2017/02/22

レイルウェイ 運命の旅路(原題 The Railway Man)

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エリック・ローマクスの自伝「The Railway Man」を基にした戦争ドラマ。悲惨な戦争体験をつづっているわりには描写もストーリーもマイルドにしてある退屈な作品で、リアリティーもそれほど感じられないし、ところどころに脚色がみられる残念な映画。39点(100点満点)

あらすじ

第2次世界大戦中に日本軍の捕虜となったエリック(コリン・ファース)は、タイとビルマ間を走る泰緬鉄道建設のための強制労働に就かされる。彼は過酷な戦 争体験に苦しみながらも、妻パトリシア(ニコール・キッドマン)と一緒に穏やかな日々を送ろうとしていた。そんなある日、エリックは当時施設にいた日本人 通訳の永瀬(真田広之)が生存していると知る。

シネマトゥディより

文句

なんでしょうね、このつまんなさは。主人公を演じたコリン・ファースがいけないのかもしれないし、妻を演じたニコール・キッドマンがいけないのかもしれません。

二人の出会いは列車の中で、たまたま相席になったことで知り合い、トントン拍子に結婚します。たまたま乗った列車の隣の席にニコール・キッドマン並の美女が一人で座ってるわけないだろ、と思ってしまったら、もうそれ以上ストーリーに入っていけません。隣に座った相手が独身で一人旅していて、誘ったらすぐに家まで付いてきて、向うからキスしてくるって夢物語じゃねえかよって。

劇中、コリン・ファース扮するエリックはなぜか結婚後に突然戦争の後遺症を見せだし、妻のパトリシアをかなり困惑させていました。結婚してからいきなり頭がおかしくなるって妻からしたらたまったもんじゃないですね。

その妻も妻で夫が苦しんでいる戦争体験を友人たちに聞きまわったり、夫に語らせようとしたり、そっとしておいてやれよという展開でした。実生活で奥さんがあそこまでグイグイ夫に戦争のことを喋らせようとしたかどうかは疑問に残りました。また、日本軍の拷問シーンも全然甘かったし、エリックと永瀬(真田広之)の再会したシーンも嘘っぽかったですね。

監督からしたらこの手の映画はどれほどドラマチックにするかが勝負です。だからあることないことを事実の中にかぶせながら一つの作品に仕上げることはまあ普通だとは思います。

しかしこの物語の場合、戦時中の拷問の加害者と被害者が長い時を経て再会し、過去を見つめ合い、友情を深めたという事実だけで十分に驚くべき物語なわけで、それ以上のものはそもそも不必要なのです。

この映画を2時間だらだら見るより、実在のエリックさんと永瀬さんの二人の会話を1分見るほうがよっぽど感動的でした。どうあがいてもフィクションは所詮フィクション、実際の記録にはかなわない、といういい例だと思います。