
中途半端な日本文化とアメリカ文化の融合がもたらした、なんともいえない残念な作品。見れないことはないけれど、決して面白くはないヒューマンドラマです。37点
レンタル・ファミリーのあらすじ
東京に7年住んでいるアメリカ人俳優のフィリップ・ヴァンダープルーグは日本の歯磨き粉のCMで一時的に成功を収めたものの、その後は鳴かず飛ばずだった。フィリップは安定した俳優の仕事を求めて様々なオーディションに挑戦するも、手にするのは端役ばかりだった。そんな中、彼はシンジが経営する「レンタル・ファミリー」という会社に雇われる。
そこは、見知らぬ人々のために、家族や友人の代役を演じる俳優を派遣する会社だった。あまりに馬鹿げた設定に当初は気が進まなかったものの、金に困っていたフィリップは、会社のいわゆる白人枠としてその仕事を引き受ける。
最初の仕事は、ヨシエの結婚相手の役だった。両親のために伝統的な結婚式を挙げた後、ホテルの部屋でヨシエと一緒にいると、そこに彼女のレズビアンのパートナーが現れる。二人はフィリップに深く頭を下げて感謝した。これで心置きなく家族を日本に置いて同性のパートナーとカナダへ移住できると喜んだのだった。
フィリップはこの経験に一種のやりがいを見出し、仕事を続けることにする。その後、彼は二つの長期の仕事を担当する。一つは、私立学校への入学を控えた日系ハーフの少女ミアの、疎遠になった父親役。もう一つは、認知症を患い、娘のマサミに常に監視されている引退俳優・長谷川菊夫を取材するジャーナリスト役だった。
フィリップは次第に、菊夫やミアと強い絆を築いていく。最初は「父親」に捨てられたという思いから反発していたミアも、やがて彼と過ごす時間を受け入れるようになる。そんな中、フィリップはエージェントから、韓国ドラマの非常に注目度の高い役を獲得したと告げられるが、ミアを裏切れないという思いから、その話を断る。
フィリップは築いてきた人間関係を失いたくないと感じるが、シンジは「依頼人と別れることは、この仕事において残酷だが避けられないものだ」と言い切った。そしてミアの学校面接が無事に終わると、フィリップは「アメリカに帰らなければならない」とミアに告げるよう命じられ、悲しみながらもそれを受け入れる。しかし、ミアと過ごした時間に背中を押され、彼は菊夫を天草の幼少期の家へ連れて行くことを決意する。
レンタル・ファミリーのキャスト

- ブレンダン・フレイザー
- 平岳大
- 山本真理
- ゴーマン・シャノン眞陽
- 柄本明
- 篠﨑しの
レンタル・ファミリーの評価と感想

「37セカンズ」のHIKARI監督による、売れないアメリカ人俳優が日本で悪戦苦闘する日米合作コメディヒューマンドラマ。題材はいいものの、後半アイデア不足のためか失速する惜しい作品。
日本で家族などの代役として俳優を派遣する会社に雇われた白人男性の目線で、日本文化や風習に躊躇いながらも、日本人との交流を経て自分自身を見つめなおしていく物語で、てっきり外国人が制作した日本を舞台にした映画かと思いきや、普通に日本人監督の作品でした。
そこが結構ポイントで、アメリカ人目線の日本を描きつつも、いわゆるヴィム・ヴェンダースの「PERFECT DAYS」やソフィア・コッポラ監督の「ロスト・イン・トランスレーション」などの外国人監督が描いた日本とはやっぱり違うんですよ。そのせいか主人公フィリップがそもそもアメリカ人になりきれてない感じがするんですよね。その違和感は最後まで続きました。
おそらく元ネタはレンタル彼女でしょう。それこそ日本発のアンビリバボーなサービスだし、世界に向けて発信するには絶好のネタだと思います。でも彼女だけだと話に広がりがないから、レンタルファミリーにしたんでしょう。その選択は間違いじゃなかったと思います。
ただ、笑いにしても感動にしても設定にしても終始ベタで、予想を裏切られる展開はほぼなかったと言っていいでしょう。序盤の結婚式ぐらいかな、面白かったエピソードは。それ以降は興味を引くシーンがなかったです。
ハーフの女の子の父親役になる、というエピソードも悪くないんだけど、まあ途中からお互い親近感が湧いてしまって離れがたくなるという展開は誰もが予想できるんじゃないでしょうか。かといってオチのつけようがないもんなあ。普通、あのぐらいの年齢の女の子が、父親じゃない人から父親だって嘘つかれてたら、あんなに簡単に許してくれないと思うよ。なんで丸く収めるんだよ。
最大の問題点は、主人公が複数の仕事を同時進行でこなしていることでしょう。なんなら父親役一本だけで勝負すればいいのに。認知症を患っているベテラン俳優に取材する記者の役はちょっと意味不明でした。
認知症を患っているなら、そもそも偽の取材をすることが本人にとって何の救いになるんだ?っていう点がひっかかりましたね。結構ボケてる人に、過去の功績を称えたところで、その人のエゴは満たされるのかよっていうね。
結局のところ、ハーフ少女の父親と、ベテラン俳優の取材記者という二つの柱を中心に物語が進むんだけど、複数の仕事をこなすうちに、普通だったらフィリップほど私情を挟まなくなるものだけどね。特にアメリカ人だったらなおさらだよ。全ては金と条件次第で、仕事以外のことは一切やらないみたいなドライな性格にしないと。
つまりはフィリップが優しすぎる、真面目すぎる、親日すぎるところがこの映画をなんか胡散臭く、薄っぺらくしている最大の要素でしょう。アメリカ人が見たら、あんなアメリカ人いねえからって突っ込みたくなると思うよ。
それに登場人物全員、英語話せなくてもよくない? 特に柄本明扮する認知症ベテラン俳優までなんで英語が話せるんだよ。ご都合主義が半端ないって。
ところでフィリップと風俗嬢の関係はどうなったんだよ。むしろあそこを膨らませないと。それか同僚の女に手を出して、関係がややこしくなって会社にいられなくなるとか、もっとやりようがあったでしょうよ。なんか最初から最後まで綺麗に終わらせようという感じが好きじゃないです。


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