37セカンズはヒロイン佳山明が素敵!感想とネタバレ

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障害者を扱った映画ながら不幸を描くのではなく、幸せにフォーカスしたポジティブなストーリー。障がい者の性にも切り込んでいて、見れる映画に仕上がっています。55点(100点満点)

37セカンズのあらすじ

映画『37セカンズ』予告編

貴田ユマは生まれつき脳性麻痺で車椅子生活を送っていた。彼女の身の回りの世話をするのは母親の恭子だった。

恭子は、過保護で障害を持つ娘のことが心配で仕方がなかったため、ユマが一人で家を出るのを嫌った。

ユマは漫画家志望で、アイドル系漫画家SAYAKAのアシスタントをしていた。実質ユマが彼女の絵を描いていたのも同然だったが、SAYAKAはユマのことを公にするのを嫌がった。

そんな状況下でユマは自分の漫画を出したいと思い、ある日アダルト漫画の出版社に原稿を見せに行く。すると、編集長からセックスの経験がない人がアダルト漫画を描いてもリアリティーがないと言われ、経験したらまた来てくれと追い返される。

これをきっかけにユマは夜の街へと繰り出し、女性向けの風俗を経験するなどしているうちに風俗嬢の舞や介護士の俊哉と仲良くなる。

障害のあるユマに対してもフラットに付き合ってくれる彼らを通じてユマは、自由に生きることへの願望を膨らませていく。

そして束縛する母親から逃げるように家出をし、まだ見ぬ父親を探す旅に出る。

37セカンズのキャスト

  • 佳山明
  • 神野三鈴
  • 大東駿介
  • 渡辺真起子
  • 熊篠慶彦
  • 萩原みのり

37セカンズの感想と評価

HIKARI監督による、障害を持つヒロインが自立するまでを描いた人間ドラマ。実際に脳性まひで、演技未経験の素人を起用し、障害を持つ女性が自分の人生を選択していく喜びが伝わってくる人生賛美ともいえる作品です。

障害者を主人公にした映画となると、大抵主人公をこれでもかというほど不幸に描き、泣かせる手法を選ぶ監督が多い中で、この映画はヒロインのユマ自身をとても前向きで、ポジティブなキャラに仕上げています。

その点においては「セッションズ」や「パーフェクト・レボリューション」と似た明るさがありますね。

セッションズ」や「パーフェクト・レボリューション」と違うのは、主人公が女性であることと、障害を持つ女性なりの性の目覚めや探求心を取り上げていることじゃないでしょうか。

物語の序盤から入浴シーンでユマをヌードにしているのも本気度が伺えますね。ユマの裸をさらけ出しつつ、アダルト漫画を描き始めたのをきっかけに、彼女の性的な欲求と好奇心に切り込んでいき、女性向け風俗のシーンにつながっていくのは自然でした。

そういえば女性向けの風俗シーンって洋画でも邦画でもあまりなかったですよね。それも障がい者の女性が男娼をホテルに呼ぶっていうシチュエーションがいいじゃないですか。

ただ、いざホテルに来た男娼はイケメンで一見サービス良さげかなと思ったけど、キスはできないとか抜かしやがる低品質な男娼で、ユマの性的ファンタジーを満たしてあげられませんでした。

どうせならあのシーンは思い切りユマを乱れさせて、性に目覚めていくという展開にしてもらいたかったですね。障害者の女性が風俗にのめり込んでいく、というのでも面白かったんじゃないかなぁ。

結局、ユマは性体験を完了できないまま、過保護な母親と喧嘩をして家出をし、イケメン介護士の家に転がり込むことになります。そして母親と離婚した父親を探しに行く、という流れになるんだけど、残念なことにあそこから急に話が安っぽくなっていきましたね。

今まで自分探しの旅をしていたと思ったら、突然父親探しの話になって、挙句の果てには双子の姉妹を探しに行くという急展開になるのはもはやファンタジーですよね。

せっかくリアリティー路線で行っていたのに物語の途中で方向転換しちゃった感が出てしまいましたね。

離婚した男女が双子の娘を一つずつ引き取る。片方の娘は双子の姉妹がいることを知らない、なんて都合良すぎますよね。

実際、ユマを演じた佳山明には双子の姉妹がいて、タイに住んでいるんだそうです。だからああいう展開になったらしいんですが、かといってこのストーリーとそれがマッチするかといったらあまりしてなかったかなぁ。

それに介護士の俊哉は仕事をほったらかしてユマの父親探しと姉妹探しの旅に付き添って行ったんでしょ? どんな仕事だよって話じゃないですか。介護職ってあんな簡単に長期で休み取れないだろ。

あと、ユマと二人きりで俊哉がタイまで行くんだったら、タイでユマを抱けよって思うんですよ。二人きりで旅行して、同じ部屋に泊まってセックスしようとしない男ってなんだよ。ユマのほうがしたくないっていうんならしょうがないけど、あれ絶対待ってたよね?

それで初めてユマが「いつか好きな人と結ばれる日が来るんでしょうか」みたいなことを舞に言ってたのが伏線となって生きるのにねぇ。結構やりっぱなし、言いっぱなしで回収されないエピソードが多かったですね。

あと、これは邦画全般にいえるんだけど、やっぱりテンポが悪いですね。いきなり風俗のシーンから始まってもいいぐらい、序盤でインパクトのあるシーンを持ってこないと駄目ですよ、今の時代。

ネットフリックスで配信するならなおさらちょっとでも話の展開がスローだったら途中で視聴者が離れるからね。

しかしながらそういったマイナス点を含みながらも、なおいい映画だったと思います。双子の姉妹が「ごめんなさい」って謝るシーンとかなかなか感動的だったし。

なにより佳山明を起用した時点でこの映画は成功していたといえるほど、彼女のキャラと声と笑顔は素晴らしかったです。すでに売れている女優を起用するんじゃなくて、こうして素人女優を使った映画のほうがまだ邦画は可能性を感じますね。

HIKARI監督の次回作、楽しみにしてます。

コメント

  1. とある読者 より:

    お疲れ様でした。読んだ限りだとこの映画のテーマというかメッセージがわかりませんね。監督は何を撮りたかったのでしょうか?

  2. 通りすがり より:

    土俵際ギリで「感動ポルノ」を免れた印象。
    序盤から中盤までは凄く良かったが、中盤からラストに至るまでが、何か「感動ポルノ」方向に進んでしまって盛り下がった。
    「主人公の自立」がテーマなのだから、「母親との対立」に関する決着をキチンと描かなかったのはマイナス要素だと思う。
    タイ旅行とか特に要らんだろ。
    ただ全体的には面白い作品で、監督の才能も感じられた。
    マンガ絵の挿入とかポップミュージックとかの使い方も、「ハーレイ・クイーン」のそれより全然センスある。

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