ビッグ・リトル・ファームは農園の大変さが分かる良作!感想

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都会を飛び出し、田舎に移住を決めた夫婦がオーガニック農園を何年もかけて作るアメリカンドリームストーリー。自然と動物に対して敬意が感じられる物語で、見る価値ありです。79点

ビッグ・リトル・ファーム・理想の暮らしのつくり方のあらすじ

『ビッグ・リトル・ファーム 理想の暮らしのつくり方』予告編

LAのアパートで普通の生活を送っていた映像作家のジョンと料理人の妻モリーはいつか二人で農園をやりたいと考えていた。

ある日、ジョンがよく吠える犬を拾ってくると、隣人から苦情を受けるようになり、やがてアパートを追いされてしまう。

これ以上、街には住めないと思った二人は、投資家を募って、昔ながらの自然と共存するスタイルの農園を作ることを決意する。

多くの人は理想主義だと笑ったが、口コミが功を奏し投資家が興味を持ってくれた。

そしてジョンとモーリーは、LAから車で1時間ほどのところにあるベンチュラ郡のムアパークに200エーカーの土地を購入する。

そこをアプリコット・レーンと名付け、二人はさっそく農園づくりに取り掛かった。ところが乾燥地帯でもあるその土地は作物を育てるのにとても適した場所とはいえなかった。

そこでジョンとモーリーは、バイオダイナミック農法の第一人者であるアラン・ヨークの助けを借りることに。

ジョンとモーリーは、アランの助言通り、動物や植物を植えるところから始め、農地を一から作り直す途方もない農園づくりをスタートさせる。

ビッグ・リトル・ファーム・理想の暮らしのつくり方のキャスト

  • ジョン・チェスター
  • モーリー・チェスター
  • アラン・ヨーク

ビッグ・リトル・ファーム・理想の暮らしのつくり方の感想

ジョン・チェスター監督による、自然ドキュメンタリー。自然や動物と共存しながら持続可能な農園で暮らす、という理想を掲げた夫婦の物語です。

都会暮らしをしていた夫婦が、未経験のまま200エーカーの土地を買って、生態系のバランスの取れた農園をいちから作り上げたサクセスストーリーで、自分でやるには大変すぎる農園づくりの様子を、傍観者として観察できる楽しい内容になっています。

自然と共存する、というのがものすごく曖昧で、さも理想主義的なんだけど、農園経営の理想と現実をしっかり見せていて、農園をやっていくうえで生じる様々なトラブルをどのように夫婦が解決していくかなどを8年以上にわたって撮影しています。つまりちゃちゃっと撮ったドキュメンタリーとは違うのです。

むしろ努力と苦労ばかりが伝わってくる素晴らしい映像の数々になっていて、ネイチャー番組の超豪華版といってもいいですね。

監督のジョン・チェスターはもともと野生動物のカメラマンだったそうです。そんな彼が映像の仕事を辞めて農家になろうと決意し、その模様を記録していったらこうして一本の映画になってしまったようです。仕事を辞めたことがきっかけで、また映像の仕事に復帰するだなんて、人生って不思議ですね。

ジョン・チェスター監督の野生動物カメラマン時代のスキルが十分すぎるほど発揮されていて、とにかく生物の映像に対するこだわりがすごいです。

ミクロの昆虫から植物、鳥、豚などそれぞれの生命をしっかりとレンズに捉え、映画のテーマでもある、「ありとあらゆる生き物が共存する生態系」を見事に映し出していました。

都会に住んでいたら、「こんな大勢の人がいるごちゃごちゃした場所からとっとと出て行って、会社勤めを辞めて、大自然の中で自給自足の生活がしたい」などといった夢物語を描く人は少ないないでしょう。

でも実際にジョンとモーリーのレベルでそんな夢を実現させられる人はほとんどいないんじゃないでしょうか。

二人の発想が違うのは、自分たちの貯金を崩してやるのではなく、投資家を募って、その資金を基に一大ビジネスとしてやる、という点にありますね。

やっぱりああいうセンスはさすがビジネス大国で育ったアメリカ人だなぁ、という感じがします。

自分たちの童話のようなアイデアをプレゼンして、共有するだけにとどまらず、それに共感して、お金を出してくれる金持ちが見つかるところがアメリカらしいですよね。まさにアメリカンドリーム。

そもそも素人の二人なのに最初から200エーカーの土地を買っちゃうって自殺行為じゃないですか? もっと小さく始めなくていいの?

土地が安いっていうのもあるけど、いきなりものすごいスケールで始めちゃうんだよなぁ。たまたま二人が関わった人たちがいい人だったから良かったけど、あくどい専門家とか雇ってたら、金だけ巻き上げられて終わっていたでしょうね。特に知識のない素人夫婦だから足元見られたりしそうだけどね。

それとも素敵なアイデアを持っている人には素敵な協力者たちが集まってくるのが運命なのでしょうか。そうだとしてもこの映画では決して見せていない問題や苦労もきっとあったはずです。

農園で起こるトラブルの数々を見てるだけで「あ、これは俺には無理だわ」って思いましたもん。

まず、干からびた土地を作物が育つ農地に変えるだけでも途方もない作業で、工事をして、木を埋めて、灌漑の設備を整えて、動物たちを飼育して、やっとのことでエコシステムが回り始めたかと思ったら、今度は害虫が大量発生したり、野生のコヨーテが家畜を襲い出したりと、次々と予想だにしなかったトラブルが発生します。

それに対する解決策を考え、実行していくのも映像で見るからまだいいけど、本人たちは相当大変でしょうね。

美味しい果物が育てば育つほど、鳥が集まってきて、鳥に全部食べらられちゃうとか絶望じゃないですか。ああいうのを見ていると普通の農家が農薬使うのも分かる気がしますね。だってコスパ悪すぎだもん。

なにより興味深かったのは自然と共存するという理想を掲げていたジョンがコヨーテを銃で殺すシーンですね。あのときに理想と現実の違いをまざまざと見せられた気がしました。

本当だったら自然界の成り行きに任せて農園を運営したかったんでしょう。しかし黙っていたら自分たちの家畜が全部殺されてしまう。だから仕方なくコヨーテを殺したんだけど、それと同時にまるで信念まで失ってしまったような複雑な心境を映した場面でしたね。

コヨーテを殺すシーンはまだ見せていたものの、おそらくエコ農園経営において、イメージとマッチしない部分はカットされていたか、あるいは触れていない部分も多そうですね。

一応、オーガニック・バイオダイナミック農法の認可は受けているみたいなので、 それほど無茶苦茶なことはしてないだろうけど自然には優しくて、従業員には冷遇だった、というオチがないことを祈ります。

それにしても農家でもない、都会育ちの夫婦がよくここまで理想を追求できましたよね。

現実の厳しさを知ったときに「そこまでオーガニックにこだわることなくない?」とかどちらかが言い出さなかったのかなぁ? 「農薬使うなら離婚するわよ。農薬と私どっち取るの?」とか奥さんのほうが言ってたんじゃないのかなぁ。

なんだろうね、あの愛情溢れる夫婦は。どんだけ豚にまで優しんだよって。心がポカポカになったじゃん。素敵な農園ライフのハイライトを十分に堪能させてもらっちゃいました。

ちなみに豚のパートはショートストーリーになっているので、ぜひこちらで見てみてください。この話がいいと思ったら、きっと映画も気に入るでしょう。

A Pig Named Emma, 13 Piglets and 1 Big Miracle | SuperSoul Sunday | Oprah Winfrey Network

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