皆殺しのバラッドを見るとメキシコが怖くなる!ネタバレと感想

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narcocultura

これを見たら最後メキシコに一生行きたくなくなるギャングの記録映画。治安が悪すぎて怖すぎます。57点(100点満点)

皆殺しのバラッド メキシコ麻薬戦争の光と闇のあらすじ

世界で危険な街の一つとされるメキシコのシウダー・フアレスの警察官リチ・ソトさんは、殺人現場の証拠品収集に余念がない。約100万人が暮らすこの街では年間3,000件を超える殺人事件が起きているが、そのほとんどが未解決のままだ。

非合法の麻薬カルテルが暗躍するメキシコでは、彼らの報復を防ぐため警察官も黒い覆面をかぶって現場に出向く。

シネマトゥディより

皆殺しのバラッド メキシコ麻薬戦争の光と闇の感想

メキシコの麻薬抗争とその文化に憧れを抱き、ギャングスタイルの音楽を歌って人気を得ている歌手たちを平行して追っていくドキュメンタリー。

殺人現場や死体など衝撃的な映像の数々がメキシコの恐ろしいイメージを視聴者に与えること間違いなしの一本です。

舞台はアメリカとの国境沿いの都市シウダー・フアレス。そこで2010年に起きた殺人事件の被害は3622人。

そこからわずか数十キロ離れたアメリカのエルパソで同年に起きた殺人事件の被害はたった5人。国境をちょっと越えるだけで天国と地獄の治安の差があるようです。

なにより恐ろしいのがこの現代においてシウダー・フアレスではまるで西部開拓時代、あるいは戦国時代のように人を殺そうがお咎めなしで、警察も司法も完全に機能を失い、誰もなにも手を打たない、という状況にあり、警察も麻薬組織と癒着しているから市民は誰も信用することができず、逆に麻薬組織に憧れを抱いたりする若者たちが多く出てくるというパラドックスに陥っているようです。

この映画が追うメキシコ人(メキシコ系アメリカ人も含む)音楽バンド「Buknas de Culiacan」のメンバーたちもまた同じで、彼らは麻薬カルテルを賞賛するような過激なギャングスタースタイルの歌詞でメキシコやアメリカのメキシコ人コミュニティーの一部の層に人気を博しているようです。

本来なら嫌悪されるべき闇組織が一般市民からも支持を得てしまっては撲滅どころか拡大するだけで、今後も状況は悪化の一途をたどるだけのような印象を受けました。

最近のメキシコの殺人事件はスケールが半端なく、一度に数十人の死体が出てくるのが当たり前になってるのが恐ろしいですね。あるシーンでジャーナリストの女性が「過去数年にシウダー・フアレスに起きた1万件の殺人事件のうちの97%は捜査すら行われていない」などと驚きのコメントをしていました。

こんなときこそアメリカが介入して、軍隊でも送ればいいのにそうしても石油や経済的な利益がないからかなにもしない、というのがすごいですね。

メキシコの麻薬のほとんどがアメリカに流れてるのにアメリカ政府は見てみぬふりって。アメリカはイラクだ、アフガニスタンだ、世界中で治安維持など様々な大義名分を掲げて戦争をしていますが、殺人の被害者数では案外メキシコのように”戦争”をしていない国のほうがずっと深刻だったりします。イスラム国だなんだ前にもっと悲惨な状況が隣国にあったりするのです。

