映画ダンサー、セルゲイ・ポルーニンに泣かされた!感想とネタバレ

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破天荒なバレエダンサーの壮絶な人生にスポットライトを当てた、愛と感動の家族ドキュメンタリードラマ。格好良くて、美しくて、華麗で、心洗われる映画です。81点(100点満点)

ダンサー・セルゲイ・ポルーニン・世界一優雅な野獣のあらすじ

端正な容姿と圧倒的な表現力で、世界中にその名をとどろかせたセルゲイ・ポルーニン。その数年後、英国ロイヤル・バレエ団を退団した彼は第57回グラミー賞にノミネートされたホージアのヒット曲「Take Me To Church」のミュージックビデオ出演で再び脚光を浴びた。バレエ界随一の異端児にして、著名なバレエダンサーであるルドルフ・ヌレエフの再来とも評される彼の素顔に迫る。

シネマトゥデイより

ダンサー・セルゲイ・ポルーニン・世界一優雅な野獣の感想

スティーヴン・カンター監督による、唯一無二のバレエダンサー、セルゲイ・ポルーニンの半生を追った渾身のドキュメンタリー。

ダンスを始めた頃から引退までの激動のダンサー人生をつづる、リアル・リトル・ダンサーともいえる感動作。これを見たらセルゲイ・ポルーニンの美しさとカリスマ性と人間離れした踊りに魅了されること間違いなしです。

セルゲイ・ポルーニンのことを知らない人でもこの動画を見たことがある人は少なくないはずです。

このタトゥーだらけのダンサーこそがセルゲイ・ポルーニンです。僕はセルゲイ・ポルーニンのこともバレエのことも何も知りませんが、そんな自分が見ても十分に楽しむことができ、心動かされるストーリーでした。ダンサーを志す人なら必見だし、アスリートを目指す人が見てもモチベーションが上がるはずです。

セルゲイ・ポルーニンはウクライナで生まれ、4歳の頃に体操を始めます。当時から体が柔らかく、筋力があり、バランス感覚に優れていた彼を見て、母親はバレエをやらせることを決意します。

最初は地元の小さなバレエ学校で習い始めたものの、息子の才能を信じた両親は、ウクライナの首都キエフの有名なバレエ学校に入学させます。

しかし高い学費を捻出するために父親はポルトガルに、祖母はギリシャに出稼ぎに出て、セルゲイ・ポルーニンは母親と二人暮らしを始めます。家族はセルゲイ・ポルーニンの可能性に全てを賭けたのです。

やがてキエフの学校よりも将来性のあるイギリスの名門ロイヤル・バレエ学校に転校を決め、13歳にしてセルゲイ・ポルーニンは母親とも離れ離れになり、たった一人イギリスで生活を始めるのでした。

そこからメキメキと頭角を現し、若干19歳にして史上最年少でロイヤル・バレエ団のメインダンサーに抜擢されます。

ところが幸せの絶頂期かと思われたセルゲイ・ポルーニンは両親の離婚、鬱病、ドラッグなど数々のトラブルを抱えるようになり、次第にバレエからも心が離れていく、といった内容になっています。

誰もが憧れるような大成功を収めたダンサーが実はものすごい葛藤と苦悩を抱えていた、という人生の裏側を覗けるのがいいですね。

セルゲイ・ポルーニンは楽屋ではファンに囲まれ、リハーサル中でも他の女性ダンサーたちが終始うっとりしながら彼の踊りを見つめてるほどのカリスマです。

一方でバレエしかやってこなかった彼には幼年時代も思春期もなく、家族ともほとんど時間を過ごしてこなかったせいで、心にはぽっかりと穴が開いています。

バレエで成功すれば家族がまた一緒になれると信じて頑張ってきたにもかかわらず両親は離婚し、常に脚光を浴びるプレッシャーと体を酷使する毎日にどんどん自分を見失っていくのでした。

バレエダンサーなのに体はタトゥーだらけなのもセルゲイ・ポルーニンの反逆児ぶりを象徴していますね。きっとずっと誰かに自分のやることを決められてきた彼のせめてもの反抗だったのでしょう。

