輸してくれと頼まれる。

スイスの製薬会社が売ってる白血病の薬はインドのジェネリック薬の20倍の価格だった。それではとても中国人は買えない。それに対し、インドのジェネリック薬なら成分も効力も同じなのに割安のため多くの白血病患者が買うはずだというのだった。

薬の密輸は重罪であることを知っていたチョン・ヨンはこの誘いを断った。しかしある日、地主から家賃の滞納を理由に店にロックをかけられたうえ、入院中の父親の高額な医療費も払わなければならなくなった。

こうしてチョン・ヨンは仕方なく、インドに出向き、多量のジェネリック薬を密輸してくることに。最初こそなかなか買い手が見つからなかったが、白血病患者の掲示板を運営するリウ・スーフェイの協力を得て、薬を求める患者たちが大勢詰めかけてくる事態に。

ビジネスは大成功したチョン・ヨンだったが、大量に薬をさばいていくうちにスイスの製薬会社から通報され、警察の捜査が入る。捕まれば重罪は免れない。果たしてチョン・ヨンの運命はいかに。

薬の神じゃないのキャスト

  • シュー・ジェン
  • ワン・チュエンジュン
  • ジョウ・イーウェイ
  • タン・ジュオ
  • チャン・ユー
  • ヤン・シンミン

薬の神じゃないの感想と評価

ウェン・ムーイエ監督による、未認可の白血病薬品をめぐる中国のヒューマンドラマ。実話ベースのちょっといい話です。

中国国内の薬が高すぎるから海外から違法のジェネリック薬品を密輸して売りさばき、多くの白血病患者の命を救った男を描いた作品で、コメディと友情&家族ドラマをミックスしたような作りになっています。

物語は、最初こそ金儲けのために密輸に手を出したものの、白血病患者たちの置かれている状況を目の当たりにしてからは、儲けを度外視し、警察に捕まるリスクを背負いながらも人々を助けるようになる主人公の心境の変化を映し出していきます。

実際の出来事と比べると、かなり美化、ドラマチック化されている部分もあるでしょうが、全体的には娯楽性が高い社会ドラマに仕上がっていて、とても見やすい映画でした。

どこかで聞いたことのある話だなあ、と思ったら「ダラス・バイヤーズクラブ」とプロットは全く同じですね。HIVと白血病という病名の違いこそあれど、患者を救うために安価な薬を海外から仕入れ、闇市場で売りさばき、人々を助けていた男がいた、というのはアメリカでも中国でも同じだったんですね。

命にかかわる薬を高額で売りつける製薬会社はもちろん、薬が買えず苦しんでいる人達が大勢いても何も対策をせず、野放しにしている政府もひどいですね。

そんな状況下で果たして薬の密輸、密売は善か悪か、という問題を本作は視聴者に突き付けています。主人公を悪人として描いていないので、多くの視聴者はそのまま主人公寄りの考えになるでしょうが、法律は守って当然、ルールにはなにがなんでも従わないと絶対ダメ!みたいな頭でっかちな人種の多い日本ではもしかすると、「主人公の男は無期懲役になるべきだ」なんて思う人もいるのかもしれませんね。

無論そういう人にはおすすめできない映画だし、逆に法律とかルールうんぬんじゃなく、人として道徳的に何が正しいかを判断できる人なら登場人物たちに容易に感情移入できるんじゃないでしょうか。

特に主人公が患者たちと接していくうちに人間力を上げていく展開が見ていて熱くなりますね。もともとは奥さんにも平気で暴力を振るうような乱暴で、自分勝手だった男が、金儲けよりも人命を優先するまでになったのはいかにも映画的な成長の姿だったけど、なかなか人のために懲役に行くってできることじゃないですよ。

一つ納得が行かなかったのは商売繁盛して、打ち上げして大いに盛り上がってシングマザーのリウ・スーフェイといい感じになったのにチョン・ヨンがあえて誘いを断ったくだりですかね。あそこは別にやってもよかったんじゃないの? あんなときぐらい、ちょい悪男になっても罰は当たらないでしょ。それともダメですか?

あれは娘が別の部屋にいたからダメだったのか、それともポールダンサーの「お世話になったし、恩があるから私の体をどうぞ」的な態度がいけなかったんでしょうか。向こうだってまんざらじゃなかったと思うんだけどね。

コメント

  1. sarisari より:

    ポールダンサーのところですが、
    やってしまったら
    「せっかく今最高に誇らしく生きているのに、これから先そういうのを期待する自分になってしまう」
    のが嫌だったんでしょう。

    ボランティアあるあるですな。