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明日に向かって笑えは日本人に受けないアルゼンチンコメディ!感想とネタバレ

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この記事は 約5 分で読めます。

最後はまで見れないこともないけど、特に笑えない緩々アルゼンチンコメディ。あくまでもアルゼンチンだからヒットした作品です。48点

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明日に向かって笑えのあらすじ

2001年8月、アルゼンチンの小さな村アルシーナでフェルミンは妻のリディア、友人のアントニオらと共同で農業施設を設立しようと資金を集めることにした。

彼らは知り合いや仲間たちを片っ端からあたり、なんとか15万ドルを超える投資額を収集することに成功した。しかし施設を立てるには最低でも30万ドルは必要だった。

そこでもう半分は銀行からローンを借りようとフェルミンはマネージャーのアルバロと交渉する。すると、マネージャーは15万ドルをフェルミンの個人口座に入金すればそれを担保にローンの許可が降りる、と説明してきた。

フェルミンはほかの投資家たちに説明をせずにこれを聞き入れ、大事な投資金を口座に入金してしまう。翌日、あろうことかアルゼンチンは金融危機に突入。大統領宣言により、銀行口座が凍結され、お金が下せなくなってしまった。アルバロはそれを事前に知っていて入金を勧めたのだった。

また、アルバロはフェルミンと入れ替わりで銀行を訪れた弁護士のマンシーにその場でペソでローンを許可していた。そのおかげでマンシーはペソが暴落する前に米ドルに換えていたのだった。つまりフェルミンが預けたばかりのドルをマンシーがねこそぎ持って行ってしまったのだった。

フェルミンは全資金を失い途方に暮れる。さらに追い打ちをかけるように交通事故に遭い、愛妻のリディアを失う。それから一年後、フェルミンはマンシーの近況を仲間から聞かされ、みんなで協力してマンシーに復讐することを誓う。

明日に向かって笑えのキャスト

  • リカルド・ダリン
  • ルイス・ブランド-ニ
  • チノ・ダリン
  • アンドレス・パラ
  • ベロニカ・ジナス
  • リタ・コルセテ

明日に向かって笑えの感想と評価

セバスティアン・ボレンステイン監督によるアルゼンチン産コメディ。悪徳弁護士に奪われたお金を奪い返すために田舎のおっちゃんおばちゃんたちがチームを組んで壮大な仕返しをする復讐劇です。

アルゼンチン版“オーシャンズ11”などと宣伝されていますが、ハリウッド的な高いエンタメ性はなく、テンポもよくなければ、ストーリーもガバガバで、なんとか見える緩いコメディといった感じでした。

内容はアルゼンチン人向けになっているので、鑑賞前にせめて2001年に起きたアルゼンチンの金融危機については知っておいたほうがいいかもしれません。

自分のお金を銀行から下ろせなくなる、というのは日本ではありえないことでも発展途上国では結構あるあるの話で、そうした金融危機の状況を悪用したスキームを使って主人公たちがお金をだまし取られる状況を描いているので背景を知らないと説明不足と思ってしまいそうです。

アルゼンチン人にとっては自分たちがもろに経験したことなので、キャラクターに感情移入するのは容易なはずです。本作で起こる復讐劇はある意味、国民たちができることならやりたかったことをキャラクターたちが代わりにやってくれているわけで、アルゼンチンの視聴者にとってはそれが爽快感や達成感になるのは想像がつくでしょう。だからこそアルゼンチン国内ではヒットしたに違いないです。

しかしこれを外国人が見たときに同じ気持ちで見れるかというと絶対そんなことはなく、特に日本人が見たら乗れないはずです。

まず、物足りなさを感じたのは、ところどころに入ってくる微妙なアルゼンチンギャグですね。正直、ボケが薄すぎて、コメディといえるのかどうかも怪しいぐらいでした。アルゼンチン人がどこで笑うのか一緒に見てみたいものです。

もうちょっと田舎のおっちゃんおばちゃんたちを間抜けに描いてもよかったかもしれませんね。復讐プランを練っていたら突然サッカーの話に切り替わったりして本題を忘れるとかね。

主人公が元サッカー選手だった、というバックストーリーが有効に使われておらず、正直なんのためにサッカー選手にしたのか分からなかったです。そういう意味ではそれぞれのキャラ構築もほとんどされておらず、悪役以外はいずれの登場人物もあまり個性を感じられなかったです。名前すら頭に残らないぐらいでした。

悪徳弁護士マンシーの隠し金庫の中にある現金を奪い返す、というのがゴールになっているんですが、そもそも騙したのはマンシーじゃなく、銀行マネージャーのアルバロですよね。裏で手を引いていたのがマンシーだったとしても直接話を持ち掛けてきたのはアルバロなんだから、アルバロに復讐するのが筋だと思うんだけどね。アルゼンチン人の発想では違うんでしょうか。

とにかく金さえ取り戻せれば誰からでもいいみたいなことになってたし、金も自分たちの分だけじゃなくて、ほかの人たちの分もあるはずなのに全部自分たちのものにしてるのも笑えますね。あれこそがアルゼンチンギャグなのか、奪ったものは自分のものっていう感覚なのかどうなんでしょうか。

最後、エルナンがねこばばするっていう下りもいらないし、フェルミンの息子とロドリゴと女の子が結ばれるっていうサブストーリーもまじで必要ないです。僕的にはハッピーエンドじゃなかったんだけど、まるで幸せかのような終わり方で締めくくっていたのには失笑するしかなかったです。わざわざアルゼンチンから買いつけてきて日本で上映するほどの作品ではないですね。

コメント

  1. イルーナ より:

    登場人物の扱いが雑でしたね。
    ポスターでは主役格だった主人公の奥さんが前半で事故死というのだけでも「?!」なのに、銀行の支店長もいつの間にか事故死扱いになってるんですよね…復讐対象じゃなかったの?!という。

    あと、思わせぶりに登場した重機の扱い。本番で全然使った描写がないから見落とした?!になってしまいました。
    後でどこで使われていたか教えてもらったのですが、その人も一回見ただけでは気づかなかったらしいので、やはり不親切ですよね…