おやすみなさいを言いたくては感動的!ネタバレと感想

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報道写真家の心情と家族とのつながりを描く大人のファミリードラマ。強い使命感を持ち、世界の戦場地帯を飛び回る女性カメラマンをジュリエット・ビノシュが好演した、リアリティーあり、感動ありの泣かせる映画。70点(100点満点)

おやすみなさいを言いたくてのあらすじ

報道写真家のレベッカ(ジュリエット・ビノシュ)は愛する家族の理解に支えられ、世界各地の紛争地域を取材で飛び回っていた。常に家族と一緒にいられなく ても全て順調だと思っていたが、取材中に巻き込まれた事故を心配した家族から危険な場所へは二度と行かないと約束させられる。それをきっかけに、彼女は自 らの信念をささげた仕事が家族を苦しめていることに気付き……。

シネマトゥディより

おやすみなさいを言いたくての感想

エリック・ポッペ監督による戦場写真家とその家族を描いた人間ドラマ。

戦場写真家は仕事と家庭をどうやって両立するのか。仕事のほうが大事なのか、家族のほうが大事なのか。戦争の悲惨さを世界に伝えるという使命感はどうしても捨てられないのか。簡単に言ってしまえばそんなことをテーマにした内容です。

監督のエリック・ポッペがもともと報道カメラマンだったことから、実体験を織り交ぜながらこの映画を撮ったそうです。

それなのに主人公を男性にせず、女性にしたのが憎いですね。あれが男だったら、ただの自分に酔っている格好付けた男の生き様を見せる映画に成り下がっていたことでしょう。

女性にしたことで写真家の自分と、妻としての自分、母親としての自分、女としての自分といった様々な葛藤に苦しむ主人公の姿が浮き上がって面白さが増したように思います。

ジュリエット・ビノシュが大当たりでしたね。セクシーな女性も演じられるのに対して、戦場で疲れきった女もすんなりこなしてしまえる彼女の演技の幅といったら恐ろしいです。また、強い女を演じたところで根元に可愛らしさがあるから、嫌味がないのがいいですね。

思えばジュリエット・ビノシュは「ダメージ」の頃から勝手にセクシー女優とばかり認識してきましたが、エロさだけじゃなくしっかりとした実力があるから今の今までずっと映画に出演し続けてきたのでしょう。

いかにもフランス人という顔をしているけれど、最近ではもうどの国の映画に出ても自然に入っていけるような無国籍な存在になりましたね。そういえば脇役でしたが「ゴジラ」にも出てましたね。

さて、そのジュリエット・ビノシュ演じる女性写真家のレベッカと長身でかなりのイケメンな旦那さんと二人の娘たちによる家族の関係性がとても「大人」な感じがして痺れます。

物語りの中ではアイルランドの家族という設定で、景色といい、家の造りといい、家族の雰囲気といい、その全てに趣きと教養を感じさせます。

喧嘩するときでも皿を投げたり、ギャーギャーわめくようなことはせず、体内でまずじわじわと感情を燃やしつつ、心の奥の奥から気持ちをゆっくり吐き出すようなスマートさがありますね。

その分、ジメジメしていて言葉に重みがあり、相手を傷つける一撃必殺の攻撃なんかもまだ学生の娘にも備わっています。

「お母さんが死んでくれたほうがよっぽどいいわよ。そしたら(争わずに)みんなで一緒に悲しむことができるから」。

娘が車の中で母親と口論になった末に放ったセリフです。母親がいつ戦場で死ぬか分からない中、毎日のように不安に怯えながら暮らす家族の心情を代表して娘がこう言ったのです。それにしてもこんな言葉を自分の娘から言われたら、お母さんは傷つくだろうなあ。

娘からこんなことを言われても、まだ戦場に足を運ぶことを止められない、写真を撮らずにはいられないあの使命感には病的なものを感じさせます。

この映画を見て「いい加減、お前は家族を優先しろよ、家族を」と思う人がどれくらいいるのかも気になるところですね。人によって娘目線、旦那目線、写真家目線といったように様々なアングルから鑑賞できる作品なので感じ方も変わってくるでしょうね。

ただ、男目線で言わしてもらえばあんな女とは絶対に結婚したくないですね。  戦場写真家が嫌だというより、家族をほったらかして娘の世話を放棄し、たまに家に帰ってきたら甘えてくる女なんてタチが悪すぎます。

自分の家を拠点にあちこち旅行しているバックパッカーみたいなあの無責任さ。また、可愛いから弱い男だったら許しちゃいそうで余計に悪いですね。

普段は戦場に行って、家に帰ってきたらちゃんと家事ができるのかも気になるところです。劇中、娘たちのためにレベッカが朝食を作ったというシーンがあるのですが、パンケーキに目玉焼きみたいのを食べさせていましたね。別の夕食を作るシーンでは旦那が鍋を担当し、レベッカはジャガイモの皮をひたすら剥いていました。

僕的には朝食はマックのモーニングセットで、夕食のときにはレベッカがなにもしないぐらいがちょうどよかったと思います。「夕食まだぁあ? 私お腹空いたんだけど」とか娘と一緒に言ってくれてたら最高でした。

いずれにしろ、ああいう好き放題やって仕事に生きる人間は家庭なんて持たずに独りでやりたいように生きればいいのにと思います。欲張りなんだかもう。

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