スポンサーリンク

パッドマン・5億人の女性を救った男は嘘っぽい!感想とネタバレ

※当サイトではアフィリエイトプログラムを利用して商品を紹介しています
※当サイトではアフィリエイトプログラムを利用して商品を紹介しています
この記事は 約4 分で読めます。

いちいち演出が鼻に付くインド映画。悲しみと喜びの表現が暑苦しくて見てられないです。10点(100点満点)

スポンサーリンク

パッドマン・5億人の女性を救った男のあらすじ

インドの小さな村で最愛の妻と新婚生活を送るラクシュミは、貧しくて生理用品が買えず不衛生な布を使用している妻のため、清潔で安価なナプキンを手作りすることに。

生理用品の研究とリサーチに明け暮れるラクシュミは、村人たちから奇異な目を向けられ、数々の誤解や困難に直面する。

そんな彼の熱意に賛同した女性パリーの協力もあり、ついに低コストで大量生産できる製造機の発明に成功。農村の女性たちに、ナプキンだけでなく、その製造機を使って働く機械も与えようと奮闘するラクシュミだったが……。

映画ドットコムより

パッドマン・5億人の女性を救った男の感想

R・バールキ監督による、大げさな演出で埋め尽くされた実話ベースのボリウッド映画。実話はいい話だけど、映画はひどいレベルの感動ポルノです。

物語は、妻が汚い布切れを生理用のナプキンの代用として使っているのを見た夫のラクシュミが自分で安いナプキンを作ろうと思いつくところからスタートします。

しかし生理やナプキンの話をインド人女性が男することはタブーであり、妻は協力するどころかラクシュミがナプキン作りに励むのを猛反対します。

やがて親族からも総すかんを食らったラクシュミは妻にも見放され、村の恥として追放され、たくさんの人に借金をしながら生理用ナプキンの製造機を独りで開発しようとする、というのがストーリーの流れです。

この映画によると、5億人いるインドの女性人口のうちわずか12%しかナプキンを使わないんだそうです。その理由が市場に出回っている一般的なナプキンは高価で貧困層はとても買えないから。

そんな環境を変えようとラクシュミは誰でも買える安価なナプキンを作ろうじゃないかと立ち上がるわけですが、その奮闘の様子をまるでロッキーがボクシングのトレーニングをしているかのようなドラマチックさで描いているのが最大の失敗です。

あの大げさな演出のせいでせっかくの立派な男のストーリーが台無しになりましたね。登場人物がギャーギャーうるさいんですよ。

会話は基本、生理とナプキンの話だけで、ラクシュミが「お願いだから俺の作ったナプキンを試してくれ」というのに対し、女性たちが「恥ずかしいからもうやめて」と怒り出すというやり取りが無限ループのように続きます。

女性たちが恥ずかしがって試してくれないもんだからラクシュミはついに自分で女性用の下着を履いて試したりしながら改良を加えていき、なんとか製品を完成させます。

そしてあろうことかちょうどそのときラクシュミの前に車に乗った女たちが「この辺りに薬屋はありませんか?友達が女の子の日なので」とか言いながら現れるんですよ。なんだよそのタイミング。そもそもタブーじゃなかったのかよ。

そしたらラクシュミがポケットに手を突っ込んで「このナプキンを使ってください」って言いながら自分の製品を渡すっていう、おとぎ話みたいなことになっていました。

それを機にラクシュミはイノベーション・フェアに招待され、賞を受賞し、メディアに取り上げられ、最終的には国連で演説するまでになる、というのが話の全てです。

事実は事実なんだろうけど、ところどころに嘘バレバレのエピソードが混じっているせいでもはやフィクションよりもフィクションぽくなってますね。ちなみにこの人がモデルになった人です。

ラクシュミを追い出した村人たちが成功を聞きつけると手のひらを反して彼を称え、離婚を望んでいた妻が急に電話をしてきて寄りを戻そうとする下りとかコメディーじゃないですか。

何が良くてラクシュミはあんな女のところに戻るんだよ。どう考えても恩人は彼を成功に導いたパリのほうだろうよ。

日本でこのタイプのインド映画がそこそこ話題になるのは演出が邦画に近いからだと思いますよ。ざっくりしていて詳細を詰めていかないところなんかは共通していますよね。だから「世界から猫が消えたなら」とかで感動しちゃう人はこれでも泣くんじゃないかな。

ボリウッド映画のほとんどはリアリティーからほど遠く、歌って踊って細かいことは目をつぶりましょうよのノリでできているので僕は何度見ても好きになれませんね。

それにしてもインド映画ってなんであんなに長尺なんですか? 下手したらインドに行ったほうが速いんじゃないかなっていうぐらい長いですよね。あれなんとかしてください。

コメント

  1. Mikon より:

    いつも笑わせていただいております。
    久しぶりにリクエストです。
    パレードへようこそ
    「PRIDE」
    同時代を描いた
    リトルダンサー「Billy Elliotte」とはまた違う、なかなか味のある映画でした。
    辛口批評を楽しみにしています。
    よろしくお願いします。

    • 映画男 より:

      コメントありがとうございます。機会があったら見てみます。あと、リクエストはできるだけ問い合わせフォームからしてくださいね。ここだと忘れる可能性大なので。

  2. リリコ より:

    なんでそういう見方しかできないかな〜。私は普通に感動できました。
    拒絶される無限ループの後偶然ナプキンを買いたいという女の子が通りかかったのが不自然って、
    単に都会で教育を受けた子だから不必要にタブー意識を持ってないし、
    前にモニターを頼んだ医大の女の子は、男が「パッドを作ったんだけど」って言い寄ってくるのが変態チックに見えた。
    逆にそういう偶然が作用しなければ絶対に打破できなそうな壁だった。(少なくとも映画のプロット上は)

    映画男さんは起業ってしたことありますか?
    起業は、アイデアも大事だけど本人の物凄い粘り、傍からは「異常な執着心」に見えるものがあって初めて成功しますよね。
    私は「起業あるある」という目で見てました。

    あと、最終的には成功した人物を描いたわけなので、ご都合主義のお伽話ぽく見えるのはある程度仕方ない。
    でも、多少なりとも何かを現実世界でやり遂げることの難しさを知っている人ならば、これが実話だということに感動して見るんじゃないですかね。
    かつ、この映画が今でも十分に生理ナプキンが普及していないインドの実情を踏まえ、啓蒙を目的として作られたという事情も割り引いて考えるべきかもしれないですね。

    完全なフィクションの映画と並べて面白さを論じるのは、違うなーと思いますよ。

  3. ヘバタ より:

    それにしてもインド映画ってなんであんなに長尺なんですか? 下手したらインドに行ったほうが速いんじゃないかなっていうぐらい長いですよね。あれなんとかしてください。

    皮肉としてはセンスがない例えですね。ただあなたの感覚のレベルを表現としては満点だと思います。