ヒーロー映画の中でも史上最低レベルの安っぽさを誇る『X-MENシリーズ』13作目。これは公開しないほうがよかったやつです。1点
ニュー・ミュータントのあらすじ
ある晩、ネイティヴ・アメリカンのダニーは父親から叩き起こされる。巨大な竜巻が発生したため避難するようにと言われたのだった。ところが父親は家族を助けるために家に戻ったせいで、ダニーと離れ離れになってしまう。
目を覚ますとダニーは病院のような場所にいた。女性ドクター、セシリア・レイエスがダニーは竜巻の唯一の生存者であることを告げた。そしてその施設はまだ自分の能力をコントロールできない若いミュータントを安全のために隔離しておく場所だと説明する。
ダニーのほかにもイリアナ、ラーネ、サム、ロベルトの4人がその場所に収容されていた。それぞれが過去に闇を抱えており、トラウマを負っていた。
一見、自由に出て行けそうな施設だったが、外は目に見えないフォースのシールドで覆われており、どこにも行けなかった。そんな中、やがて施設にいるミュータントたちは幻覚を見るようになっていく。
ニュー・ミュータントのキャスト
- アニャ・テイラー=ジョイ
- ブルー・ハント
- メイジー・ウィリアムズ
- チャーリー・ヒートン
- ヘンリー・ザーガ
- アリシー・ブラガ
ニュー・ミュータントの感想と評価
ジョシュ・ブーン監督による、X-MENシリーズにおいて唯一日本で劇場公開されなかった、残念すぎるヒーロー映画。
何度も公開が延期になっただけあって不運な映画なのかと思っていたら、ただのゴミ映画だった、というオチが待っていました。
面白いのは最初の10分ほどで、それ以降急激にテンポが悪くなり、特に何も起こらぬまま終盤に突入し、最後にちょこっとバトルシーンがあるだけで、結局施設内で全ての話が完結してしまう安上がりストーリーになっています。早い話、学生のつまらない寮生活を2時間見せられる映画ですね。
この映画の問題点はざっとこんな感じです。
- 登場キャラが薄すぎ
- ヴィランがいない
- ミュータントの能力がいまいち分からない
- ミュータントを演じる新人俳優たちがみんなB級
- アクションがほぼない
- ホラーになってない
ホラー映画とヒーロー映画の融合みたいな感じで宣伝されていたので、ちょっと期待しちゃったんですが、ふたを開けてみればホラー映画にもヒーロー映画にもなっていなかったです。
まず、大手製作会社が作った映画にしては、低予算映画かよっていうぐらい登場人物が少なく、施設の職員もドクター一人っていうのが違和感ありまくりです。
ドクター一人で元気溌剌な若者のミュータントたちを管理できるのかよって話なわけで、なぜかみんな前半はドクターの言うことを素直に聞いています。
ところが後半になると、若者たちがドクターに不信感を抱きだし、反抗するようになるんですが、そもそもなんで最初から目的不明の施設で拘束されてるのに、スーパーパワーを持った奴らがあんなに大人しく言うこと聞いてるんだよって話じゃないですか。
それぞれのミュータントとしての能力も曖昧で、ときどき体が光ったりしてスパーパワーをひけらかすんだけど、誰に対して使おうとしてしているのかも謎だし、キャラクターの良さ、特徴がストーリー上で全く発揮できていません。
なによりヒロインのダニ―の「他人に幻覚を見せる能力」ってなんだよって話じゃないですか。自分では何もしないのかよって。
よくよく考えると、ヒーロー映画なのに分かりやすいヴィランが一人も出てこないじゃないですか。もし、か弱い女性ドクターがヴィランというなの設定だったら、あまりにもお粗末だし、最後のほうで出てくる熊さんがそれに値するのだとしたら、またそれもぱっとしないですよね。
正直、これのどこがホラーなのかちっとも分からなかったです。なにがどう怖いんですか? 実は殺人者を育てようとしていたっていうくだりですか? あんなところに入れられて普通にしていられる若者たちの精神状態はちょっと怖いけど、そのほかには怖いところが見当たらないけどなぁ。
あと、あのレズシーンとかも全くいらないですよね。LGBTに媚を売っているのかなんなのか知らないけど、無理して恋愛させなくていいし、あの二人の恋も結局なんの展開もなかったですよね。
ヒロインは、ダニエル・ムーンスターを演じるブルー・ハントなのに、なぜかアニャ・テイラー=ジョイが主人公みたいな宣伝の仕方をしてるのもなんなんですかね。そういう差別的な宣伝もやめろよな。
「ムーラン」もそうだったけど、最近度々公開が延期される映画ってそれなりにいわくつきなんだなぁ、という感じがしますね。コロナのせいにしているけど、実のところ、いつ公開したところで失敗することが分かってるからなかなか出せないんじゃないかな。
コメント
上映時間も短いんでソフト化されたら見たいと思います。
アメコミ映画飽和の中でどんだけ最低なものか見るために(-_-;)
上映時間が短いのに、長く感じる作品でした。これで2時間半あったら最後まで見れないと思います。
正直、「XーMEN」自体がローガン・シリーズ以外にスピンオフで話を広げられる程に懐の広い作品ではないと思います。
XーMEN自体、微妙ですね。