2016/08/25

白い沈黙(原題THE CAPTIVE)

aaptive

二流の臭いがプンプンするカナダ産のサスペンススリラー。どこかで見たことあるけど名前が出てこない、といった俳優ばかりを集めていて、二流にしてはまあまあ見られる、といった程度の作品。37点(100点満点)

あらすじ

マシュー(ライアン・レイノルズ)の9歳になる娘キャスが、雪の降る日に行方がわからなくなる。誘拐されたと取り乱すマシューだったが、それを裏付ける目撃情報や物的証拠が出てこない。それが原因で警察は彼が自分で娘に危害を加えたのではないかと疑うが、捜査は進展することなく8年が経過してしまう。ある日、突如としてキャスの生存をほのめかすような証拠が次々と浮かび上がる。混乱しながらも娘との再会の希望を見いだすマシューだったが、衝撃的な事実を突き付けられることに。

シネマトゥディより


クロエ」のアトム・エゴヤン監督の最新スリラーです。子供を誘拐して監禁することにヨロコビを感じる気持ちの悪い一家の話で、最愛の娘キャスを誘拐された被害者と犯人を追う警察の目線で物語は進みます。

ケヴィン・デュランド扮する誘拐犯の一人の男が目が飛び出ていて、いかにも幼児愛者的なキモい顔をしていてインパクトがあります。それに対し、そのほかの俳優たちはライアン・レイノルズも含めてみんなB級俳優感が漂っていて、可哀相になってきます。

ケヴィン・デュランドcautivos-2

最近ではその映画の質が低いかどうかはおおよそポスターを見ただけで分かっちゃいます。例えばこのポスター。

deathvalley

関係ない映画ですけど、誰がどう見ても安っぽい映画というのが分かりますね。素人俳優感が出まくっていて、とても中身を見ようという気にはならないはずです。それは知っている俳優が出てる出ていない、というだけの理由じゃないと思います。なんでしょう。この臭い、このオーラ、この雰囲気。逆に質の高い映画はポスターを見れば分かるのかいうと分かりません。なぜなんでしょうかね。

そもそもこういう低品質映画は企画に賛同する人が少なくて資金がないからか、俳優、監督、脚本家などもろもろのスタッフが安上がりになってしまうのでしょう。低予算映画でも監督がすごかったり、脚本が良かったりすると、いい俳優が集まることもありますが、特になにもなければ寄せ集め集団の映画になってしまうのはむしろ仕方がないのかもしれません。

さて、そんな映画の典型ともいえるこの映画ですが、やはり突っ込みどころも多いです。まず最初の誘拐のシーン。わずか数秒の間に、音も立てず、あの極寒の中を、他人の車に忍びよって、お喋りな女の子を叫ばせることもなく、誘拐するなんてことができるわけないです。

まあそれもいいでしょう。二流映画だから。では監禁生活が始まってからのキャスの行動はどうでしょうか。キャスはネットを通じて、他の子供たちとチャットをしたりして、変態一家の誘拐の手助けをさせられます。いくらネットの接続を暗号化しても、犯罪にネットを利用した時点で、あの田舎町で犯人を特定するのなんて警察にかかれば朝飯前です。暗号化したら特定されないって、匿名で書いたらバレないと思ってる2chユーザーぐらい低レベルな話です。

じゃあそれも目をつぶりましょう。二流映画だから。ではキャスの父親がキャスと再会するシーンはどうでしょうか。犯人はキャスの父親を麻酔銃で撃ちます。そして「10分後に目が覚めるから大丈夫だ」とか言って、雪道に捨てていきます。

もしこの犯人がキャスの父親を生かしておきたいなら、外に置きっぱなしにしたら凍死しちゃうからもっと暖かいところに置いていったほうが絶対いいし、殺したいなら(実際に後で殺そうとします)本物の銃で撃てよって話なんですよ。

何がしたいのがごちゃごちゃしてて、整理がついてないんです。警察は警察で最初からキャスの父親を疑ってるし、犯人も犯人なら警察もかなりの馬鹿じゃないですか。

そんな中、ラストは女刑事が誘拐されて、車の中で監禁されたまま見つかることもなく(追記・これはオリジナルバージョンの話で、日本版では女刑事が見つかるそうです。)、話が終わっていきます。最後に無事救出されたキャスが一言。

「彼女はきっと見つかるわ」。

えええ、人ごとですか? せめて女刑事を見つけてから終わってよ。犯人探しの物語なのに、犯人も全員捕まってないし、誘拐サスペンスなのに被害者が誘拐されっぱなしで終わっていく映画ってなんなんだ一体。