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映画もうひとりの息子は名作人種ドラマ。感想とあらすじとネタバレ

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otherson

病院で入れ違った二人の息子を巡るユダヤ人家族とパレスチナ人家族の交流を描いたちょっといい話。72点(100点満点)

もうひとりの息子のあらすじ

イスラエルで暮らすフランス系ユダヤ人家族の一人息子ヨセフ(ジュール・シトリュク)は、兵役のために健康診断を受ける。その結果、医師である母親(エマニュエル・ドゥヴォス)は、息子とは血がつながっていないという衝撃の事実を知ることに。ヨセフが生まれた病院のミスで、パレスチナ人家族の息子ヤシン(メディ・デビ)と入れ違っており……。

シネマトゥディより

もうひとりの息子の感想

ロレーヌ・レヴィ監督による、病院のミスで入れ替えられた赤ん坊を通じて人種問題を浮かび上がらせる家族ドラマ。

敵対している民族同士の家族が嫌々ながらも付き合っていくうちに徐々に打ち解けていく様子が心温まります。

民族レベルで見るといがみ合っている両者も個人レベルでは実はみんな気のいい人である、という描き方が優しかったです。

どちらかいいとか悪いとか善悪や優劣をつけるのではなく、両者ともにすばらしい人間なんだと訴えている、見る人を前向きな気持ちにさせるポジティブ映画でした。

両方の民族を美しく描けるのは監督がフランス人で対立とは無関係な立場にいるからでしょう。

この映画のロレーヌ・レヴィ監督はユダヤ人だそうですがルーツはどうであれイスラエルに住んでいるわけではないのでパレスチナ人に対しても変な偏見がない、あるいは薄いのではないでしょうか。

対して当事者である対立の激しい地区に住んでいるイスラエル人やパレスチナ人からしたら、ふざんけんな、という内容だったりする可能性もあります。

民族間の争いは外部の人からすれば、「なんでそんなに怒ってるの?」と聞きたくなるような程度ですが、当人たちは家族や親戚を相手兵士に殺された経験があったりと、怒りや憎しみを消し去ることはなかなかできるものじゃありません。

その点でいうとこの映画は甘っちょろいといえば甘っちょろい仲良し映画といえなくもないです。こういう映画はイスラエルに住むイスラエル人、パレスチナに住むパレスチナ人に直接意見を聞いてみたいところですね。

しかしそれを踏まえたうえでも、やはりポジティブで完成度の高い映画でした。友情と優しさが強調されすぎて、サブサブになることもなく登場人物の行動が自然です。

イスラエルの豊かさとパレスチナ人の住居区の貧しさの対比を映したうえで、両者の生活の違いにも触れていました。イスラエル人を敵対しているパレスチナ人ですら富にあこがれを抱き、国境を渡りたいと思っているところなんかが人間らしいです。

イスラエル人もパレスチナ人も大人たち、特に男たちは気難しく、頑固なのに対し、お母さん同士は案外すんなりコミュニケーションを取り、お互いの難しい状況を理解しようと努めます。

また、子供たちは偏見も芽生えていないことからすぐに打ち解け、好奇心と友情で結ばれるのにそれほど時間はかかりませんでした。

ああいった部分はどこの国でも共通していえそうですね。長野の村に住んでいる僕の友達がある日、家にブラジル人の友達を連れて行ったら、親がビックリしてブラジル人の友達と目も合わそうとしなかった、ということがあったそうです。挨拶しても両親はブラジル人を無視してしまったそうです。

ずっと村の人々としか接していなかった人が歳をとってから急に訳の分からない外国人を受け入れるのもしんどいのかもしれませんね。日本にもそんな人がいるぐらいだから、それが歴史的に確執のある外国人同士となるとなお更でしょう。

自分の育った家族が入れ違ったことにより、ヨセフとヤシンは自分のアイデンティティーについて考えます。自分が純粋なユダヤ人だと信じていたヨセフは、自分はアラブ人だったんだ、と思うことにより、宗教自体を疑い出し、自分を見失います。

その一方ですでにフランスに留学経験のあるヤシンはフランスでアイデンティティーについて考えたことがあるからか意外と冷静に受け入れていたようでした。

内面のアイデンティティーはさておき、二人とも違う家族の下で育っても、外見的に「俺って両親と似てなくない?」という疑問は抱かなかったのでしょうか。

18歳になって初めて家族が入れ違っていたのを知るなんていくらなんでも遅すぎます。外国には大人でも自分の血液型も知らない人が結構いますが、ただでさえ何があるか分からない国なんだからイスラエルはもっと早く検査しなきゃダメでしょ。

もうひとつの息子はTSUTAYAで視聴できます

コメント

  1. RenoBank より:

    いやぁ よくぞこの微妙なテーマを撮りましたね。

    邦画の「そして家族になる」?でしたでしょうか、あちらも観ましたが、両作の扱うテーマはまったく違うものだと感じました。

    邦画の方は個人の尊厳。
    当作は国家の威信ですね。

    取り違えられた、本来の息子は「あれ?」とお感じになられたと思いますが、各々違和感あるんですよね。間違えてた方が、本来の姿に見える違和感。

    これ、当然監督も分かってますよね。
    わざとですね、わざとどっちがどっちなのか錯覚を起こさせているんですね。
    ういまいですね〜

    どっちがどっちだっていっしょじゃん、見た目なんて人間関係ないよ!って言いたげですね。
    ある種の逃げですねこれは。

    こんな作品、へたすりゃ歴史的、政治的、思想的、民族的、文化的、宗教的、国際紛争に油をそそぐ結果になり得ませんよね。

    普通はアンタッチャブルで済ませているのですが、さすがフランスです。
    頑固で喧嘩っ早くて、言いたい放題のわがまま民族で辟易しますが、こういう作品はだからこそって感じで、許しちゃいますね。