蜜蜂と遠雷はピアノ弾いてるだけの映画!感想とネタバレ

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結構大胆なことをやっているけど、地味に終わってしまった音楽ドラマ。ピアノとクラシック好きにはいいかもしれませんが、ストーリーを求める人には適していない作品です。33点

蜜蜂と遠雷のあらすじ

映画『蜜蜂と遠雷』予告【10月4日(金)公開】

3年に一度開催される、若手の登竜門として知られる芳ヶ江国際ピアノコンクールには今年も有望な才能な集まっていた。

かつて天才ピアノ少女としてもてはやされていた栄伝亜夜はこの大会で自分の進退を決めようとしていた。

岩手の楽器屋で働く妻子持ちの高島明石は、ピアノだけに専念しているピアニストとは違った、生活に根付いた音楽を突き詰めようとしていた。

栄伝亜夜の幼馴染であり、一緒にピアノを学んできたマサル・カルロス・レヴィ・アナトールはいまや名門の音楽院に在学する本大会の大本命だった。

そんな彼らの前にピアノの神様、ユウジ・フォン=ホフマンの推薦状を持って現れたのが、エキセントリックな少年の風間塵だった。

彼らはそれぞれ大会を通じて、自分の音、そしてピアノ人生と向き合っていく。

蜜蜂と遠雷のキャスト

  • 松岡茉優
  • 松坂桃李
  • 森崎ウィン
  • 鈴鹿央士
  • 臼田あさ美
  • ブルゾンちえみ
  • 福島リラ

蜜蜂と遠雷の感想と評価

「愚行録」で知られる石川慶監督による、ピアノのコンクールに出場するピアニストたちを追った音楽ドラマ。同名小説の映画化です。

ストーリーよりも演奏シーンを中心にした挑戦的な作品ではあるものの、ドラマチックさや起承転結がほとんどない、ただのコンサート映画です。

別に題材が悪いわけではないので、これで内容さえ面白ければ、相当すごい映画になっていた予感がします。雰囲気は持ってるし、物語の冒頭ではこれってもしや面白いやつじゃん?と期待すら抱かせました。

オーケストラ!」や「セッション」や「アンコール!!」などコンサートを見せ場にした映画はたくさんありますが、この映画もポテンシャルはそれらの作品同様にあったんじゃないでしょうか。

しかしさすがに登場人物がコンクールでピアノを弾く姿を見せるだけでは、映画としての物足りなさが残ります。

圧倒的に人物描写が不足していて、それぞれのキャラクターたちの背景もよく分からず、ピアノに対する思い入れや感情がいまいち伝わってきませんでした。そもそもどういうきっかけでピアノを弾いているのかも分からないぐらいだったし。

登場人物たちの抱える代表的な葛藤といえば、ピアノを辞めるかどうかぐらいで、オール・オア・ナッシングみたいな発想にしかならないのがいかにも漫画的ですね。

そもそもほかの仕事しながらピアノ弾いてる妻子持ちのお父さんがピアノを辞めるかどうかで悩む必要あるか? プロじゃないんだから弾きたいときに弾けばいいじゃん。

物語の中心となるのは、天才ピアノ少女ともてはやされたヒロインの栄伝亜夜、そして現在人気急上昇中の爽やかイケメンピアニストのマサル・カルロス・レヴィ・アナトールの二人です。

彼らはもともと幼馴染で、一緒にピアノを習っていたという過去があり、マサルは栄伝亜夜の背中を追ってきたのに対し、栄伝亜夜にとってはマサルはいつの間にか才能溢れるピアニストになっていた、といった関係性がありました。

しかしながら二人の関係性はそれ以上でもそれ以下でもなく、特に話が広がっていきません。

さらにこの二人のほかに前述の妻子持ちのピアニストがいたり、天然不思議ちゃんピアニストの少年がいたり、とそれぞれのキャラクターを打ち出そうとはしていました。しかしながらストーリー的にはどのキャラクターも掘り下げられないまま終わっていくような印象です。

唯一、感情らしい感情を表していたのは、栄伝亜夜が突然泣き出すシーンぐらいですよね。なぜあのタイミングで泣いたのかは謎だったけど。まあ、たまにいるけどね、いきなり泣き出す女。

コンクールを予選から本選まで描く、というのにこだわったせいで、そこから脱線できなくなってしまった感もありますね。

例えばピアニストを描くにしても「グリーンブック」のように普遍的なエピソードを添えて描いていたら、また違っていたことでしょう。

最大の失敗は、ピアノ、あるいは音楽そのものを描こうとしたところで、やっぱり人を描かないでどうするんだよっていう感想に集約されるんじゃないでしょうか。

これ「映像化不可能」などと言われていたそうですが、むしろ小説で表現するほうが難しそうですね。一連の演奏シーンを全部文章だけで伝えるってちょっと想像がつかないなぁ。これも原作読んでくださいって言ってくる人多そうだなぁ。

一方、これだけピアノの演奏シーンに時間を割いている映画も珍しく、ピアノの音色は正直心地よかったです。

いいのか、悪いのか、一回目見たときは本当にぐっすり眠れました。疲れが吹き飛んだもん。それも退屈して眠ったという感覚とはまた違うんですよね。むしろ気持ちよくて落ちた、という感覚です。

果たして上映中に眠ってしまう映画がいい映画なのか、というと疑問ですが、家で見ながら退屈せず心地よくスヤスヤ眠れる映画だとしたら、それはもしや新感覚な作品なんじゃないのかとすら思えます。もしそういう映画を意図的に作っているのだとしたらの話だけど。

コメント

  1. 通りすがり より:

    普通に漫画の「ピアノの森」の方が面白い。
    原作小説自体が「ピアノの森」のパクリっぽい要素が多々あるし。