海外赴任先でクーデターに遭遇し、命がけで脱出を図る家族を追うサバイバルアクション。ストーリーは空っぽですが、緊張感があって、ハラハラドキドキの演出がいいです。65点(100点満点)
映画クーデターのあらすじ
仕事の関係で東南アジアの某国に家族と一緒に移り住むためにやって来たジャック(オーウェン・ウィルソン)だったが、到着した翌朝にクーデターが発生。暴徒により外国人が次々と殺害されていく中、滞在先を襲撃されたジャックは妻子を守るため、安全な場所を求めて逃げ回る。現地で知り合った旅行者ハモンド(ピアース・ブロスナン)の助けで何とか命拾いしたものの、思いも寄らない現実が彼らを待ち受けていた。
シネマトゥデイより
読者の翡翠さんのリクエストです。ありがとうございます。
映画クーデターの感想
ジョン・エリック・ドゥードル監督によるパニック映画。東南アジアにやってきたアメリカ人家族が現地で暴徒と化した過激派グループに命を狙われる話で、ダイハードの家族バージョンみたいな映画です。
ストーリーは家族が過激派グループから逃げ回るだけの単純なもので、ホテル内や街中を行ったり来たりするだけです。クーデターの背景として多少政治的なエピソードを加えていますが、それもおまけ程度で見所はやはり家族のサバイバルシーンの数々でしょう。
クーデター勃発後の翌朝、宿泊先のホテルに怒り狂った市民が押し寄せてきます。外国人に恨みを持った彼らは観光客や駐在員を皆殺しにしていき、主人公のジャックと彼の家族は屋上に逃げ込みます。
対する過激派グループはヘリコプターで空から攻めてきたり、階段を上がってドアを蹴破り、屋上にいる外国人たちを追い詰めていきます。
そんな中、ジャックは隣のビルに飛び移ろうとするんですが、あろうことか子供たちをボールのように向こう側のビルに投げるという恐ろしいことをやってのけます。
体重何十キロもある子供を投げるっていうのも結構無理があって、あんなことが実際にできるかどうかは甚だ疑問です。ただ、崖っぷちに立たされた主人公の行動と身の危険が目の前に迫り来る演出にハラハラさせることは間違いないでしょう。
舞台は名もない東南アジア諸国です。というのも設定上どこの国であるかは特定しておらず、撮影はタイやカンボジアで行われ、劇中には主にラオス語が使われているそうです。
ハリウッド映画が東南アジアを舞台に選ぶと、どうしても未開の土地であることと政治情勢が不安定といったことが強調されることが多いですよね。
とにかく「めちゃくちゃな国」みたいな描き方が多々あって笑えるんですが、東南アジアの人たちが見たら腹が立つかもしれませんね。
国を特定しなかったのは現地の国民感情を考慮してなのか、あるいは薄っぺらいストーリーを吐露しないためなのかは分かりません。いずれにしても今なら東南アジアよりアメリカのほうがよっぽど政治的に不安定な印象がありますけどね。
もしかするとどんな危険な国に住んでいても人間は「外国は危険で何があるか分からない」というイメージを持つのかもしれませんね。シリアから僕の住むブラジルに難民として来た人たちがTVのインタビューで「ブラジルは危険だから怖い」と言っていたのを思い出します。
そういった「外国は怖い」イメージに便乗して作ったのがまさにこの映画で、その点では上手くイメージに沿ったエンタメ作品に仕上がっていました。
コメント
リクエストにこたえていただき有難うございました。
私も、「ただ逃げ回ってるだけの話」だな~とは
思ったものの、意外とハラハラさせられました。
それにまさにこの映画で出てきましたが「水道民営化」に
外資が参入する、ということが
日本でも起きるかもしれないという折り、感情移入して見ました。
ボリビアとかが確か外資が入って物凄い値上がりしたらしいので
人ごとじゃないです。
翡翠さん
リクエスト&コメントありがとうございます。僕もハラハラしちゃいました。