2016/03/12

父を探して(原題O MENINO E O MUNDO)

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下手な絵と抽象的なストーリーをなんとか音楽でごまかしたブラジル産アニメーションで、最後まで登場キャラに馴染めず、主人公の少年が特別可愛くもない微妙な作品。35点(100点満点)

あらすじ

ある突然家を出て行った父親を追いかけ、少年は村を飛び出し、冒険に出る。田舎から都市への旅路で彼は農園で働く貧しい人々と出会い、機械によって大量生産される消耗品の数々を目にし、地球の環境を省みず工業化ばかりが進んだ近代社会の現実を目の当たりにする。

文句

アカデミー賞ノミネート作品」です。ブラジルでは国民から見向きもされなかったブラジル産アニメで、たまたまフランスで評価されたことで、アカデミー賞ノミネートまでたどり着いた、極めて幸運な映画です。

2013年にブラジルで公開された映画ですが、ブラジルでは客入りはわずか3万5000人足らずだったそうで、今まで全く話題にすらならなかったです。アカデミー賞にノミネートされていなかったら、一生名前を聞くこともなかったと思います。そういう意味ではすごいですよね、アカデミー賞の宣伝効果って。

もし子供向けにするんだったら、アニメのキャラはやっぱり可愛くないといけません。一番の落ち度は、同じような顔をしたキャラがたくさんいて、誰が誰だがはっきりしないことです。みんなこんな顔をしてるんです。

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そんでもってこんな顔した少年がお父さんを探しに行くんですけど、そもそも誰がお父さんなのかがはっきりしないんです。だってお父さんもこんな顔してるから。

さらに追い討ちをかけるように台詞が一切なく、登場キャラクターたちが喋る言葉は架空の言語という世界になっています。まるで「ミニオンズ」のミニオンのような感じでしょうか。視聴者が勝手に想像してくださいってやつです。

ミニオンズ」は絵もストーリーもはっきりしているし、ミニオン以外のキャラは普通に喋るので分かりやすいんですが、この映画の場合、絵も分かりにくく、世界感はSFチックで、さらに全員が意味不明な架空言語を喋ったり喋らなかったりするもんだから、状況が把握しづらかったですね。

特に今少年がどこにいるのかが分からないことが多くて、田舎にいるのかと思ったら急に高速道路の真ん中に立ってたり、そうかと思ったら海で流されてたり、気がついたら大都会でバスに乗ってたりして、シーンのつなぎ方がとても雑でしたね。

絵も小学生がクレヨンで描いたみたいな絵です。「あれだったら俺でも描ける」って言いたくなる人が続出しそうです。唯一褒められる点は、カラフルな色使いと音楽じゃないでしょうか。

予告動画で流れているヒップホップの曲はブラジルのラッパー、Emicidaによるものですが、なぜか監督はこの曲を劇中に流さず、エンドソングとして起用していました。そういう部分も惜しいんですよね。音楽といい、ナレーションといい、予告動画を見ると、とてもいい映画のような印象を受けるけれど、実際は予告のほうが本編よりずっといいです。