ともしびはシャーロット・ランプリングが脱ぐ映画!感想とネタバレ

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典型的なダメフランス映画のパターンを行く、スローで、退屈で、そしてなにが言いたいのかよく分からない物語。見どころはおばあちゃんのヌードだけです。34点(100点満点)

ともしびのあらすじ

映画「ともしび」30秒予告編

アンナは夫と二人で小さなアパートで静かに暮らしていた。二人には会話がなく、どこか悲しげだった。

そんなある日、夫は何かの罪に問われて、刑務所へと送られてしまう。それを機にアンナは、一人ぼっちになってしまった。

アンナは普段、裕福な家庭の家政婦として働き、趣味で演劇のクラスに通っていた。しかし夫が刑務所に入ってからというもの息子の家族とも疎遠になり、強い孤独に悩まされるようになる。

刑務所を訪問すると、夫は自分の無実を訴えた。しかしアンナはある日、自宅で事件の証拠となる写真の入った封筒を見つけてしまう。

ともしびのキャスト

  • シャーロット・ランプリング
  • アンドレ・ウィルム

ともしびの感想と評価

読者のブルージャスミンさんのリクエストです。ありがとうございます。

アンドレア・パラオロ監督による、夫が刑務所に入ったことをきっかけに人生が狂いだす老女の物語。

身近な人を失い、社会から疎外され、独りぼっちになったヒロインの内面を描く、何度高めのフランス映画です。

物語は、夫が刑務所に送られたせいで、それまでのルーティンが壊され、息子家族と仲が悪くなり、心のよりどころを失ったアンナの姿を追っていきます。

アンナを追うのはいいけど、アンナしか追わないのがまず問題で、ほかの登場人物をまるで無視して話が進むために、ストーリーの全体像は最後まで見えてこない作りになっていました。

つまりアンナを演じたシャーロット・ランプリングをよっぽど好きじゃないときつい映画ですね。

主役がシャーロット・ランプリングであることや、突然旦那がいなくなり、孤独になった女性を描いた悲劇のドラマという意味では、フランソワ・オゾン監督の「まぼろし」を彷彿させるものがあります。

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しかし、「まぼろし」と比べると、あまりにも物語の中に情報やヒントが少なく、解釈や結論を視聴者に委ねている割にはストーリーを想像しようがないほど抽象的な表現に終始しているのがダメでした。

そのせいでせっかく大女優を起用しているうえに、いい雰囲気をかもしているのに退屈が芸術をはるかに上回っていましたね。これじゃあただの売れないフランス映画じゃん。

いかにも深読みバカ野郎たちが、これはアイデンティティの物語だとか、クジラはアンナ自身のメタフォーだとか、ほざきそうな作品ですね。

内面を描くのはいいんですよ。でも登場人物の表情だけでは視聴者が理解するのも限界があるからね。

まず、夫が逮捕された理由は語られません。しかし夫が逮捕されたことにより、私の息子になんてことするの?と怒鳴り込みに来た女性がいたこと、息子夫婦が孫と会わせたがらなかったこと、タンスの奥から写真入りの封筒が見つかったことなどから、子供にいたずらした可能性がありますね。

そうならそうではっきりさせるために誰かがそう語ってもいいと思うんですよ。でも監督は、それによって「映画の核心から注意を逸らしたくなかった」と言って意図的に説明をしなかったんだそうです。

そうやって極限まで情報をカットしていった結果、はたから見たらほとんど何も起こらない話のように映ってしまい、乱暴に言ってしまえば、おばあちゃんが悲しむシーンが延々と続くだけでした。

これでまだラストにサプライズエンディングがあったり、最悪の悲劇が待っていたり、したらそれまでの退屈さがフリとして機能する可能性もありますが、結局なにもなく終わっていきましたね。

あのラストだったら、じゃあなんで犬をほかの人に譲ったんだよって話になるよね。身の回りを整理してたんじゃないの?

ひとつ気になったのはシャーロット・ランプリング扮するアンナがやたらとカメラの前で着替えるところです。

それがさも若い女の子の生着替え風に撮影されていて、あろうことか全裸のシャワーシーンまでありました。

そうなんです。70過ぎの大女優が脱いでるんです。平然とヌードシーンまでこなすのは素晴らしいし、さすがフランスの女優だなあとは思うんですが、その一方でストーリー上必然性は全くなかったよね。

あれは熟女マニア向けに見せたんですかね。シャーロット・ランプリングの若いころを知っているフランス人からしたらたまらないんじゃないかな。日本でいうところの熟年になった吉永小百合を脱がすみたいなことだから。

しかし逆にシャーロット・ランプリングを知らない、あるいはそれほど親近感を抱かない人にとっては、あそこまでシャーロット・ランプリングのゴリ押しで来られたら困るはずです。少なくとも僕は困りました。

その昔、海外でホームステイをしていたときにホストファミリーのおばあちゃんが風呂上りに全裸で出て来た時ぐらい困りました。見たくないものを見せられて、あのときなぜかすごい腹立ったんだよなぁ。

コメント

  1. ブルージャスミン より:

    リクエストに応えて頂きありがとうございます。
    シャーロットランプリングの映画は監督がバラバラにもかかわらず邦題がひらがな4文字で統一されてますね。
    私はやはりオゾン監督のまぼろしの彼女が一番好きです。他の作品ももう少し美しく撮ってあげてほしいな…

    • 映画男映画男 より:

      確かにひらがな4文字で統一しているので、訳者が同じなんですかね。僕もまぼろしは好きなので、いつかここでも紹介しようと思います。