自分のことばかりで情けなくなるよ

jibun

松居大悟監督の才能を片鱗を感じさせるミュージックビデオとストーリーを上手く織り交ぜたオムニバス映画。前半のストーリーはそれぞれいい味出しているのにも関わらず、後半失速していくすごくもったいない作品。51点(100点満点)

あらすじ

元恋人のことが頭から離れない風俗嬢、大好きなバンドのライブ当日に残業する羽目になってしまったOL、ある歌姫の熱狂的ファンであるオタク青年、トレーラーハウスで生活する青年と家出少女。思うようにいかない現実にいら立ちを募らせるばかりだった彼らの人生が、徐々に交差していく。

シネマトゥディより


文句

私たちのハアハア」の松居大悟監督の作品です。撮り方がユニークでストーリー構成も面白く、音楽をこれだけ上手くストーリーとマッチさせた作品もそうないです。見方によってはロックバンド、クリープハイプのプロモーション映画とも言えそうで、クリープハイプを好きかどうかで評価は分かれるでしょう。

僕はクリープハイプのことをほとんど知らずに見ました。音楽の良し悪しはさておき映像とはすごくマッチする音楽だと思いました。あのボーカルの独特のキーキー声もストーリーとセットだと案外聞けます。そういえば「百円の恋」でも挿入歌をクリープハイプが歌っているんですね。



ストーリーは出だしから、とてもスムーズな印象を受けました。俳優たちのチョイスもいいし、なにか全体にインディーズ映画の雰囲気が出ていて、手作り感があるのがいいです。

物語は群像劇風に進んでいき、ところどころで別々のエピソードの登場人物たちが微妙に絡み合うように構成されています。風俗嬢と別れた男との恋の行方、バンドのライブに行きたくても仕事で行けないOL、アイドルオタクの青年の話まではもう文句なしの出来でした。

それがトレーラーで住む青年と不思議ちゃん家出少女の物語になると一気にサブサブになります。トレーラーの青年を演じた池松壮亮の怒鳴り演技がひどすぎて、何度も寝落ちしそうになりました。ああ、この人は普段ほとんど怒ったり、怒鳴ったりしないんだろうなあ、と思わせるほど、怒鳴りっぷりが似合っていなかったです。

それまでどこにでもありそうな現実的な話でつないでいたのになんであそこにきて、シュールでメルヘンな物語を持ってくるのか理解できません。

トレーラーで住んでる男が大自然の田舎ではなく、風俗があるような都市の川辺かなんかで違法駐車して住んでるんですよ。その時点で設定がちぐはぐで寒いじゃないですか。自然派なのか都会派なのかはっきりしろよって。

トレーラー男と不思議少女の関係はもう目も当てられないような恋物語で車の窓越しにキスをしたり、急に怒鳴りだしたり、全体的にアメリカンな感じがして嫌ですね。こんなことする日本人の女います? こんな奴いたら僕だったら速攻で車を発進させますよ。

trailer

あのストーリーさえばっさりカットしてくれれば、素晴らしい映画になっていたところでしょう。「私たちのハアハア」もそうでしたが、後半ダレる映画ってなんなんですかね。ほとんどは詰め込みすぎが原因ですが、この映画の場合は池松壮亮のゴリ押しになるのが原因でしょう。

それまではストーリー重視で、音楽を上手く織り交ぜ、登場人物たちに依存していなかったのに急に池松壮亮が出てきてから池松壮亮が前髪掻き分けてるだけの映画に成り下がっていました。

主人公がいないのが良かったのにわざわざ主人公を創り上げて失敗したパターンですね。おそらく長編映画の尺を埋めるための苦肉の策だったんだと思います。

どうでもいいけど、もう不思議ちゃんと困った君の恋愛物語やめませんか? 邦画にやたら多いですけど、そんな奴らが実際にいたら誰も好きにならないでしょ?

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