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チャイルド・オブ・ゴッド(原題CHILD OF GOD)

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主人公の演技だけで成り立っている独り舞台映画。普通ならぞっとするような話なのになぜかぞっとしない演出下手の作品です。48点(100点満点)

チャイルド・オブ・ゴッドのあらすじ

家族と住む場所を失った天涯孤独のレスター・バラード(スコット・ヘイズ)は、森にある廃小屋で暮らし始め、他人との交流を拒んできた。やがて狂気に蝕まれていき、暴力的な性格とゆがんだ欲求をさらに激化させた彼は、肌身離さず持ち歩いているライフルを使った凶行を企てる。

シネマトゥデイより

チャイルド・オブ・ゴッドの感想


コーマック・マッカーシーの小説の映画化で俳優のジェームズ・フランコが監督した、孤独な変質者の男を描いた人間ドラマ。

ストーリーがシンプルで主人公の演技はいいものの、人物描写が甘く、特に見せ場もなく、恐怖や気味の悪さを感じなかったです。

物語の舞台は1960年代のアメリカテネシー州の山岳地帯。そこでレスター・バラードは職にも就かず、自分の家も持たずに野生の動物を捕まえながらまるで原始人のように暮らしていました。

親や親せきどころか友人もいないレスター・バラードは刑務所を出たり入ったりしていることもあり、地元の住民や保安官から危険人物として目をつけられている存在。

そんな彼はある日、誰も住んでいない掘っ立て小屋を見つけ、マットレスや道具を持ち込み、そこに住み着くようになります。

最初はぬいぐるみを話し相手にし、孤独に暮らしていたのが、道端に止めてあった車の中からカップルの死体を見つけるとレスター・バラードは女の死体だけ小屋に担いでいき、彼女を恋人代わりにしようとする、というのがおおよその筋書です。

レスター・バラードのキャラは、しゃべり方といい、目つきといい、獣のようなオーラと危なっかしさに溢れ、なにかやらかしてくれそうな期待を抱かせます。

しかしもうちょっと彼について掘り下げてくれないと、いかにしてあの生活になったのか、社会からはぐれ者になったのかが想像できず、ただの頭のおかしい人で終わってしまいますよね。

劇中で伝えられる重要な情報は両親がいないことぐらいでしょうか。レスター・バラードはいつも猟銃を片手に目をぎらつかせて歩くんですが、あの銃はどこで手に入れたのかとかなんであんなに射撃が上手いのかなどバックストーリーが気になるところです。

もう一つは時代と土地の背景があまりはっきりしなかった点ですね。そもそもあんな変質者が猟銃を持ってうろうろしちゃだめだろ。銃の所持が合法だというのと、銃を片手にスーパーに入ったり、人の家の庭をうろついたりするのは別問題だからね。普通に捕まるって。

最初はてっきり西部時代の話なのかなぐらいに思ってたんだけど、ひと昔前のことだからね。ちょっと無理があるかなぁ。

基本的にはレスター・バラードを演じたスコット・ヘイズの演技を見る映画で、彼のパフォーマンスをどう思うかで評価が分かれそうです。

興奮のあまり鼻水をビローンとたれ流したり、死体の女にドレスを着させたり、といろいろな狂気を見せてくれるけど、一番良かったのは野糞のシーンですかね。あれ、本当にやってませんでした? まあ実際やってたからなんだってことはないんだけど。ただの糞だから。

そして最後はハッピーエンドなのか、バッドエンドなのかよく分からない微妙な解放感を含んだ終わり方をします。あれもどういう意図があるのか。もしかしてこれってサバイバルドラマだったのかなぁ。

そのほかはこれといった特別なところはないですね。それなのにやたらとこの映画のことがツイッターで流れてきたのがひっかかりました。それも「楽しみぃ」とか「最高」とか響きのいいコメントばかりで。

そういうマーケティングなのかなぁとも思ったんだけど、おそらく原作のファンの人たちなんでしょうね。

やっぱり原作ファンって見る前からすでに評価しちゃってるようなところがあるから危険ですねぇ。むしろレスター・バラードより危険です。

2013年全米で公開された映画が日本で2018年に公開してる時点で名作じゃないことは明らかなのになぁ。もしかするとこの映画の視聴者のほとんどが原作読んだ人じゃないの?

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