幸せの経済学(原題 The Economics of Happiness)

眠くなる経済ドキュメンタリー。偏見と独断による押し付けがましいアイデアに埋め尽くされたストーリーが気持ち悪く、見る人を洗脳しようと試みる怪しい新興宗教的な内容が恐ろしいです。18点(100点満点)

幸せの経済学のあらすじ

アメリカで毎年行う世論調査に「非常に幸福だ」と答えた人の割合は、1956年をピークに徐々に下がってきている。

50年前に比べて物は3倍に増え、物質的な豊かさの面では十分に満たされているはずだが、人びとの幸福感は毎年減少を続けている。

私たちの幸せは一体どこへいってしまったのか。さらに、消費型文化の拡大により自然資源はもう限界まで達しており、このペースで生産を続けていくと地球の資源をすべて使い果たしてしまうといわれている。

“幸せ=物質的な豊かさ”という定義が崩れ去った今こそ、経済成長の追求に代わる新しい豊かさを考える時。本作は、これからの私たちの暮らしのあるべき姿の1つを教えてくれる。

(goo映画より)

幸せの経済学の感想

ヘレナ・ノーバーグ監督による偽善野郎の嘘っぱち映画です。フェイクですね。

ストーリーにも紹介がありますが、序盤に「アメリカで毎年行う世論調査に「非常に幸福だ」と答えた人の割合は、1956年をピークに徐々に下がってきている。

50年前に比べて物は3倍に増え、物質的な豊かさの面では十分に満たされているはずだが、人びとの幸福感は毎年減少を続けている」という説明があります。

このフレーズを見て違和感を覚えるか覚えないかで、この映画を最後まで気持ちよく見られるかどうかが決まります。なぜなら終始出演者たちがこの調子でものを言い続けるからです。

だいたい、世論調査ごときの結果を基に時代の違う人々の幸せ度を比べるなといいたい。とにかくあの人は幸せ、この人は不幸、という決めつけがすごいです。

たまにニュースで国別幸せ度ランキングなどという記事が出ますが、ああいう記事を読んで「ヨーロッパの人々は日本の人々より幸せですよ。だって日本は51位ですもの」とか本気で考える奴がいたら首絞めてもいいでしょ。

レベル的にいうと「国別セックス頻度ランキング」とかと同列で、どうやって調べるんだよって誰も疑問に思わないのかな。

世界各国の数万人の夫婦の寝室覗いて統計取ってるんだったらまだしも、どうせこういう調査ってアンケートで「あなたは週に何回セックスしてますか」とか聞いてるだけで、その国の文化によっては男が回数を多めに答えたり、女が遠慮がちに答えたりするだろうから正確なわけがないんだから。幸せ調査もまったく同じ。

話が少し逸れてしまいましたので戻します。この映画で一番違和感を覚えた出演者を挙げるならば、ほかでもないヘレナ・ノーバーグ(監督)です。

ヘレナはことあるごとにチベットからほど近いラダックを持ち出してきて、「私もちょくちょく行くんですが、あそこの人々は素朴でいいですよ。

物質的には貧しく工業やテクノロジーに頼らず生きてるのにみんな幸せなんですよ」などと言うスウェーデン版黒柳徹子といった感じの怪しい女で、今のグローバル化された資本主義は間違ってると訴えながらも、オシャレな家具の揃ったおそらく自宅だと思われる豪邸で堂々とこの映画に出演したりしています。お前はテントに住め、テントに。

先進国から貧しい国に旅行したりすると、その場所に根付く数々の社会問題には目もくれずに「ここの人々は貧しいけど幸せだね」などと決め付ける頭の弱い人が必ずいます。

そこの人々が幸せかどうかは他人のお前が決めることじゃないんだよっつうの。ヘレナ・ノーバーグ徹子よ、いいか。ラダックが気に入ったんなら、母国に一度も帰らずに10年ぐらいそこで生活してみろよ。それから初めてこういう映画を作ってみろ。本当はラダックの人々が幸せとかじゃなくて、お前が不幸なだけじゃねえのか。

コメント

  1. コラン より:

    はじめまして。私はこの映画がとてもいいなと思ったので、あなたの感想をよんでとても新鮮でした! 「ヘレナ・ノーバーグ徹子」っていうネーミングにも笑いました!!

  2. eigaotoko より:

    コランさん
    コメントありがとうございます。この手の映画は、純粋な人は結構洗脳されてしまう恐れがありそうですのでご注意を。

  3. J より:

    じゃあ物質的な豊かさが本当に幸せだと思っているのですか?
    このような発想がしかできない人がいるかと思うと,日本という国には将来がないなと暗澹たる気持ちになりながら貴方の批評を読みました。
    ただただ品がなく独善的な方ですね。

  4. ラーフ より:

    アジアを旅すると物質的不足感=不幸感と感じることがままに
    あります。ラダックは行っていないので解りませんが、結局
    「お前たち先進国(日本も)は物質的に恵まれたからそんなこ
    と言えるんだ」と言われたら返す言葉はありませんでした。
    同じヘレナ氏の「懐かしい未来」を読んでも確かに良いことは
    書かれているとは思うのですが、やはり欧米人特有の航海時代
    のキリスト教布教と同じ「俺のことだけ聞いてろ」の後味感
    しか残りませんでした。

    • 映画男 映画男 より:

      ラーフさん
      コメントありがとうございます。人や場合によっては物質的な貧しさも、心の貧しさや不満につながってくることも十分にあると思います。確かにヘレナ徹子は上から目線でラダックの人々を見ていますね。

  5. 歩海 より:

    私は今インドの田舎に外人一人で4年近く住んで物がない生活をしていますが
    みんな生活が大変で物があれば幸せになれると信じてる人がいっぱいいます。
    近代的生活にあこがれる人も多いです。
    ありがちな”徹子”トークはうんざり!!!!この映画は見ていませんが、ラダックで10年生活してみろよってホントの話ですねw でも生活したら生活したで、ラダックあたりなんて観光地だから外人はもてはやされて、彼らの本当の部分は見えないかもしれません。

    • 映画男 映画男 より:

      歩海さん
      コメントありがとうございます。インドの田舎に住んでる人から貴重な話を聞けて大変嬉しく思います。やはり貧しい生活強いられている人々は物質的な豊かさに憧れを持ち、夢を抱くのは普通ですよね。物が溢れる先進国の人たちが逆に質素でシンプルな生活のあこがれるのもないものねだりですね。また、インド目線の意見をお聞かせください。ありがとうございました。