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浅草キッドは普通に面白い映画!ネタバレ感想

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ビートたけしと深見千三郎のツンデレ師弟ドラマ。古き良き時代の浅草や人間味溢れる芸人たちの姿に心温まります。55点

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映画浅草キッドのあらすじ

大学を中退して浅草のフランス座で住み込みで修行をしていたタケは深見千三郎のコントに惚れこみ、弟子入りを志願する。深見千三郎はタケに悪態をつき、まともに取り合ってくれなかった。

しかしタケが深見のコントがピカイチで一番好きなんです、と言うと深見はまんざらでもない様子だった。その日をきっかけに深見は厳しくも愛情を込めてタケに芸を仕込み、師弟関係が始まる。

タケは深見の側で雑用などをこなしながら芸を身に着けて行った。特に深見の真似をして覚えたタップダンスの腕前はなかなかのものだった。かつてこのフランス座で稽古をした萩本欽一のような有名な芸人に将来きっとなれると彼自身本気で信じていた。

タケはめきめきと実力をつけていった。その一方で時代の変化を受けフランス座は寂れていく一方だった。劇場経営を退くように深見に助言する者が後を絶たなかった。

そんな中、タケはキヨシとコンビを組んで漫才をやることを決意する。しかしそれは漫才を毛嫌いしていた深見からすると絶縁を意味していた。深見は波紋を言い渡し、タケをフランス座から追い出したのだった。

映画浅草キッドのキャスト

  • 大泉洋
  • 柳楽優弥
  • 門脇麦
  • 土屋伸之
  • 中島歩
  • 鈴木保奈美

映画浅草キッドの感想と評価

「青天の霹靂」の劇団ひとり監督による、ビートたけしと深見千三郎の師弟関係をつづった人間ドラマ。同名小説の映画化です。

深見千三郎のもとで修業するビートたけしの下積み時代をユーモアを交えて描いていて、浅草フランス座でストリップの合間にコントをしていた様子や人情味溢れる浅草の人々の特徴などを哀愁を込めて表現しています。

脚本と演技がとても良く、会話に無理がないです。柳楽優弥はビートたけしの動きをよく掴んでいて、ときどき普通の喋り方になってたりもしたけど、いい仕事していましたね。葬式のシーンなんて物まねしながらすすり泣きつつボケるってなかなか高度な技術だったと思います。「誰も知らない」以来じゃないですか、彼がまともな作品に出たの。

セリフが不自然じゃないから話がすっと頭に入って来るし、しょうもない恋愛や感動要素なんかも極力排除してあります。見せたいのはただ一つ、芸人の生きざまです。ビートたけしのサクセスストーリーのようで、見方によっては深見千三郎が主人公のようにも見えました。

劇団ひとりが脚本を書いていることもあって、ちゃんとそれぞれのエピソードにオチをつけているのも見事ですね。ネットフリックス製作だから予算も十分に出してもらえたのもあるかもしれないですが、全体的にレベルが普通に人様に見せられるレベルになっています。邦画においてはかなり珍しいことです。

特に現在のビートたけしの特殊メイクはかなり完成度が高くて、そっくりさんの俳優を起用しているのかなと一瞬思ったぐらいです。ああいうところにお金がかけられるっていいですよね。邦画でもこうしたまともな映画を作ろうと思えば作れるのになんでもっと作らないんですかね。

一方で前半部分のテンポはそれほど良くなく、無駄なミュージカルシーンが気になりました。ストリップ場のダンスシーンであれだけ時間を割くなら少なくとも女優を脱がせないとダメですよね。脱ぎまくり女優の門脇麦すら脱がないって。お前ら全員、ナタリー・ポートマンかよ。

裸のシーンがあることによってフランス座の低俗な雰囲気と、その合間にやる芸人のコントのアンバランスさがより強調されるのにねぇ。これで鈴木保奈美が脱いでたら拍手喝采ものだったんだけどなあ。ジュリアン・ムーアやジュリエット・ビノシュだったら年齢関係なく脱いでたと思うよ。

