ルフィーが旅に出てから魚人アーロンとの戦いまでを描いたネットフリックス制作のドラマシリーズ。まあ実写にしたところでこんなもんだろうなあといった予想通りの出来です。33点
実写ワンピースONE PIECEのあらすじ
少年ルフィーは海賊になることをずっと夢見てきていた。彼の憧れは仲間思いの優しい男シャンクスだった。ルフィーはある日、シャンクスが航海に出る前に彼から麦わら帽子をもらった。それ以来、ずっと大事に麦わら帽子を外さずに生きてきた。
ルフィーはゴムゴムの実を食べてからというもの、体がゴムのように伸びるようになっていた。そのおかげで相手の攻撃を受けてもダメージを負わない超人的な肉体を授かったのだ。
シェルズタウンの酒場でルフィーは三刀流の剣士ロロノア・ゾロとオレンジ髪の美女ナミと遭遇する。
ゾロは酒場にいた少女を助けるためにモーガン大佐の息子と喧嘩になり、はりつけの刑にされてしまう。しかしゾロの優しさを見抜いたルフィーは、縛られたゾロの縄をほどき、自由にしてあげた。
ちょうどその頃、ナミは海図を盗もうと海軍の施設に忍び込んでいた。ひょんなことからルフィーはそんなナミと鉢合わせし、やがてモーガン大佐と戦うことになる。彼らが劣勢になっている様子を見てゾロも加勢し、彼らはいつしか離れがたい仲間になっていくのだった。
実写ワンピースONE PIECEのキャスト
- イニャキ・ゴドイ
- 新田真剣佑
- エミリー・ラッド
- イコブ・ロメロ・ギブソン
- タズ・スカイラー
- ピーター・ガディオット
実写ワンピースONE PIECEの感想と評価
LOST、Xファイルなどで知られる日系アメリカ人プロデューサー、スティーヴン・マエダのプロデュースによる、日本の大人気漫画の実写版。全8エピソードからなるB級ファンサービスドラマシリーズです。
ベタな設定による友情と夢と感動のゴリ押し物語で、さも人とのつながりに飢え、夢や目標を持てず、感動のない生活を送っている人たちが好みそうなファンタジーです。
漫画の実写化においては根強い漫画ファンが見たら、自分の好きなキャラが実写になって、お馴染みのフレーズを話し、知っている敵を倒していく姿を見るだけでもそれなりに満足できるのでしょう。あるいは実写俳優がどれだけ原作キャラに似てるか、という点だけでも話題性があって楽しいのかもしれません。
僕の場合、ワンピースは大昔に最初の数冊読んだ程度なので、ある意味フラットにこのドラマを見ることができました。そのうえで感想を述べるとすれば、ちょっとよくできたB級ドラマかな、という印象を受けました。
まず、演技のレベルは俳優たちの認知度に比例していて、ルフィー役をはじめ、まあみんなもれなく上手ではないです。この中でまだましなのがナミ役の女の子かな。
それと美術のレベルが低いですね。衣装にしてもセットにしても作り物感が半端なく、室内も室外も遊園地のセットみたいな感じがします。港とか特に酷いよね。
その安っぽさを隠すためか多くのシーンを登場人物の顔をアップして背景をボカす映し方をしているのが特徴で、最近のスターウォーズとかもそうなんだけど、画角がやたら狭いんだよね。そのせいでスケールがものすごい小さく感じるんですよ。
エキストラの数も少ないです。海軍の規模もどれだけ小さいんだよって思いますね。10人ぐらいしかいなかったんじゃない?そういうところで予算切り詰めて作ってるなあというのが見えて冷めてしまいます。
それとBGMのダサさは結構致命的でしたね。ちょくちょくテーマ曲みたいなの流れるんだけど、まあ盛り上がらない。音楽結構大事なのにそこをおろそかにしちゃってましたね。
エピソード1~8にかけて毎エピソードに必ず新しい敵キャラを登場させるようにしてルフィーたちが誰かに捕まっては逃げ、敵に立ち向かい、そいつを倒したら、また別の敵と遭遇するというのがずっと繰り返されます。
ルフィーもゾロもあれだけ強いのに一度必ずやられるか、捕虜になるのが笑えますね。それも結構簡単に捕まるからね。
途中、ちょくちょく昔を思い出して、回想シーンになってはそれぞれの登場人物の背景を説明していきます。そんでまた回想シーンに出てくる幼年時代の子役俳優たちがまあ大人と全然似てないんだわ。
ルフィーなんて少年時代はどう見ても黒人少年なのに大人になったら肌の色が白くなってるからね。なんでもありかよ。どうせだったら性別も変えちゃえばいいのに。
エピソード1,2はまだ見れましたが、3から退屈度が増していき、ウソップのパートとか全部飛ばそうかと思ったほど、つまんなかったです。後半は大分お腹いっぱいになってたのでエピソード8で終わってくれて本当ありがとうございます。
仲間たちはみんな自分の人生があるのに、結構あっけなくルフィーに付いていくんですね。なんであんなにフットワーク軽いんですか? それも夢が、夢がって言ってるくせにみんなだいたいのことをルフィーに丸投げするのかよって思っちゃいました。ウソップなんて好きな女の子までいるのに、彼女を置いてルフィーを選ぶ理由がないじゃないですか。
そんなこんなで色々と文句は尽きないんですが、間違いなくハリウッドが制作したことで助けられた部分は大きいでしょう。
これが日本制作だったら絶対もっとひどいことになってたよ。演技レベルだって低いけど、日本の人気俳優よりはまだましだし、美術も同じことがいえます。
そういう意味ではまあこれでよかったんじゃないのっていう実写化でした。どうせ日本の漫画ファンは演技のレベルとか、美術のレベルとか求めてないしね。
ただこれを今後シリーズ化していってどこまで続けられるかっていうのが問題です。ワンピースって原作が長すぎるから、ドラマはどこで区切りをつける気なんだろう。視聴回数が落ちるまで続編を作る気なんですかね。シーズン3ぐらいまで続いたら上出来じゃないかな。
コメント
アニメの実写化だけじゃなくて、漫画をアニメ化した場合にも原作の魅力を減殺してしまう様なケースは多々ありますね。
思うに、他ジャンルの作品を扱う際には、ジャンルの違いを意識した表現や演出の「変換」がかなり重要になると思いました。
同じジャンルですら、例えばコメディー映画を字幕じゃなくて吹き替えにしただけで、全然面白く無くなるケースもあるわけですから。
確かに
こんにちは、本作ご覧になったんですね。まぁ、漫画の実写化ですし、トレーラーの時点で「B級感」は溢れてたので、予想通りな感じはしました。原作の作画が良くも悪くも「日本人離れ」したキャラばかりなので、少なくとも邦画でやるよりは幾分かはマシなのもわかります。
確かに「顔のアップが多い」作品は多いですが、「世界観の安さを隠すため」という意図はあるかもしれませんね。※そういった作品が漏れなく「今ひとつ」なのもわかります。
邦画じゃなくてほんとよかったと思いました