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燃ゆる女の肖像はラストがすごいけど途中が退屈!感想とネタバレ

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フランス美女二人がソフトに絡み合う同性愛ドラマ。もうちょっと名作になるところだった惜しい作品です。59点 

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燃ゆる女の肖像のあらすじ

18世紀末、画家のマリアンヌはブルターニュの離島を訪れた。彼女はある女性の肖像画を描くために雇われたのだった。

ある女性とはエロイーズ。エロイーズはもうすぐ見たこともないイタリア人の男と結婚するためにミランに嫁ぐ予定になっていた。肖像画はそのイタリア人に送るためだったのだ。

マリアンヌはエロイーズに自分が画家であることを隠すようにエロイーズの母から言われていた。エロイーズが結婚を拒んでいたこともあり、肖像画を描くことに反対すると思ったからだ。

こうしてマリアンヌは、エロイーズの付き人として数日間共に過ごしながらエロイーズの肖像画を描き上げようとする。しかし二人はそのうち抑えられない衝動に駆られていく。

燃ゆる女の肖像のキャスト

  • アデル・エネル
  • ノエミ・メルラン
  • ルアナ・バイラミ
  • ヴァレリア・ゴリノ

燃ゆる女の肖像の感想と評価

「トムボーイ」や「秘密の森の、その向こう」のセリーヌ・シアマ監督による、大人の女性向けレズビアン恋愛ドラマ。政略結婚させられようとしている花嫁と、彼女の肖像画を描きに来た画家の女が叶わぬ恋に落ちる、美しも悲しい物語。

「ブロークバックマウンテン」と「タイタニック」の恋愛ストーリーをミックスしたみたいな悲劇のドラマで、時代的にも自由が認められていなかった女性が、比較的リベラルな画家の女性に強く惹かれ、激しく愛し合っていく数日間の出来事をほぼほぼ演技と脚本だけで見せていく作品です。

ザ・フランス映画という感じでテンポのいいストーリー展開も派手さもありません。殺人も起きなければ主要人物が悲劇の死を迎えることもありません。結構何も起こらない時間帯が続き、直接メインのストーリーと無関係なサイドストーリーのほうが逆に展開が多かったりします。

本当にアデル・エネルとノエミ・メルランの二人が表情と身動きとセリフの掛け合いだけでストーリーを奏でていく文学的時代劇で、はまる人にはかなりはまりそうな映画だなぁ、という印象を受けました。なんせヒロインの二人が美しく魅力的なので、二人に見惚れる人も少なくないでしょう。

演技は文句なしに上手いし、二人が強く惹かれていく様子も伝わってきます。一度でも同性を本気で好きになったことのある女性なら特に自分と重ね合わせてしまうんじゃないでしょうか。

美しい大人の映画だなあぁ、と思う一方で、問題点もいくつか浮かびました。一つは長いことと、もう一つはスローすぎること。そして絶望的にハプニングが少ないことでしょうか。

ヒロインの二人が今にもくっついてしまいそうなのをじらしてじらしていく演出は悪くないし、期待を膨らませるんですが、いざ二人が最初のキスから絡みのシーンに行く時にばっさりベッドシーンがカットされて、次の瞬間、翌朝のシーンになるのには心底がっかりしましたね。

様々な二人の背景を見せた挙句、禁断の恋に足を踏み入れた二人なんだから、そこはもう激しく愛し合ってもらわないとダメでしょう。そういう意味では「アデル、ブルーは熱い色」ほどの情熱と興奮を感じませんでした。

二人とも普通に裸になっているんですが、全部ことが終わったピロートークのシーンばかりで、セクシャリティを超えた大人の恋愛ドラマで性を描かなかったことが理解に苦しみます。この映画を官能的にしないでどうするよ。

二人が別れる前、嫁に行くエロイーザのほうが、画家のマリアンヌに「あなたの絵を私の本のページに描いてよ」というロマンチックなお願いをします。それを見てあなたのことを思い出すわ、というのです。

するとあろうことか、エロイーザは自分の股間に丸い鏡をおいて、それにマリアンヌを反射させて自画像を描かせるのでした。素敵なシーンになるはずのシーンがあれでぶち壊しですよ。別にあそこに鏡を置かなくてもいいのにね。

この映画の醍醐味はほぼラスト5分に集中するといっていいでしょう。幻覚として何度も出てきたエロイーザのウェディングドレス姿。展覧会で展示されていたエロイーザの肖像画。そして最後のコンサートで流れた二人の思い出の曲。

あの流れは見事でしたね。あの一連のシーンのためにこの映画があるといっても過言ではないでしょう。

あれだけ締めくくりが見事だと、名作として記憶する人も少なくないでしょうね。絶賛している人たちはみんな最後の最後でやられてしまったはずです。

僕にとっては、あそこまでたどりつく過程が結構退屈だったので名作だとは思えませんでした。ラストがいいだけに惜しいなぁ。 

コメント

  1. きのこ食べ過ぎ より:

    評論家のレビューがやけに高い(10年に一度の傑作とか)から観に行きましたが、結論から言うと肩透かしでした。
    舞台が「孤島の屋敷内」という限定空間なのに、これといった人間ドラマが無いので退屈だし、時代設定が18世紀にしては貴族の令嬢と雇われ画家、メイドの人間関係がフランク過ぎてリアリティーが無い。
    あと修道院で箱入り生活させられていた令嬢と画家が同性愛関係になるくだりが何か唐突に思えた。性愛的な部分がお洒落ポルノみたいに小綺麗に描かれているので二人の関係に説得力が無い。あと、あのメイドの中絶エピソードとか要るのかよ?とか。
    当時のキリスト教圏の女性にとって中絶ってもっとタブー感あっただろうに、何であんな女子高生の青春エピソードみたく軽く描かれているのか?と。
    これも結局「ストーリー・オブ・マイライフ」と同じフェミポルノですよね。

  2. ちー より:

    すべてはラストシーンに向けてのフリのようで、もう少しドラマチックさが欲しかったですね。
    ただ、どのシーンも絵画のようで美しかったです。