とにかく救いようのないエピソードの連続でこの手の映画は麻薬カルテルやその抗争といった暗黒世界に興味のある人以外は見ないほうが知らぬが仏でいいような気がします。

自分の息子たちを銃で撃たれ、あるいはバラバラに切断されて殺された被害者家族の泣き叫ぶ映像などはあまりにも気の毒すぎてとても見ていられません。

僕は短い期間でしたが、メキシコに住んでいた時期もあるので、ついつい興味本位で見てしまいました。

メキシコ時代にはアメリカやグアテマラといった国境沿いの地域なんかも一人旅したこともありましたが、今はもうとても怖くてできないなあ、と思います。

そういえば国境付近でタクシーを乗っていたらマシンガンを持った警官2人に車を止められ、銃を突きつけられて壁に手をついて持ち物検査を受けたこともありました。

警官だからといって真面目な雰囲気は一切なく、ゴリゴリのラテンのノリで急にふざけだしたりするので逆に怖かったのを覚えています。

「おい、見ろよこの本、日本語で書いてあるぞ」

「ああ、本当だ。なんだよ、こんな文字じゃ何てかいてあるか分からねえじゃねえかよ、へへへ」

僕のカバンに入っていた日本の小説を取り出して警察2人が腹をかかえて笑うのです。二人のそんな会話を聞いて冷や汗をかいていたら、警官の一人がこう言いました。

「なんでそんなに緊張してるんだよ? なにか都合の悪いことでもあるのか?」

もちろん怪しい物など一切所持してはいませんでした。僕はただ法律やモラルや論理といったものをいとも簡単に飛び越えて何をしでかすか分からない警官二人に恐怖を抱いていただけなのです。

この映画を見てもそうですが、メキシコ人の友人たちには大変失礼で悪いですけど、メキシコに生まれなくてよかったぁああ。

コメント

  1. Tommy より:

    映画男さん、こんばんわ。
    この映画、私も映画館へ見に行きました。
    無法地帯のメキシコの現状にショックを受けました。
    国柄というのは勿論各国それぞれ違うんだろうなというのは念頭にありましたが、そんな甘いもんじゃないんだなぁ、、、と思い知らされた映画でした。
    我々が毎日ニュースで見る、紛争地域は沢山の方が亡くなって、人々は何も出来ずに路頭に迷っている、、、そんな映像に胸が痛みます。
    でもこの映画の場合は、それとはまた違う、、、普通には暮らせているけれど、死と隣り合わせのような支配下に置かれている人々、、、
    力と金の権力を持つ者に従い、憧れる人々、、、
    我々の常識なんて勝手なエゴなのかも。。。

    映画男さんは、色んな国に行かれてるんですね?
    ブラジルもかなり危険な国と聞いております。
    以前留学中に、ブラジルに行ってみたいなぁ〜と同じクラスのブラジル人に話したら、「ブラジルに知り合いが居るなら行っても良いが、居ないならやめとけ!」と言われました。
    別のブラジル人のお嬢様風の子に「ブラジルって危険なんでしょ?」と訊ねると「え?全然危なくないよ〜」と意外な返答。
    「でも知り合い居ないなら行くなって言われた」と言うと「ブラジルは大丈夫よ」とキッパリ言われる始末。
    じゃあ、危険な目に全く遭った事ないのか?と聞くと「ん〜、、、車を運転してて、信号で止まった時に窓から銃をこめかみに突きつけられて、金を出せって言われた事が3回ぐらいかな〜?あ、でも財布渡せば撃たないから、全然大丈夫!」と笑顔で言われ、唖然。。。
    銃をこめかみに当てられた事の無い私にとって、カルチャーショックといいますか、自分の平和ボケさに恥ずかしいくらいでした。

    映画男さんもくれぐれもお気をつけて下さいね。
    とは、言ってもいざと言う時に防ぎようってなかなか、、、難しいですよね〜。

    • 映画男 より:

      Tommyさん

      コメントありがとうございます。治安の良し悪しは、その人の行動範囲と体験によるものが主観的なものが大きいので、なんとも言えませんねえ。ただ、日本よりはどこも危険なのは間違いないでしょう。だからといって日本でも気を抜いていいということではない、というのを分かってない人が多いですよね。

      • Tommy より:

        ご返信有り難う御座います。
        おっしゃる通りで、自分の行動範囲や偶然居合わせにより危険な目に遭う事って大きいですよね。
        悲しい事に今の時代本当にどこの国も安全とは言えませんね?
        日本も最近は殺人事件のニュースが増えたように思えます。
        犯人も捕まっていないケースが増えているような・・・
        自分の身は自分で守らないと・・・
        だから最近やたらと危機管理能力という言葉を聞くんですかね??
        あ,私も気を抜きすぎですね・・・気をつけます!