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ザ・コーヴはイルカ漁を取り上げた名作!感想とネタバレ

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ルーイー・サイホイヨス監督による和歌山県太地町のイルカ漁を批判するドキュメンタリー映画。

世界中で賛否両論が巻き起こっているデリケートなテーマを扱っており、序盤は社会派、中盤はサスペンス、終盤は心臓バクバクのサスペンススリラーに仕上がっている面白い作品。71点(100点満点)

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ザ・コーヴのあらすじ

太地町は水族館やイルカショー向けの世界最大のイルカの輸出元。この場所から毎年たくさんのイルカ世界各国に輸出され、1匹最大15万ドルで取引されている。

また、多くのイルカは食用のために殺されている。太地のある入り江では地元の業者が網を張り、組織的に大量のイルカを捕まえて槍で突き刺して殺していた。その現場を撮影し、世界に伝えようと一人の男が立ち上がった。

元イルカの調教師であり、人気TV番組「フリッパー」の撮影に携わったリック・オバリーである。リックは警察や地元の人々の嫌がらせにも決して屈せず、真実をカメラに捉えることを試みる。

シネマトゥディより

ザ・コーヴの感想

政府、地方自治体、漁業、警察、地元住人などが一致団結してイルカ漁で金儲けしている日本社会の裏側を見せていて、そこに蠢く利権争い、力関係などの恐ろしい一面が覗ける面白いドキュメンタリーです。

イルカ漁に反対する外国人グループが太地市を訪問すると、警察や漁師が車で尾行し、立ち入り禁止エリアに入ろうとする彼らと小競り合いを始めます。

ある男は外国人の前に立ちはだかり通行を邪魔する。またある男は外国人の行動をビデオカメラに収め、わざと暴力を振るわせるように挑発し、逮捕する証拠を掴もうとする。そんなねちっこいやり方がなんとも日本らしく笑ってしまいました。

個人的にはイルカ漁にも鯨漁にも反対しませんが、世界各国から批判を受けたときに日本がする低レベルな言動が嫌いです。

この映画の中で日本側は「鯨やイルカが他の魚類を食べることによってそれらの魚類の数が劇的に減少する」などという苦しい言い訳を使って鯨漁を正当化していました。

そんな小賢しいことを言わずに「だって鯨って美味しいんだもん」って言ってやればいいんですよ。

もしくは「これで年間何千億も儲かるんだから、一度やったら止められません。あなたの国でもどうですか?」って逆に勧誘するぐらいのことを堂々と言わないとダメなわけで、そうもせずにイルカ漁をやっている場所を立ち入り禁止にしたり、写真撮影禁止にしたり、明らかに後ろめさや罪悪感丸出しでコソコソやっているから馬鹿なんです。

鯨漁は伝統だ、文化だって言うのなら、旅行会社で外国人向けの鯨の捕獲ツアーを企画し、イルカの捕獲見学を許可し、さらには「イルカ殺し体験教室」なんかを開くぐらいの潔さを持って、イルカを殺すのも他の動物を殺すのも同レベルだという認識を広めていく努力をしないと。

牛の屠殺場は堂々と公開できるのに、イルカの殺しているところは撮影禁止にしているようじゃあまだまだ甘いんです。

一方で鯨やイルカ漁に猛反対する人々は、単純に鯨やイルカがビジュアル的に可愛いから殺したくない、というレベルで争っているような気がしないでもないです。

彼らは自分の国では喜んで寿司屋にも行くし、マグロはバクバク食うけど、そこに鯨やイルカが出てきたらたちまち怒りだすか泣き出してしまいそうな意味不明な思考回路を持っている印象を受けます。

つまるところ漁に賛成する側も反対する側もお互いに偽善と利害溢れる不毛な戦いを繰り広げているだけで、この問題に無関心という人が案外一番まともだったりするのです。

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コメント

  1. トンボネコ より:

    よくぞ仰った!
    狂った世の中に付き合わないというのが、いちばんマトモ!
    まさにその通りだと思いますです!

