2015/11/25

ソウル・サーファー(原題 SOUL SURFER)

片腕のプロサーファーの半生を描いたポジティブ映画。作り方にもストーリーにもひねりがなく、「ロッキー・ザ・ファイナル」並に単純なドラマだけれど、話自体はいい話だし、少女の前向きさと家族の温かさが視聴者にまでポジティブなパワーを与える。52点(100点満点)

あらすじ

透き通るような美しいハワイの海を愛し、幼少時代からプロのサーファーになることを目指してきたベサニー(アナソフィア・ロブ)は、13歳のときにサメに襲われ左腕を失う。絶望した彼女はサーフィンを断念し別の道を歩もうとするが、どうしてもサーフィンをあきらめることはできなかった。そして、家族に支えられながら想像を絶するような特訓を重ね、再びプロを目指す。

文句

あの家族があれほどポジティブなのは南国の自然に囲まれて育ったからなのでしょうか。絶望に陥っても素早く立ち直り、再び生きる喜びを取り戻すことができたのは、ベサニーが壮大な海と共に生き、サーフィンというライフワークがあったからなのかもしれません。もし彼女が都会に住む、特別趣味もない普通の中学生だったら状況はまた変わっていたでしょう。特別な運動神経も学力も持たない中学生がある日、突然片腕を失う。父親はサラリーマン、母親は主婦。娘の気晴らしにとハイスペックのパソコンを買い与えてみたのはいいけれど、全く興味を示さない。ならば文学の道を進ませようと大量の古本を買ってはみたけれど、活字が嫌いだと一蹴される。そういう都会の今時の学生がどうやって困難を乗り越えていくのかを描いた映画があればぜひ見てみたいですね。

この映画でひとつ府に落ちないのは、まだ若く、現役のプロサーファーとして活躍しているべサニー・ハミルトンが実在するにも関わらず、ドキュメンタリーにせずにわざわざフィクションにした点です。べサニー・ハミルトンのホームページを見ると、想像を絶する巨大な波に乗っているビデオなどがあってこの映画を見るより数倍驚かされます。中でも一番驚いたのは腕を失い、入院中に撮った一枚の写真です。腕を失ったばかりだというのに病院で撮ったその写真にベサニーはもう笑顔で映っているのです。作り笑顔には到底見えないその笑顔に彼女の強さの全てが凝縮されているようでした。自分が片腕を失ったら、ああしてすぐに笑顔を取り戻せるだろうか。おそらく無理だろうと思います。そもそも腕を失ったばかりの精神状態で写真を撮ろうという気にまずなれないんじゃないかと想像します。べサニー・ハミルトンはやはりスーパーサバイバーであり、超人なのです。そんな彼女に密着し、カメラを回し続けるだけで、きっといいドキュメンタリー映画ができたのになぁ、というのが心残りでした。