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あの夜、マイアミではつまらない口論劇!感想とネタバレ

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かつてのアメリカ黒人社会の代表的なインフルエンサーだった4人を薄く取り上げた駄作。テキトウに作った感満載です。33点

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あの夜、マイアミでのあらすじ

1964年2月25日、ボクサーのカシアス・クレイはソニー・リストンを倒し、世界王者とあった。その晩、カシアス・クレイは友人のマルコムXとホテルの部屋で会い、勝利の喜びを分かち合った。

カシアス・クレイはマルコムXの影響でイスラム教に改宗していた。試合前にも二人はホテルの部屋でお祈りを捧げていた。

マルコムXはほかにも歌手のサム・クック、NFL選手のジム・ブラウンを招待した。4人それぞれが黒人社会で強い影響力を持つ男だった。

マルコムXは白人からも人気の高いサム・クックに黒人の代表としてもっと強い意志を表明してもらいたいという願いから白人に媚を売るのはやめろ、と忠告した。これに対し、サム・クックは白人を悪魔などと言って断罪するマルコムXのほうが間違っていると猛反発した。

それぞれが自分の意見を飛ばす中で、差別に苦しむ同胞たちに何ができるのか、どうやって生きていくべきか、ということを真剣に考えていく。

あの夜、マイアミでのキャスト

  • キングズレー・ベン=アディル
  • イーライ・ゴリー
  • オルディス・ホッジ
  • レスリー・オドム・Jr

あの夜、マイアミでの感想と評価

女優のレジーナ・キングによる監督デビュー作。2021年アカデミー賞助演男優賞にノミネートされています。

もしモハメド・アリとマルコムXとサム・クックとジム・ブラウンの4人が試合後にホテルの部屋で集まったら、という架空のシチュエーションを基にしたディスカッション映画で、会話が絶望的にどうでもよく、退屈極まりないです。

登場人物の名前を変えただけで内容は限りなく「マ・レイニーのブラックボトム」に近いですね。つまるところ黒人たちが人種差別社会に対して、ああでもないこうでもない、と不平不満を言い合う、不毛な口論ストーリーです。

まず、時代背景やそれぞれのキャラクターの背景も知っていないと、当然話が分からないタイプの映画なのでアメリカ人以外にはきついですよね。さらに当時の黒人の気持ちも理解できないと面白くないので、まず日本人には受けないでしょう。

まだ、これがノンフィクションだったら救いがあったかもしれないけど、実在する人物たちの架空の設定+退屈な会話を聞かされるっていうのは結構な修行でした。

一応、マルコムXがネーション・オブ・イスラムを脱退しようとしていること、モハメド・アリが改宗すること、サム・クックがボブ・ディランの影響で新曲を発表すること、ジム・ブラウンが俳優に転向する事実などと重ねてはいるものの、さもフィクションっぽくてそれぞれのキャラに感情移入するまでには至りません。

会話は黒人である自分たちはこの差別社会をどうやって生きるべきか、というテーマに終始し、マルコムXが中心になって回していきます。

そして冗談を言い合っていたかと思ったら、急に喧嘩し出したり、しばらくしたらまた仲直りしたりする、というとてもアメリカの黒人社会を代表する男たちの姿とは思えない幼稚な出来事の連続になっています。

ほぼほぼいいエピソードがなく、印象的だったのはサム・クックがマイクなしでアカペラで歌い、観客を虜にしたっていうくだりぐらいです。あとは全部カットでいいです。冒頭の差別シーンも強弱をつけすぎていて嘘くさいしね。

マルコムXがやたらと突っかかるキャラなのも謎でしたね。彼の突っかかり方がまた飲みの席で後輩につっかかる先輩サラリーマンみたいで、いいがかりにもほどがあるんですよ。

「お前はミュージシャンなんだからその綺麗な声を使って、もっとブラザーたちのために頑張れよ」みたいなものすごく抽象的な説教が延々と続きます。具体的になにをしろとは言いません。とにかくしっかりやれみたいなノリだから何一つ響かないんですよね。マルコムX、面倒臭いなあって思うだけで。

キャスティングもいまいちですね。ぱっと見、似ているのはマルコムXぐらいで、モハメド・アリやサム・クックとか誰だよってレベルですよね。演技も微妙だし、サム・クック役のレスリー・オドム・Jrがアカデミー賞ノミネートしているのも意味不明です。この中だったらマルコムX役のキングズレー・ベン=アディルじゃない?

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