
期待しないで見たら結構楽しめる、ママ友同士の熾烈な争いを描いた作品。ベルギー映画のリメイクです。55点
隣人たちのあらすじ
1960年、アメリカ郊外。アリス・ブラッドフォードとセリーヌ・ジェニングスは隣同士に住む主婦で、同じくらいの年齢の息子を育てていた。アリスはセリーヌの誕生日を祝うため、サプライズパーティーを開く。
翌日、セリーヌの息子マックスは体調不良で学校を休んでいた。自宅の庭でバラの手入れをしていたアリスは、マックスが学校で作った巣箱を取り付けようと、2階のバルコニーで危なっかしく身を乗り出しているのを目撃する。
危険を察したアリスは、2軒の家を隔てる生け垣の小さな隙間をくぐり抜けようとするが、大きなつば広帽子が引っかかり、素早く通ることができない。そこで生け垣を回り込んで玄関へ走り、家の中で掃除機をかけていたセリーヌに知らせようとする。しかし二人とも間に合わず、マックスは転落死してしまう。
マックスの死後、セリーヌはアリスと距離を置くようになる一方で、アリスの息子テオとは次第に親しくなっていく。
マックスの葬儀では、テオは自分のおもちゃの一つがマックスの棺に入れられていることに気づき、感情を爆発させる。その後、セリーヌは約1か月間どこかへ姿を消すが、帰宅するとアリスと和解する。
ある日、アリスはテオをセリーヌに預ける。するとテオが、かつてマックスが転落したのと同じバルコニーでシャボン玉遊びをしているのを目にし、アリスはパニックになる。
隣人たちのキャスト

- ジェシカ・チャステイン
- アン・ハサウェイ
- ジョシュ・チャールズ
- アンデルシュ・ダニエルセン・リー
隣人たちの感想と評価

ブノワ・ドゥローム監督による、二組のママ友とその家族が繰り広げるドロドロのサイコスリラー。至ってシンプルで、なんてことのない話だけど、ヒロイン二人をはじめ出演者の演技が良く、見れる映画に仕上がっています。
物語はざっくり次の通りです。それぞれ同じ年齢の一人の息子を育てているお隣同士に住む仲良し家族二組。その片方の家族に突然不幸が襲います。子供が転落死してしまうのです。それをきっかけに子供を亡くした家族と、引き続き子供がいる家族という対比が生まれ、子供を亡くしたほうの母親が、相手側の子供に異常な執着を見せていくというのが話の流れです。
一人の子供が亡くなったことで、それまで仲良しだった二人組の家族に亀裂が入り、嫉妬と哀れみが入り乱れ、お互いにどう接していいか分からないといった状況はリアルです。死因がベランダからの落下死のため、回避しようと思えば回避できたというのもポイントで、それ故に責任のなすりつけ合いにもなりがちで、怒りと悲しみの矛先をどこに向けたらいいのか、という葛藤が伝わってきました。

子供を亡くしたお母さんをアン・ハサウェイが演じていて、絶望の果てに精神が病んでいく様子を見事に表現していました。そんな彼女を友人として励まそうとする、ジェシカ・チャステイン扮するママ友。二人は喧嘩したり仲直りしたりを繰り返し、なにがしたいのかはっきりしない部分も多く、中途半端に友情関係を保とうとすることで、お互いを危険にさらしていく状況がいかにも薄っぺらい「女友達」という感じがして面白かったです。
オリジナルタイトルも「Mothers’ Instinct 母親の本能」だし、全体的に女、女していてフェミニスト映画といえるかもしれませんね。男だったらあんな感じで関係続けないだろって思うし、それに不信感抱いているのに、なんで何度も息子を相手の家に預けるんだよって。
自分の息子が死んでしまったから、友人の息子で喪失感を埋めるっていう設定になっているんだけど、あの部分に関してはリアリティーはないかなあ。いくら同じ年頃の子供だとはいえ、他人の子供は他人の子供だしね。まあ、だからこそ、その異常性を恐怖にしていて、アン・ハサウェイ扮するヒロインが一体なにを目的としているのか、なにを企んでるのかというのが後半部分のテーマとなっていきます。
不審な出来事が続くのは全て彼女のせいなのか。それともただの事故か、という違和感を残しつつ、終盤は怒涛のホラー要素満載になっていて、最後はしっかりオチまでつけています。フィクションの物語としては、ベタだし、現実味はないし、ある意味映画としての期待通りの幕の閉じ方にしたなあという印象を受けました。さすがに突っ込みたくなりますよね。お前の家にはどんだけクロロホルムあるんだよとか。夫は関係ねえだろとか。
一方でもしあと一歩手前、仲直りして、引っ越してさらっと終わっていけば、美しい喪失と再起のドラマとして仕上がっていたような気がしますね。僕としてはあっちのアナザーストーリーのほうが良かったかなあ。なんでゴリゴリのホラーの道を選んだんだろう。アン・ハサウェイをこれでもかっていうほど悪者にしたかったのかなあ?


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