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映画リアリティは面白い会話尋問劇!ネタバレ感想

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FBIと容疑者の会話だけで構成されている見ごたえのあるノンフィクション。演技のレベルが高く、特にヒロインを演じたシドニー・スウィーニーがいい仕事をしています。67点

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映画リアリティのあらすじ

2017年5月9日、リアリティ・ウィナーはオフィスでドナルド・トランプ大統領によるジェームズ・コミーの解任に関するFoxニュースの報道をテレビで見ていた。

25日後の6月3日、ウィナーは買い物から帰宅すると、FBIのテイラーとガリックという2人のエージェントに止められる。ウィナーは家と持ち物の捜索令状があると告げられた。そのとき薄々なんのことが彼女は気づいていた。

エージェントのチームが到着し、家の捜索を始めると、ウィナーはエージェントたちとの何気ない会話をしていたが、それは全て録音されていた。ウィナーは空いている使われていない部屋でテイラーとガリックと話すことに同意した。

ガリックとテイラーは彼女の仕事の具体的な内容について尋ね始めた。彼女はヨガのインストラクターやCrossFitトレーナーとして働いているだけでなく、政府の契約業者のためにペルシャ語の翻訳をしており、パシュトゥー語の流暢さを活かすためにアフガニスタンへの派遣を希望していると説明した。

エージェントたちは徐々にウィナーが最近メディアに政府の機密文書をリークしたことについて尋問し始める。ウィナーは最初はそれを否定したが、1時間ほど経過するうちに彼女はプリンターで印刷して国家安全保障局のデータベースから文書をリークしたことを認めざるを得なくなった。

それは2016年の米国大統領選挙におけるロシアの介入の証拠だった。アメリカ政府はそれを国民に隠していて、彼女はそれが許せなかったのだ。後にThe Interceptがこの文書を基にした記事を報じて大騒ぎになったが、そのリークもとがウィナーだったのだ。

ウィナーはエドワード・スノーデンのように告発者になりたいわけでも、情報機関を損ないたいわけでもなく、むしろアメリカの一般市民が政府の選挙に関する情報と同じ情報を持つ権利があると考えていたと共著したが、FBIは彼女のやったことは重罪だとみなしていた。

映画リアリティのキャスト

  • シドニー・スウィーニー
  • ジョシュ・ハミルトン
  • マーチャント・デイヴィス

映画リアリティの感想と評価

ティナ・サッター監督による、実際にあったアメリカ政府の機密文書流出事件をもとにした実録犯罪ドラマ。FBIの音声記録をそのまま採用した脚本いらずの映画で、演技と演出だけで見事な会話劇に仕上がっています。

タイトル通りリアリティーありまくりの作品なんですが、実はヒロインの本名が珍しくリアリティーという名前なんだそうです。おそらくタイトルはヒロインの名前と、現実感を意味するリアリティーの二重の意味を持たせているのでしょう。ちなみにリアリティー・ウィナー本人はこちら。

1時間20分の尋問の様子を見せていく作りになっていて、FBIがどのように容疑者にアプローチしていくかなど、尋問テクニックなどが見れて興味深かったです。世間話の仕方とか、容疑者との距離のつめ方とか見ている方からするとじれったいんだけど、上手なんですよね。警察、刑事、事件ものが好きな人にはその辺が刺さると思います。

一方でアクションやバイオレンスや興奮を売りにした作品じゃないのでその辺は勘違いしないほうがいいです。あくまでもFBIエージェントと容疑者の言葉の心理戦や緊張感を楽しむための映画で、大衆向けかどうかは微妙なところがあります。ハリウッド映画なので終始分かりやすくエンタメ要素がないわけではないです。

分かりにくい部分があるとすれば、一体ヒロインは具体的に何をやらかしたのかということじゃないでしょうか。機密文書についての事件なのでFBIエージェントすら声を大にして言えないというジレンマがあり、また部分的に国家秘密に関わるのかピーが入ります。映画の中でピーが入るってなかなか珍しいですよね。

この機密文書とは一体なにかというと、2016年の大統領選挙にロシアがハッカーを使って介入しようとした事実を示す文書のことで、このヒロインがリークしたことで公になったのです。それをアメリカ政府は知りながらも国民に隠そうとしていたため、民主主義を脅かすような出来事が起こっていたのに国民に発表しないなんてどんな酷い政府だよ、見損なったぞアメリカ!とヒロインは思ったんだそうです。

そして正義感からプリンターで紙に印刷し、スカートの中に隠して職場の外に持っていき、数々の政府の悪事を暴くことで知られるメディア、ザ・インターセプトに郵便で送ったのです。

FBIはある程度証拠も握っていたし、彼女が犯人であることを確信していたんですが、彼女も彼女であっさり自白しちゃうのには正直驚きました。それも弁護士すら呼ばないんですよ。アメリカで尋問を受けたら弁護士が来るまでは警察とは一言も話してはいけないっていうのは基本中の基本なんだけどね。

FBIもやり方が汚いんで弁護士を呼んでいいことも黙秘権があることも説明しませんでしたね。やりようによっては彼女が無罪を勝ち取ることもできたケースだったんじゃないかなあとも思えました。

結局ヒロインはアメリカ政府の悪事を晒してしまったばかりに個人の情報漏洩罪としては史上最も重い5年の懲役刑を受けることになります。しかしその一方で彼女は多くの国民に英雄視されている一面もあって、スパイや反逆を行った者というよりむしろ国民の知る権利や民主主義を守ろうとした勇敢な人と崇められているようです。なので正義とは一体なんなのか。政府と彼女のどっちが本当の悪なのかみたいなことを考えさせられる事件になっているのです。

この事件の一番の悪者はヒロインやFBIじゃなく、間違いなくリーク元を明かしてしまったザ・インターセプトでしょう。せっかく勇気を振り絞って匿名でリークしたのにリーク元を守るような努力を怠った責任は大きいし、そんなメディアに今後情報を渡したいって思えないよね。マジで恥を知れよ、恥を。

コメント

  1. ちー より:

    会話劇なのに自分が尋問を受けているかのようなドキドキ感がありました。
    談笑しているんだけど目が笑ってない感じが怖かったです。
    リアリティの様子から最初は冤罪と思っていたのですがあの尋問術はすごいですね。素人が隠し通すなんてほぼ不可能ですね。

    本当、リークしたってバレてしまうなら誰もリークしないですよね。
    あれには怒りが沸きました。

    • 映画男 より:

      無理矢理白状させるんじゃなくて、心理的に追い込むみたいな尋問術でしたね