小さな少女と可愛いゆるキャラをダシにして、大人と子供を泣かせに来る、卑怯で恥知らずの映画。なんにも面白くないです。20点
リロ&スティッチのあらすじ
惑星トゥーロでジャンバ・ジュキーバ博士が違法な遺伝子実験の罪で銀河連邦に裁かれる。彼は、優れた学習能力を持ち、攻撃的でほとんど不死身の生物「試作品626号」を作り出したため、有罪判決を受け、投獄される。626号は破壊的な行動により追放の判決を受けるが、警察用宇宙船を盗んで逃走し、ハイパードライブを使って地球へ向かう。そして、ハワイのカウアイ島に墜落する。
銀河評議会の議長は、626号を捕らえれば自由の身を与えるとジャンバに取引を持ちかけ、「地球の専門家」を自称するプリークリーとペアを組ませる。一方626号は結婚披露宴の近くに墜落し、観光用トロリーに轢かれたあと、動物保護施設に連れて行かれた。
ハワイの少女リロは、フラダンスのプレゼンテーションの日に姉のナニが来なかったことに苛立ち、いじめっ子のマートルを舞台から突き落としてしまい、フラ学校を退学になる。彼女たちの家を訪れた福祉課のケコアは、ナニがリロを適切に養育できていないと判断し、1週間以内に状況を改善するよう命じる。
翌日、リロが「友達がほしい」と言っているのを聞いた隣人のトゥトゥが、彼女を動物保護施設へ連れて行く。そこにいたのが626号だった。626号はジャンバとプリークリーが自分を探していると察し、犬のふりをしてリロに引き取られ、自らを守ろうとする。
ナニはリロと626号を連れて、友人のデイヴィッドと共に自分の職場へ行く。ナニが「車のシートを縫い直さないと(stitch)」とこぼしたことから、リロは626号を「スティッチ」と名付けることに。彼らはリゾートを楽しむが、スティッチが誤ってテーブルに火を出してしまい、ナニは解雇される。
その後、ケコアと、「ソーシャルワーカー」と偽って調査しているCIAのコブラ・バブルスがナニのもとを訪れる。ケコアはすぐに新しい仕事を見つけるようナニに迫る。ナニは面接を受けるが、リロとスティッチがトラブルを起こすせいでどこに行っても採用されなかった。
そんな中、サーフィンのインストラクターを募集していることを知り、彼らはさっそくビーチに行ってみることに。リロはナニの勤務初日に一緒にサーフィンを楽しもうとするも、ジャンバとプリークリーがジェットスキーでスティッチを捕まえようとしたことでリロとスティッチが波にのまれ、リロは溺れかける。
リロの回復後、ケコアはナニに、もし親権を放棄すればハワイ州が医療保険を負担すると告げる。ナニは渋々それを受け入れる。姉妹が最後の夜を過ごす中、スティッチは自らの行動を反省し、ひとりで動物保護施設に戻ることにするが、、、
リロ&スティッチのキャスト
- マイア・ケアロハ
- クリス・サンダース
- シドニー・アグドン
- ザック・ガリフィアナキス
- ビリー・マグヌッセン
- カイポ・デュドイト
- ティア・カレル
- コートニー・B・ヴァンス
リロ&スティッチの感想と評価
ディーン・フライシャー・キャンプ監督による、ハワイを舞台をしたディズニーアニメの実写版。少女とゆるキャラの友情を描いた感動狙いの突っ込みどころ満載の映画で、特に面白くないです。
アメリカでヒットしたそうだけど、なにがいいのがさっぱりでした。最近、ディズニーは不振続きだったんでようやく当たったって大喜びしてるところでしょう。でも今後はしばらくスティッチ関連で擦ってきそうで怖いです。
ストーリーは平凡だし、演技は二流でどのキャラも薄く弱いです。特にヒロインの少女と姉役の二人の大根ぶりは酷く、感情移入ができませんでした。
また、改めて実写とアニメーションの融合はうまくいかないっていうのが分かりましたね。宇宙人たちが人間に姿を変えて正解だったと思うし、途中で姿を戻したらやっぱり絵的に違和感を覚えました。
物語が始まってから最後までずっと「別れ」を匂わせ、切なさと感動を煽っていく演出は鼻につきました。それもヒロインの少女リロは姉のナニともスティッチとも別れなくてはいけなくなるかもという悲劇をちらつかせ、無邪気な少女を利用した感動ポルノを作っていて嫌でした。
両親を交通事故で失った少女リロと定職にも就いていない18歳の姉のナニが二人暮らしをしているという設定もちょっと無理がありますね。現在18歳なら両親が死んだときナニは何歳だったんだよって。未成年だったらリロの法的保護者にならないだろって思ったり、父親側にも母親側にもほかに親戚、家族いないのかよって思っちゃいますね。
二人の生活環境を監視しに来るソーシャルワーカーは、とにかくリロを手放せと言わんばかりにナニに圧力をかけてくるのも謎で、リロが入院したときには親権を放棄すればハワイ州が医療保険を負担すなどと「お前にどんな権限があるんだよ」っていうような滅茶苦茶なことを言ってきます。あいつ、リロを人身売買のブローカーにでも売り飛ばそうとしてるんですかね。
ナニもナニでなんでせめてバイトぐらいちゃんとやってないんだよっていう話だし、そもそも今現在どうやって生活して毎月の支払いができてるのか謎でした。
もしSFアニメなんだからそんなことは目をつぶろうぜっていうスタンスなら、そもそも親権だとか、ソーシャルワーカーだとか社会的現実的な要素をプロットに入れるなよって思うんですよ。なんとなくふわっとしたストーリーで行くなら、リロとナニの姉妹が貧しくも頑張って暮らしてるっていう設定でいいじゃないですか。そこに宇宙人のスティッチが現れてってそれで充分なのになあ。
一方でスティッチのパートは、ETのパクリですよね。両作品にはだいたい次のような類似点が挙げられます。
・政府機関に追われる存在
・宇宙人が人間社会に適応しようとする
・主人公と疑似家族になる
・終盤に感動的な別れ、あるいは別れの危機がある
宇宙の奴らはあんなに躍起になってスティッチを探してたのに、なんで最後は家族愛に同情してスティッチを地球に置いていくみたいな話になってんだよって。CIAエージェントも「スティッチは地球にいても大丈夫だから」って念を押したりして、あいつらどれだけ偉いんだよ。ソーシャルワーカーもリロを仲の良い隣人の家に託せば問題ないからとか、一事が万事ろくに権限もない奴らの独断で大事なことが決まっちゃうから馬鹿馬鹿しくて見てられませんでした。
なにより一番馬鹿馬鹿しかったのはナニがスティッチを担ぎながら海底を歩くシーンです。海底を歩いて陸まで歩くって、どんだけの脚力と心肺機能があるんだよ、お前は。滅茶苦茶だな。
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