特にずっと自分の生活を管理してきた母親に対しては強い恨みと怒りがあり、現役時代家族は一切自分の公演に招待しなかったそうです。

自分のために苦労を買って出てくれた家族だけど、確かに子供にとっては英才教育も度が過ぎると、きついですよね。

セルゲイ・ポルーニンが若い頃、家族に対して反抗的になる気持ちは良く分かるし、そうなりながらもよく期待に応えたなぁ、と感心してしまいました。

そんな彼は22歳にして突如ロイヤル・バレエ団を退団し、自分を見つめなおします。しかし散々問題を起こしてきたせいで他ではなかなか受け入れてもらえず、路頭に迷うのでした。

そんな中、救いの手を差し伸べたのがロシアで、テレビ番組の企画に参加し、また一からキャリアをスタートさせ、ロシアでも不動の人気を得たのも、文句のつけようがない彼の実力のなせる業でしょう。

やがていわゆる伝統的なバレエから引退することを決めたセルゲイ・ポルーニンはすでに精神的にも成熟していたのが見て取れました。

そしてその頃になって自分の公演に初めて家族を招待するのですが、セルゲイ・ポルーニンの踊りを嬉しそうに見る両親や祖母の姿に思わず涙が出てきました。久しぶりに泣かされましたよ。

家族による人生をかけた自己犠牲。仕送りをするために外国にまで働きに出て、つらい思いをしてきた父親と祖母。子供の頃から付きっきりで面倒を見てきた母親。その報いとも集大成ともいえる踊りがあのシーンに込められてたからです。最高の家族ドラマですね。

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コメント

  1. 加藤 より:

    うわぁっセルゲイ!
    映画やってたんだー!
    映画男さんの評論もいいなー!
    近くの映画館やるかなー?
    やってたらぜってーみます!

    あざーす✌️

  2. るっち より:

    今、観ました。

    やっぱりドキュメントは心に刺さりますねー

    才能あるが故の苦悩ってあるんですね…
    バレエにド素人な私でも、セルゲイの踊りスゴイ!!と感動しました。

    いい映画紹介していただいてありがとうございました。

  3. 加藤 より:

    怒涛の感想です。まとめて観ました。ここを参考にしてるから、感想は書かないとねー。セルゲイ、まさに優雅な野獣!ワイルドなんだけど、軸がぶれないから美しい。二刀流。武術みたい。しかも型がない。反逆児として、サボる、パーティ、ドラッグ、タトゥーという最低なレッテルがあっても、誰をも黙らせてしまう。型にはめていた親に対するアンチ表現だったからこそ、より遠くへ翔んだ。最終的に親を受け入れて、抱擁する。ドラマチック!

  4. 撫子 より:

    この作品、やっと観ました!
    元々私自身、思春期までバレエをやっていて、映画男さんの感想で興味が高まっていた作品でした。
    躍りのレベルが全体的に高いだけではなく、彼の人生や周りの人の思いにも触れられていて、ドキュメンタリーとしても、とてもレベルが高い作品でしたね。
    私も映画男さんと同じ場面で感動して泣いてしまいました。
    バレエって、本当に体への負荷が高くて、プロだと舞台の三時間で3キロ体重が落ちることもザラで、演目によっては一曲踊るだけでマラソン並みに体力を使うなんて言われます。
    その上、美しい肉体美のために、食事に気を使う人も多いです。
    幸せな少年時代も、遊ぶ時間も、食べたいものも我慢してバレエに捧げてきて、その結果彼が得たものは名声とバラバラになった家族。
    家族のために努力してきたセルゲイ・ポルーニンがどれだけ傷ついたか、想像したら胸が傷みました。
    踊ることを辞めようと踊った作品が、もう一度舞台に立つきっかけになって良かったです。
    家族を招待しようと思えるようになったのは大きな心境の変化が現れていますよね。
    彼のような人に軽々しく、天才とか、シンデレラストーリーって言っちゃいけないと感じました。

    長い感想をすみません。ブラジルではコロナなど、大丈夫でしょうか。映画男さんのブログがとても好きなので、お身体に気をつけてお過ごしください。

    • 映画男映画男 より:

      コメント、ありがとうございます。この映画を気に入ってくれて嬉しいです。バレエ経験者だったら、なおさら感情移入できるでしょうね。ブラジルはコロナの感染者、死者数ともに日々増加傾向にあって困っちゃいます。早く収束してくれるといいですね。

      • 撫子 より:

        お返事ありがとうございます。
        映画男さんのお陰で無事に観ることが出来ました!もっと早く観れば良かったです。

        そうですよね…。ブラジルの状況が早く落ち着くように日本から願ってます。
        不安定なご時世になってしまいましたが、映画男さんが安心して映画を楽しめるように応援しております。

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