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サンドラの週末はリアルな人権ドラマ!感想とネタバレ

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sandra

少年と自転車」、「ロルナの祈り」など頭の弱い女を描かせたらピカイチの監督ダルデンヌ兄弟による人間ドラマ。62点(100点満点)

サンドラの週末のあらすじ

体調が思わしくなく休職していたサンドラ(マリオン・コティヤール)は、復帰のめどが立った矢先の金曜日、ボーナス支給のため一人のクビを切らなくてはならないと解雇を通告される。ところが、同僚の計らいで週明けに職員たちが投票を行い、サンドラのためボーナス返上を受け入れる者が半分以上になればクビを回避できるという。その週末、月曜日の投票に向けサンドラは同僚たちの説得するため奔走するが……。

シネマトゥディより

サンドラの週末の感想

うつ病の主人公サンドラはある日突然クビ宣告を受け、会社に抗議する。その結果、月曜日に職員たちの間でサンドラをクビにするか、職員たちがボーナスを諦めるかを決める投票が行われることに。サンドラは職員たちのもとを一人一人訪ねて自分が会社に残れるように投票してくれと懇願する、というのがあらすじです。

物語の舞台はベルギーのフランス語圏のセランという町だそうです。おそらく多くの日本人視聴者にはまったく理解、共感ができないストーリーだと思いますし、特に主人公サンドラの自分勝手すぎる行動の数々に唖然とするはずです。

その一方で悲しいかなサンドラのような人間は欧米社会には結構たくさんいて、僕の住んでいるブラジルにもそこら中に溢れているのでリアリティーは相当なものがありました。

まずちゃんと仕事しない奴に限っていざクビになったら労働者の権利とかを叫んだりします。あることないことを言い並べて労働裁判を起こし、会社からお金をふんだくろうと企む人も少なくありません。

サンドラの場合は、自分が解雇の危機に立たされている理由を考えもせず、職員たちの家にまで押しかけ、「私の立場に立って物を考えて。お願いだからボーナスじゃなくて、私を選んで」などと頭の悪いことを言います。

日本人なら羞恥心があるのでこんな恥ずかしいことはとてもできないでしょう。それぞれの家庭にはその家庭の事情があって、自分のためにボーナスを諦めてくれなどというお願いがどれだけ図々しいことかは考えなくても分かるはずです。

しかしサンドラぐらいアホだと、そんなことはどうでもよくあくまでも今一番不幸で困っているのは「私」なのです。他の家族にはまだ職がある。ボーナスなんてなくなってもクビになるわけじゃないんだから私よりましじゃない、という仰天の結論に至るのです。

こんなサンドラだから突っ込みどころは満載です。一日中職員たちの家に押しかけるエネルギーがあったら他の仕事を探せよ、と言いたくなります。また、美学も信念もないから自分で始めた職員訪問を途中で「もうやりたくない」とか言い出します。さらに旦那も子供もいるのにクビに追い込まれたぐらいで、抗うつ剤を大量に飲んで自殺を図ったりして、やることが全て無責任なのです。

一番サンドラの性格が分かる一コマは、夫とベンチで座りながら「あとせめて4人味方につければ過半数になるな、だとしたらあいつとあいつに頼んでみるか」などと作戦会議するシーンです。

Two Days, One Night

そうです。そんなときにこの馬鹿夫婦はソフトクリームを食べてるんです。危機感ゼロなんです。真剣味が足りないんです。だからクビになるんだって。子供たちの養育費はどうしようとか言っている奴らがスイーツ食べてるんですよ。

こういった細かい馬鹿女の描写は果たして監督が意図してやったのか、あるいは偶然なのか最後まで結局分かりませんでした。もし監督がある種の嫌味を込めて撮ったのならまだ救いはありますが、そうじゃないとしたら、この監督も相当物差しが狂っている可能性がありますね。

とにかくサンドラに終始イライラさせられる映画でした。もしかしたらあなたの周りにも「サンドラ」がいるかもしれません。「サンドラ」は一見普通の人のように見えるもののトラブルが発生すると周囲を巻き込み、盲目的に自己中心的な行動に走るので警戒したほうが身のためです。「サンドラ」はえてして、ネオンカラーのトップスにブルーのジーンズといったミスマッチの服装を好んで着ます。

neon

これで黄色のキャップでも被ったらほぼ信号機です。もちろんこんな女の信号では誰も止まらないだろうけどね。

>>サンドラの週末はU-NEXTで視聴できます

コメント

  1. RenoBank より:

    ここまでブロガーさんのお薦めフランス映画に添って、ずーっと視聴してきてきました。
    さきほど、このサンドラの週末を観終えたところです。

    フランス映画ってのは、突然に「えっ!」というところで終わるんですね。
    最初は戸惑いとフラストレーション溜まるなぁ・・と思いました。
    考えてみると、日本人はアメリカ式にどっぷり慣らされているようです。
    映画館を出るときには“健さん”になりきってる、みたいなのが染み付いていてそれが映画だと。ま、もちろんそれも悪くはないのですが、これは観終わって満足して終わりなんだということに気づきました。

    でも、お薦めのフランス映画は違いましたね!
    映画を観終わってから、恋人同士、親子同士、友人同士で喧々諤々が待っている。
    映画を観る、というより話題を振られる、ですね。

    もし、トリのいない紅白や結びの一番がない相撲だったら大ブーイングでしょうけど、フランス映画はそれをやっちゃうんですね、素晴らしいです。
    全部見せない、最後まで言い切らないというのは、ある種日本の侘び寂びにも通じる感性じゃないんでしょうか・・。

    これもそれも、当ブロガーの辛口ブログがなければ、未だに僕は食わず嫌いで過ぎていたでしょう。

    実際、お薦めを視聴してい最中にも考えるんですよね、もしこれがあのブロガーのお薦めじゃなかったら、ぜったい途中でチャンネル変えてるよな・・って。

    いままで、著名な映画評論家のお薦めやらをあれこれ物色してきたのですが、とどのつまり映画愛とかオタク性を売ってるか、酷いのはあからさまにスポンサーの提灯持ちみたいなのが多くて、どれも決定打に欠けていました。

    いろいろご批判もあるでしょうけど、僕は経験と直感と感性に任せ、自分に正直なクソはクソ(そうは言っておられませんが)とはっきりきっぱり批評するスタイルを支持しますよ!
    これぞネットの醍醐味だし、真のNPO。

    年間総数300本超、なまなかじゃないと思いますが、長生きしてください(笑!

    • 映画男 より:

      フランス映画にはまってもらえて嬉しいです。異文化を映画を通じて感じられたら最高ですよね。