光の旅人 K-PAX(原題K-PAX)

宇宙人とアホな人間たちによるプチSF映画。蓋を開ければETのおっさんバージョンみたいな話になっています。27点(100点満点)

あらすじ

ニューヨークの駅構内。不審な行動を見咎められ警察に連行される謎の男プロート。彼は自らを遥か1,000光年彼方のK-PAX星からやって来た異星人だと名乗り精神病院に送られる。

プロートの治療に当たるのは精神科のパウエル医師。初めのうちは単なる妄想か虚言と高を括っていたパウエルだったが、その落ち着き払った言動や理路整然とした説明にかすかな疑問を抱き始める。

さらに、プロートの存在は他の患者たちにも強い影響を与え、パウエルが治せずにいる患者たちがみるみる回復していく。果たしてプロートは単なる精神異常なのか、それとも本当に異星人なのか?

allcinema ONLINEより


読者のリリーさんのリクエストです。ありがとうございます。

文句

SFタッチで描かれている安上がり精神病院ドラマ。宇宙から来たという男に翻弄される医師や患者たちの物語で、主役のケビン・スペイシーの演技に頼り切っている物足りない作品です。

そういえばケビン・スペイシーも長らくまともな仕事してませんよね。「アメリカン・ビューティー」以来、ろくな映画に出てないですもんね。

話の流れは、自称宇宙人の男が発見される>医師たちが半信半疑になる>男の周囲で不思議な出来事が起こる>精神病の患者たちから支持を受ける>種明かし、といった感じです。

この映画を楽しめるかどうかは自称宇宙人の男の話に付き合えるかどうかが鍵となるでしょう。言い換えると、ありえもしないセオリーに耳を傾ける暇な時間があるかどうかです。

僕は架空の出来事を学問的、専門的に言葉で説明しようとする映画には興ざめするので無理でしたね。K-PAX星人は光より早く移動できるとか、家族という概念がないとか言われても知らねえよって話なんですよ。

そこを必死で説明されると、なんだか興味のない人からどれだけ自分が異性にモテるとか自慢されてるような気分になります。

じゃあ、宇宙とか宇宙人の話には惹かれないのかというとそうじゃなくて、宇宙人のキャラとか、デザインとか宇宙そのもののアイデアとか設定に愛着や興味が沸けば釘付けにされる可能性もあります。

それにつけていえば、この映画の宇宙人なんてただのおっさんだからね。あのおっさんの言うことに真剣に耳を傾けている医者とか間抜けすぎるでしょ。

おっさんは果たして本当に宇宙人なのか、それとも、、、といった期待を持たせるなら、それなりのオチを用意しないといけないでしょう。

ところが終盤にかけて、おっさんには妻と娘を悲惨な事件によって失くした過去があることが明らかになり、宇宙への帰国日が来ると、意識は飛んでしまい、それ以来彼は誰とも口を聞かなくなります。彼の魂と共に別の患者も姿を消し、おっさんが宇宙人かどうかの真相は薄っすら謎を残したまま無責任な形で幕を閉じます。

そんでもって宇宙では同じ出来事が永久に繰り返される(永劫回帰)ってことをK-PAX星人は発見しちゃったんだとさ。宇宙人のくせに人間のベタな哲学を語るところなんかを見ても、やっぱりただのおっさんかよってなりますね。

彼が宇宙人にしろ、ただのおっさんにしろ辻褄が合わない箇所が多々あるので、それほどラストに関しては悩む必要はないでしょう。答えは「どうでもいい」が正解です。

ちょっと面白かったのは、K-PAX星人と豪語する主人公が医師から催眠術にかけられる下りですかね。自分で宇宙人だって言ってるのに人間の催眠術にかけられちゃダメだろ。催眠中、なに甘えた声出しちゃってるんだよ、お前は。

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