ソウル・サーファー(原題 SOUL SURFER)

ショーン・マクナマラ監督による片腕のプロサーファーの半生を描いたポジティブ映画。

作り方にもストーリーにもひねりがなく、単純なドラマだけれど、話自体はいい話だし、少女の前向きさと家族の温かさが視聴者にまでポジティブなパワーを与えます。52点(100点満点)

ソウル・サーファーのあらすじ

透き通るような美しいハワイの海を愛し、幼少時代からプロのサーファーになることを目指してきたベサニー(アナソフィア・ロブ)は、13歳のときにサメに襲われ左腕を失う。

絶望した彼女はサーフィンを断念し別の道を歩もうとするが、どうしてもサーフィンをあきらめることはできなかった。そして、家族に支えられながら想像を絶するような特訓を重ね、再びプロを目指す。

シネマトゥデイより

ソウル・サーファーの感想

見る人に元気と勇気を与える家族ドラマ。嫌味がなく、感動を狙いすぎているわけでもなく、気持ちのいい演出が続く作品です。

若くして娘が片腕を失った家族の物語ですが、あの家族があれほどポジティブなのは南国の自然に囲まれて育ったからなのでしょうか。

絶望に陥っても素早く立ち直り、再び生きる喜びを取り戻すことができたのは、ベサニーが壮大な海と共に生き、サーフィンというライフワークがあったからなのかもしれません。

もし彼女が都会に住む、特別趣味もない普通の中学生だったら状況はまた変わっていたでしょう。

特別な運動神経も学力も持たない中学生がある日、突然片腕を失う。父親はサラリーマン、母親は主婦。娘の気晴らしにとハイスペックのパソコンを買い与えてみたのはいいけれど、全く興味を示さない。ならば文学の道を進ませようと大量の古本を買ってはみたけれど、活字が嫌いだと一蹴される。

そういう都会の今時の学生がどうやって困難を乗り越えていくのかを描いた映画があればぜひ見てみたいですね。

この映画でひとつ府に落ちないのは、まだ若く、現役のプロサーファーとして活躍しているべサニー・ハミルトンが実在するにも関わらず、ドキュメンタリーにせずにわざわざフィクションにした点です。

べサニー・ハミルトンのホームページを見ると、想像を絶する巨大な波に乗っているビデオなどがあってこの映画を見るより数倍驚かされます。

中でも一番驚いたのは腕を失い、入院中に撮った一枚の写真です。腕を失ったばかりだというのに病院で撮ったその写真にベサニーはもう笑顔で映っているのです。

作り笑顔には到底見えないその笑顔に彼女の強さの全てが凝縮されているようでした。自分が片腕を失ったら、ああしてすぐに笑顔を取り戻せるでしょうか。おそらく無理だろうと思います。

そもそも腕を失ったばかりの精神状態で写真を撮ろうという気にまずなれないんじゃないかと想像します。

べサニー・ハミルトンはやはりスーパーサバイバーであり、超人なのです。そんな彼女に密着し、カメラを回し続けるだけで、きっといいドキュメンタリー映画ができたのになぁ、というのが心残りでした。

この記事が気に入ったら
いいね!しよう
最新情報をお届けします。
50点台の映画ハリウッド映画
映画批評ブログ、ただ文句が言いたくて | レビュー|ランキング

コメント

  1. mamarin42 より:

    ある時湾岸戦争の後で海を綺麗にするボランティアの人がテレビに映し出されていました。ドキュメンタリー番組です。
    一人の男性が片目にパッチを付けて笑っていました。
    ナレーターによれば彼は海のタールを取り除いていたら海鵜に目を攻撃され視力を失ったそうです。外国からボランティアでイラクまで来ていた人です。

    外国人のタフさはこんなところにも現れてるんだと思いました。このサァーファーの女性もタフさを持っているんでしょうかね。

    • 映画男 映画男 より:

      人にもよりますが、障害を抱えても、意に介さず、堂々としている人がいますね。ブラジルでも知り合いに両腕を大やけどしているにも関わらず、タンクトップを普通に着て、やけどを隠そうともしない男がいます。本人もそうだけど、周りがあまり気にしないというところに寛大さを感じます。日本もそうだといいんですけど。

  2. zebra より:

    あけまして おめでとうございます。映画男さん。
    セッションズでコメントしましたzebraです。

    ソウルサーファーも先日 DVDでみました。

    おっしゃるようにドキュメンタリー映画に仕立てればよかったのにという気持ちもわがリますが まあ 制作側の意向もありますからね。

     病院での写真も 確認しました。 ふつうムリでしょう・・・すぐに笑顔なんて。

     ベサニーがいかに超人的な精神な強さを持ったじんぶつなのがわかります。

    • 映画男 映画男 より:

      zebraさん

      あけましておめでとうございます。ソウルサーファーは見やすい映画でしたね。昨年にも何度か彼女のニュース記事を読みました。まだ現役で頑張っているようでした。

  3. makoto yoshimi より:

    健常者以上に活躍してる姿に心打たれます。私の友達も、左手首がありません。スポーツジムのスタッフなのですが、左上体の筋トレ方法を模索しています。
    いい何か良い筋トレ方法があれば、ご教授お願いします。

    • 映画男 映画男 より:

      makoto yoshimiさん

      コメントありがとうございます。困難を乗り越えて頑張っている姿は誰であろうと美しいですね。筋トレの方法についてはあまり詳しくないですが、個人的にはケトルベルなんかが好きです。