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はじまりへの旅は不自然なナチュラリストの物語!ネタバレと感想

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自然の中で自給自足をして暮らす家族が、入院中に自殺したお母さんの葬式に出席するために旅に出るロードムービー。都会と田舎、便利さと不便さ、近代社会と大自然などを対比している、ナチュラリストが大喜びしそうな物語です。51点(100点満点)

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はじまりへの旅のあらすじ

アメリカ北西部の森の奥深くで、6人の子供と暮らしているベン・キャッシュ(ヴィゴ・モーテンセン)。子供たちは社会と接点を持っていないが、厳格なベンが課す特訓と熱心な教育によって全員がスポーツ選手並みの体力を誇り、6か国語を自在に話し、長男に至ってはあらゆる名門大学に合格していた。そんな中、入院していた子供たちの母レスリーが他界し、一家は葬儀が行われるニューメキシコへ向けて旅に出ることに。およそ2,400キロメートルもの長い道のりを行く彼らだが、世間知らずゆえに先々で騒動を起こしてしまう。

シネマトゥディより

はじまりへの旅のあらすじの感想

ちょっとやりすぎ感の出ている、自然&オーガニック派、自給自足大好き、ミニマリスト系リア充家族による人間ドラマ。アメリカの森の中で動物を狩り、野菜を育て、鶏を飼育しながら、規律正しく、仲良く暮らしている大家族の話です。

キャッシュ一家は夫ベンと妻レスリー、彼らの息子4人、娘2人という7人家族で、妻のレスリーは精神病のために町の病院に入院しています。彼女はある日、自ら命を絶ってしまい、ベンと子供たちは深い悲しみに暮れます。

そんな中レスリーの親族たちが、近代社会と距離を置いているキャッシュ一家の生活に強い疑問を抱き、葬式は自分たちだけでやると言い出したことから、親族とキャッシュ一家がドロドロの家族喧嘩をスタートさせます。

レスリーは仏教徒であり、火葬を望んでいるにもかかわらず、親族が勝手に教会で葬式を営み、埋葬しようとしている状況にキャッシュ一家の全員が猛反対し、車に乗ってレスリーを救出しに行く、というのがあらすじです。

自給自足の生活に憧れを持っている都会人や実際にド田舎でのんびり暮らしている人には共感できるかもしれません。その一方で家族のナチュラリストレベルが行き過ぎているところが多々あり、笑っちゃう箇所がいくつかありました。

物語は常に大自然で子供を育てるべきか、近代社会で育てるべきかの育児理論的視点で描かれており、ハリウッド映画らしく善悪、敵味方、白黒がとてもはっきりしています。

大自然で暮らすキャッシュ一家の子供たちは、日々サバイバル訓練を積んでいることから運動神経抜群で、子供のときから森の動物をナイフでしとめたり、ロッククライミングをしたり、自然を熟知しています。勉強はホームスクール方式で、日々多くの本を読み、数ヶ国語を操り、難しい法律や憲法のことまで全て頭に入れています。

一方でテレビもインターネットもない生活をしているせいで世間のことにはうとく、ナイキやアディダスといった誰もが知っているブランドのことも知りません。学校に通っていないことから同年代の子供たちと接する機会もなく、友達の作り方や恋愛の仕方はまるで分からないといった調子です。

それに対して都会に住むひとたちは、ファーストフードを食べ、不健康に太り、タバコをふかし、子供の遊びといえばテレビゲームで、物質的に豊か、といったように対比があまりにも極端で、リアリティーはあまりないですね。

今の時代、アメリカの山奥にいようが、自給自足していようが、情報はすぐに届くし、どうやってもキャッシュ一家のようなあそこまで極端な生活スタイルにはなかなかならないでしょう。

生まれたときからそうだったらまだ分かるんだけど、たまに急に方針だとか、信念だとか、思想だとか言い出してすごく無理して生きている人たちっていますよね。やれ食事は全部オーガニックじゃなければだめだとか、やれ肉魚卵乳製品は一切口にしないとか、やれ自分たちで食べるものは自分たちでなんでも作るとか、やれ服は5種類までしか持たないとかって力んでる人たち。

そういう人たちが自然を突き詰めていけばいくほど不自然になっていく、というのがものすごく皮肉で、キャッシュ一家の教育方針やライフスタイルも、もっとほどほどにしたらいいのにって思います。

学校だって行きたかったら行かせたらいいんだし。自然が大好きなのは分かるけど、キャンプ場で人前でフルチンになる必要もないしね。もしかしたらこの映画の一番の見所は、ヴィゴ・モーテンセンのフルチンかもしれませんね。

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