  2. マム より:

    アカデミー賞受賞と聞いて激しくイライラしていましたが、ブログ主様の文章を読んでおさまりました。
    たしかに、イルカ漁をする側にも世間への後ろめたさがあるんだとすれば、あんまり擁護する気にもなれませんね。日本人が叩かれるのは気分のいいものではありませんが、どっちもどっちという気持ちになりました。

  3. eigaotoko より:

    マムさん
    コメントありがとうございます。アカデミー賞受賞には和歌山県からも批判があったそうですね。まあ、どっちもどっちだと思いますよ。

  4. ednakano より:

    アカデミー賞の価値をさらに下げる選考結果だと思いますね。東京国際映画祭でも海外メディアの半分は酷評してました。要は反捕鯨オタク御用達のマニアック画像で、ドキュメンタリーに必要な客観性や中立性にかけた、恣意的なプロパガンダ映画であり、アメリカで流行の環境ビジネスのプロモーションビデオです。
    また、アメリカやオーストラリアなどの文化帝国主義による日本文化への侵略でもあります。彼らは数々の文化を彼らの善意で壊してきましたので、イルカ漁が、日本全体の文化でないにせよ、ここで、譲歩しても次々と彼らの文化を押し付けられるだけです。こそこそというより、かってシーシェパードに妨害されたことと、家畜の屠殺を好んで公開しないことが原因だと思います。

  5. eigaotoko より:

    ednakanoさん コメントありがとうございます。偏った意見が込められている映画は嫌いじゃないです。人間が撮ってる以上、主観を入れないというのは不可能で、テーマ、演出、BGM、スタッフ、編集のすべてが主観に基づいている選ばれてると僕は思っています。この映画が面白いのは事実がどうとか、誰が正しい、間違っているとかいうのではなく、ある信念を持った人間同士の戦いの姿が見られるところです。ある側から見れば正義であり、もう一方から見れば悪であり、また部外者から見れば滑稽であったりする。そんな部分がとても人間臭くて良かったです。

  6. ヨシヒト より:

    >世界中で賛否両論が巻き起こっている
    これは無い、賛否両論じゃなくて世界中で否定されてますが

  7.    より:

    へ〜、何もしないのが一番偉いってか?
    そりゃ、発言しなきゃ「責任」をとわれることもないしな!
    いや、いいお立場ですね「評論家」さんは。

  8. ednakano より:

    まあ、早く言えばシーシェパードのプロモーション・ビデオといっていいので、内容がどうかではなく、連中の活動資金にはびた一文払いたくないので、絶対見に行きません。

  9. eigaotoko より:

    ednakanoさん
    嫌いな映画にびた一文も払いたくないという気持ちは理解できます。お金は払いたくないけど、ちょっと興味はそそられる場合は、友達からDVDを借りてみたらいいと思います。

  10. ぺるた より:

    あなたは「日本の低レベルな言動や行動が嫌い」と書いていますが日本の漁業利益からの見地をまったく無視していませんか?さらにいうならばどこが「低レベル」なんでしょうか。日本側の主張は法と長年の調査による科学的根拠に基づいており、逆に世界の保護団体からの批判は「イルカがかわいいから」以上の論理的根拠に乏しい幼稚なモノです。
    ―日本側は「鯨やイルカが他の魚類を食べることによってそれらの魚類の数が劇的に減少する」などという苦しい言い訳を使って鯨漁を正当化していました。
    苦しい言い訳。とんでもない。これは事実です。
    西欧の保護団体がヒステリックに保護した為、鯨の数は莫大に増えました。さらにいうならば鯨が減った原因は西欧諸国が19世紀、20世紀を通して鯨を乱獲した為であり、日本はずっと一定の数しか獲っていませんでした。そして、鯨は大食らいです。増えた彼らは水産資源、(つまり魚)を根こそぎ食らっています。これによって日本だけでなく、北欧などの漁業は大打撃を受けているのです。(魚を食べない国や人々はそんなものは関係ないから無責任にこう言えるようですが)
    また、イルカは海洋養殖産業における「害獣」であり、養殖した魚を食べます。長い歴史を持つ日本の養殖漁業はイルカによって大打撃を受けた事が多々ありました。イルカ漁は「食べる文化」と共に「養殖産業の保護」という面も持っているのです。
    大地町はその中のイルカ漁の地であり、昔からイルカ漁の街として知られていました。大地町にとってはイルカ漁は主要産業なのです。
    ―イルカ漁をやっている場所を立ち入り禁止にしたり、写真撮影禁止にしたり、明らかに後ろめさや罪悪感丸出しでコソコソやっているから馬鹿
    それはあなたの一方的な見方でしょう。
    もしくはこの映画の言う事を鵜呑みにしているだけです。何故、イルカ漁が行われる場所が立ち入り禁止になっているかといえば「イルカがかわいそう」な環境保護ビジネスのテロリストが漁場を荒らすからです。(ついでにこの映画の製作者たちはこの立ち入り禁止区域に進入した事をさも英雄的行動と描いていますが単なる不法侵入に過ぎません)あなたの主張は環境保護を謳う人々の過激さをまったく考慮に入れていません。
    eigaotokoさんは最終的に「どっちもどっち」とおっしゃりたいようですが「どっちもどっち」にしたいのならばそれに対する日本側への論理的根拠を挙げてください。この文章はあなた自身の日本側への嫌悪、漁業と歴史に対する無知をひけらかしていますよ。
    この映画は「イルカがかわいそう、守ろうとする我々は正義、日本人と漁師は悪しき蛮族」という歪んだ正義感だけだと思います。
    長文、失礼致しました。

