2016/03/12

闇の列車、光の旅(原題:SIN NOMBRE)

47点(100点満点)

ストーリー

サイラ(パウリナ・ガイタン)は、父と叔父とともにホンジュラスを出て自由の国アメリカを目指す。3人はどうにかメキシコまでたどり着き、米国行きの列車 の屋根に乗り込むことができる。ほっとしたのもつかの間、ギャング一味のカスペル(エドガール・フローレス)らが、移民たちから金品を巻き上げるために列 車に乗り込んで来て……。

(シネマトゥディより)


文句
密入国者をロードムービー風に追ったメキシコ映画。映像良し、構成よしの映画なのに何か物足りない惜しい作品。
なにより主人公サイラに「必死さ」が足りなかったです。アメリカを目指し、命がけの旅をしているにも関わらず、道中で男に恋をする、というのがどうしても解せませんでした。お前は外国で自分探しをしてる女子大生っかって。これがバックパッカーとか英語を勉強しにいく留学生とかならいいけど、死ぬかもしれないリスクを背負ってまでアメリカに密入国しようとしている女が同行している家族、親戚を電車に置き去りにして、男についていくというあまりにも危機感のない行動に唖然とすると共に説教してやりたくなりました。あのなあ、密入国っていうのはそんな生易しいものじゃないんだよ、いいかあ、砂漠で脱水症状になって死ぬかもしれないんだぞ、それなのにお前って奴は男といちゃいちゃしちゃってよお、などと密入国経験のない自分ですら一言いいたくなるのです。

密入国といえば、日本ではあまり報道されてないようですが、先日アメリカ国境近くのメキシコのとある街でアメリカに密入国を試みた72人が一度に殺害されるという恐ろしい事件が起きました。殺したのは警察や国境パトロールではなく、麻薬組織ということです。なぜ麻薬組織が密入国者を殺すのかというと、まず密入国者が使うルートというのは、麻薬組織が麻薬を運ぶときに使うルートとかぶるそうで、両者が道中で落ち合う可能性はどうしても高くなる。麻薬組織からしたら密入国者というのは身分証明書も持っていないいわば”存在しない”人間ともいえ、麻薬の運び屋、殺し、売春を強制させるのにはもってこいのターゲットなのです。もちろん断れば殺されることになり、先日の大虐殺もそのような経緯で起きたようです。

こういう現実がある中でサイラのような女を見ると、どうも彼女の遊び感覚的な旅行的な行動を笑わずにはいられません。サイラのような女はアメリカにも行きたいけど、恋愛もしたいしぃ、とかほざくタイプで、なおかつ周りを巻き込み、それでも自分がいいなら万事OKとする馬鹿女です。実はホンジュラスにも本命の彼氏を置いてきたという可能性もありますね。よくいるもん、そういう奴。