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アレッポ・最後の男は必見の戦争ドキュメンタリー!感想とネタバレ

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怖くて、悲しくて、苦しいけど、シリアの状況に少しでも興味があるなら絶対に見るべき映画。まるで脚本があるかのような、フィクションかのような、上手くまとまった完成度の高いストーリーです。82点(100点満点)

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アレッポ 最後の男のあらすじ

シリアの最大の都市アレッポでは至るところで政府軍、クルド人勢力、IS、反乱軍、ロシア軍などの攻撃が行われていた。

そんな中、「ホワイト・ヘルメッツ」と呼ばれるボランティアのレスキューグループのメンバーたちは爆撃された現場にいち早く出向き、瓦礫の中から生存者を助け出す活動をしている。

鳴り止まない銃声。逃げ場のない空爆。増え続ける犠牲者の数。生と死の狭間に生きるホワイト・ヘルメッツの男たちにも家族がおり、アレッポを脱出するべきかどうか日々葛藤を抱いている。

そうしている間にも各勢力の攻撃の手は休むことなく、アレッポの状況は悪化していく、、、、

アレッポ 最後の男の感想

フィラス・ファイヤド監督による2018年アカデミー賞長編ドキュメンタリー部門ノミネート作品。世界にシリアの状況を伝えるために文字通り監督が命を賭けて撮った貴重な映像で、心を揺さぶられること間違いなしの作品です。

映画であり、ジャーナリズムであり、国や家族を愛する男たちの人間ドラマに仕上がっています。もう2018年のアカデミー賞ドキュメンタリー賞はこれでいいでしょう。

これ以上社会的に意味があって、世界中の人々が見るべき記録がノミネート作品にあるとは思えません。それぐらい見事なまでにアレッポに生きる人々の気持ちと叫びを代弁していました。

カメラは、レスキュー隊ホワイト・ヘルメッツの隊員たちを追っていきます。銃声が鳴り響こうと、空爆が始まろうと、町中がパニックに陥ろうと、隊員たちの表情を執拗に撮り続けます。

あの緊張状態でカメラを向けられている隊員たちはストレスを感じなかったのかなぁ、ということも一瞬頭をよぎりましたが、もうしかしたらそういうシーンはカットしているのかもしれないし、あるいは彼らも悲惨な状況を記録に抑えることの意義を感じていたのかもしれませんね。

救出のシーンでは、空からの攻撃を受けた瓦礫の山と化した建物の中から赤ん坊の死体や飛び散った女性の足などを映しています。

中にはコンクリートの中に長時間生き埋めになったまま救助され、運よく生存する子供たちもいます。しかし助けても助けても、また攻撃を受け、死者が出る、ということの繰り返しです。

住人や隊員たちの顔からは絶望と希望が交互に見え隠れします。戦火の飛び散る中でもしかし子供たちは笑顔で遊び、大人たちもときおり歌ったり踊ったりして喜びを表現するのが印象的でした。

あんな状況でも決して悲しむだけじゃないんですよね、人間って。人々が日々死んでいく最中に結婚式を挙げるカップルがいたり、戦争に翻弄されながらもアレッポの人々は負けずに自分たちの人生を送ろうとしているのでした。

レスキュー隊の一人がこんなことを口にします。

「他のアラブ諸国は一体何をしてるんだよ。なんで誰も助けようとしないんだ?」

また別の人がこんなことを言います。

「世界中が俺たちのことを殺そうとしている。みんな俺たちのことが嫌いなんだ」

いつも一般人ばかりが殺されるのを見てきた彼らからしたら西側諸国もアラブ諸国もロシア政府もシリア政府もさぞかし憎いでしょう。

そしてそういう人たちがグループを結成して抵抗し始めたら国際社会からは”テロリスト”と呼ばれるようになるという皮肉。ある意味生まれるべくして様々な勢力が生まれていったことが分かります。

不思議なのが、あれだけ戦争がひどくなっても、避難する人がいる一方で多くの人々は決してその場所を離れようとしないことです。

そこで生まれ、そこで育ったというのも理由の一つでしょう。あるいは他に行くところがないのも原因かもしれません。

いずれにしても彼らからは土地に対する強い愛着と死ぬまでその場所から決して離れないというものすごい決意を感じます。

「家族と離れて子供たちに何か起きるより、近くで自分の子供が死ぬのを見取ったほうがいい」という隊員もいました。

そういう言葉一つ一つから死に対するアラブ人の美しい哲学や信仰心が伺えるのがよかったです。自分には到底理解できないことだけど。

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