    • アクション より:

      至極真っ当なコメントだと思います。
      映画男さんの他の記事を読むに自分に理解できない。想像つかない事はどうやらシャットアウトしたい性格の様です。このコメントに対する無視がそれを表しています。「ただ文句が言いたくて」よりも「偏見男の偏見的な映画の文句」に変えた方が良いですね。

  11. tom_o より:

    逆の立場から描いたドキュメンタリーを作っちゃえばいんじゃないかな。
    ”漁場を荒らす環境保護ビジネスのテロリスト”の実態を描いたドキュメンタリー。
    最終的に”正義と言う名の都合の良い偽善”について考えさせるような映画として作れば、客観的に見てもらえると思う。
    映画を批難するだけでは、相手の思うツボなだけだからね。
    いっそ、オリバー・ストーンとかに依頼するとかね。
    中途半端に作れば無視されるだけだから、知名度が必要。

  12. eigaotoko より:

    tom_oさん
    まさにその通りです。上映中止にしたり、路上でデモなんてやらないで、自分が正当な意見を持っているなら、それを映画にして表現すればいいのに、と思いますね。映画には映画で対抗しないでどうするんだと。それでオスカーなり、カンヌなり獲ってみろってね。

  13. まず皆さんコチラをご覧ください。
    http://www.youtube.com/watch?v=WISSbRRoTPo
    問題になっている、シー・シェパードのテロ活動や「The Cove」の偽善的かつ違法な表現方法に反論し、世界に向けて発言している若者の動画です。
    私は個人的に、白人文化の押し付け価値観に対して異を唱えた、という彼のメッセージに共感を覚え、紹介させていただきます。
    日本人として、無関心ではいられないこの問題に対して発言しているこの動画をぜひ皆さんも広めてください。
    コメ欄汚しでしたら削除してください。
    失礼いたしました。

  14. 通りすがり より:

    今日、TBSのニュース番組でこの映画の特集を放送していたので当ブログを拝見させて頂きました。
    映画は見ていないのですが放送を見た限りでは白人の有色人種文化に対する偏見差別意識が垣間見れて興味深かったです。
    日本に対する反捕鯨には積極的なのにアメリカやノルウェーなどの白人国に対する反捕鯨には消極的なのには笑ってしまいました、彼らのような白人系愛護団体は口には出さないが有色人種が嫌いなのかなと(笑)
    前置きが長くなりましたが、大地町はイルカ漁をもっと積極的にアピールすべきという氏の意見には感心しました、大地町はイルカ漁は歴史ある伝統文化と主張するなら閉鎖的、排他的にならずにもっとオープンな姿勢に改めるべきですよね。
    現代はインターネットという媒体で世界中に伝えられるのだから映画の歪められたイルカ漁の姿では無く、真実のイルカ漁をネットで公開して世界中の人々にアピールすればイルカ漁に対する偏見意識が解消されるのではないのかなと。

  15. eigaotoko より:

    通りすがりさん
    コメントありがとうございます。鯨漁に反対の人たちって白人国家には消極的なんですか? よくありがちな話ですけどね。こういう類の国際問題ってのいうは例えば鯨をきっかけに使っているだけで、実際はただ自分の鬱憤をそこにぶつけているだけの人が多いような気がします。

  16.    より:

    ん?隠すと悪?どっちもどっち?なぜ?
    牛とか豚の屠殺場をゴールデンタイムで流せばいいっての?
    飲食店でながす?

  17. ざんねん より:

    はは。Eigaotokoさん、ペルタさんがあんなに丁寧にまともなコメント書いてくれてるのに、ノーリアクションはダメだよ。日本人なのに、日本の捕鯨、イルカ漁の文化歴史も知ろうとせずに、シーシェパードがどういう団体で、どういう背景でこの映画が作られたか知りもしないで映画評論家ぶってこのようなオープンな場で偉そうなこと言って。日本人として、あなたの存在が恥ずかしいです…。