また、ビートたけしが売れたきっかけやツービート結成からの活躍の様子は大分端折っていましたね。この手の映画でよくありがちなとんとん拍子で売れて行ったみたいな印象を受けるので、もうすぐ苦労エピソードがあっても良かったかもしれません。

普通に最後まで見れるし、それなりに楽しめたんですが、じゃあこれをビートたけしのことを知らない外国人が見たら楽しめるかといったらまず楽しめないでしょう。問題点があるとしたらそこに尽きます。知識、偏見、ファン心理なしでもこの物語が映画として成り立っているかと言ったら成り立っていないでしょう。だから外国でヒットすることはないんじゃないかなぁ。

あくまでもビートたけしの功績を十分に分かっている日本人が彼の売れていない時代の苦労や彼の師匠の存在を知るための作品という感じがしますね。そういう意味では普遍性や娯楽性には欠けていましたね。

コメント

  1. くま より:

    いつも楽しく拝見しております。
    もし可能であれば「そしてバトンは渡された」のレビューをお願いしたいです。
    私はポスターを一目見て微妙に思ったのですが、興行収入・内容の評価ともにかなり高いようで気になります。
    よろしくお願いします。

  2. ishimami より:

    作品の紹介というか、感想というか、この映画の良さとダメな点がよくわかりました。

    ナタリーポートマンの件で笑いました。私はいつもジュリアロバーツを例に出していましたので。
    あの『乳首出したら負け』的な日本女優の風潮はなんでしょう?

    すごくすごく昔、藤岡弘といしだあゆみが出た『日本沈没』がテレビでやった時、父が
    『いしだあゆみが裸なんだそうだ』と楽しみにしていました。ヌードになるか、ならないかは演出次第でどうにかなるのかもしれませんが、有名女優の裸はエンタメであることを知りました。

    で、テレビではいしだあゆみのヌードシーンはカットされていて、父は残念そうに
    『お金払っても映画館に行けばよかった』と言いました。

    脱ぐ、ということは 興行成績(金になる)にもつながることだともその時わかりました。

    浅草キッド、観てみます。

    • 映画男 より:

      脱ぐかどうかもそうですが、全体的に色気があるかどうかで売り上げは間違いなく変わるでしょうね。

  3. マーチ より:

    浅草キッド、ネトフリでマイリスしてはいるものの、どうしようかなぁという感じでしたが「恋愛要素と感動要素を極力排除」の一文で観てみることにしましたw

  4. マーチ より:

    ネトフリ配信が本日までの「プライベート・ライアン」を先ほど見終わりまして
    (長いので1.2倍速+ソシャゲのイベント走りながらの鑑賞でしたが)
    映画男さんはどのような感想だったのかな~と思い来てみたんですよね。
    でもプライベートライアンの感想はありませんでした…。

  5. きのこ食べ過ぎ より:

    ビートたけしの「知られざる浅草時代」を扱ったという点では面白かったけれど、ビート武個人に関してだと、ツービート組んでからピンになって映画監督として成功するまでが、個人史的には一番面白い感じですよね。
    ・キャバレーの巡業で、酔っぱらった客がビートきよしの脚をノコゴリで切ろうとしていた。
    ・フライデー襲撃
    ・バイク事故
    ・元世界王者・渡嘉敷がヤクザと揉めて拉致られた際に、組事務所に乗り込んでお笑いを一席ぶって組長を和ませて、渡嘉敷救出した。
    ・グラドル・細川ふみえが愛人
    ・映画監督に挑戦するも、映画関係者達からはフルボッコされ評論家の淀川長治だけが才能を評価
    ドラマとか映画にしたら嘘臭いようなガチ・エピソード満載で。
    最近も弟子志願を断られたヤクザに逆恨みされて、ツルハシで襲われて車破壊されたけど、全盛期の体力あったら面白いから「軍団」に入れていたと思う。

  6. とーみー より:

    劇団ひとりが凄すぎる。この映画の脚本と監督をこの人がしてなかったら同じようなストーリーでもここまで楽しめる映画には、なってなかったでしょう。世間はもっと劇団ひとりを評価しても良いのでは?たけしが監督した映画見るよりこっちの方がよっぽど面白い。