オン・ザ・ロックはほっこりする浮気男追跡ドラマ!感想とネタバレ

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ヒロインが浮気している可能性のある夫を追いかけニューヨーク中を駆け巡る大人向けコメディドラマ。ニューヨークの違った一面を見せつつ、中年女性の心境を上手に描写しています。65点

オン・ザ・ロックのあらすじ

名コンビ再び!ソフィア・コッポラ監督×ビル・マーレイ『オン・ザ・ロック』予告編

ニューヨークで夫ディーンと二人の娘と共に暮らすローラは子育てに追われ、自分の作家としての活動がなかなかできずにいた。

一方のディーンは自分の会社を立ち上げたばかりで、あちこちを飛び回り、忙しい日々を過ごしていた。

一見、可愛い子供にも恵まれ、何不自由なく暮らしていたローラだったが、なんともいえない虚無感に襲われていた。

そんな中、ある日夫のディーンがベッドの中で不審な行動を取った。彼はまるでローラが別の女性であるかのような態度でキスをしてきては、ローラであると気づいたら我に返ったのだ。

それ以降ローラはディーンを疑うようになり、父のフェリックスに相談する。プレイボーイの父は当然ディーンの浮気を疑った。そして頼んでもいないのにディーンを尾行し、彼の不自然な行動の数々を娘に報告するのだった。やがて二人してディーンの後を付けることにする。

オン・ザ・ロックのキャスト

  • ビル・マーレイ
  • ラシダ・ジョーンズ
  • マーロン・ウェイアンズ
  • ジェシカ・ヘンウィック
  • ジェニー・スレイト
  • バーバラ・ベイン

オン・ザ・ロックの感想と評価

「ヴァージン・スーサイズ」「ブリングリング」、「マリー・アントワネット」、「ビガイルド 欲望のめざめ」、「SOMEWHERE」、「ロスト・イン・トランスレーション」で知られるソフィア・コッポラ監督による、ロマンティックコメディと家族ドラマをミックスした良作。

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ニューヨークを舞台に、夫の愛情を疑い始めた既婚女性が父親と繰り広げるドタバタ劇で、妻と夫、そして娘と父親の関係性を平行して見せていく物語です。

設定は「ロスト・イン・トランスレーション」や「SOMEWHERE」に近いものがあり、なんとなく日常に退屈や不満を抱えているヒロインが父親と旦那に振り回される様子を面白可笑しくつづっているのが特徴で、やはりこの作品もまたソフィア・コッポラ自身を描いているのは疑いの余地がないです。

いわば父親と私、旦那と私、子育てに追われる私、不倫されている私、愛情を満足に受けていない不幸な私なんですが、彼女特有のナルシシズムとフェミニズムとファザコンが要所要所に垣間見れるものの、それほど嫌味はなく、ソフィア・コッポラが年齢を重ねたせいか、キャピキャピしていないのが救いです。女性のみならず男性も楽しめる内容になっていました。

監督の育ちの良さから上流階級の生活しか知らないのか、やはり今回のヒロインもまたものすごく裕福な生活を送っています。夫はバリバリ働く起業家。自分自身も作家。父親は職業不詳だけどとにかく大成功している風で、運転手付きの車でニューヨークのあちこちのセレブスポットを日々遊び歩いています。

そんな環境で生きる、ほぼほぼ庶民的なところが皆無なヒロインですが、彼女の持つ悩みは中年女性なら誰でもが一度は経験する普遍的な悩みであることがポイントですね。女性として、母親として、またはキャリアウーマンとして自分の幸せとは一体なんなのかを見失いつつある中で、夫に十分に愛されていないという不安から、夫の浮気を疑い始め、夫を探索することが止められず、やがて夫婦関係が崩壊の危機に向かう、というのがストーリーの流れです。

女性あるあるエピソード満載なので、特に女性視聴者は共感しやすいだろうし、ヒロインが男性だとしても成り立つ話なので、男性視聴者も自分自身をヒロインに投影することはさほど難しくないはずです。

笑いのパートはビル・マーレイ扮する父親のフェリックスがほぼほぼ独占していて、父親がボケたのに対し、娘が呆れ顔をする、というタイプの緩いやり取りが続きます。

言葉を交わす全ての女性を口説こうとするフェリックスのキャラは若干うざいものの、ああいう女たらしもいないわけじゃないし、また言ってもいい歳したお爺ちゃんなので、道行く女性にどれだけアプローチしてもそれほど下品にならないのが得ですね。

フェリックスの女性感が、ヒロインのフェミニズム感といい具合にコントラストになっていて、多くの女性に惹かれるのは男の本能だと信じている父親と、一人の男性の愛を独占し、永遠に自分一人だけ見ていてもらいたいと願う娘の思想の違いが、そのまま親子関係に現れているのが面白かったです。

そして「ロスト・イン・トランスレーション」や「SOMEWHERE」と本作が決定的に違うのは特に何も解決せずにせつなさや孤独を抱えたままヒロインがエンディングを迎えるのではなく、夫婦関係、親子関係共にすっきりさせて終わっている点ですね。

結局最後はただのいい話だったっていうオチは好き嫌いが分かれるでしょう。でも緩くて、くだらないストーリーの中にささやかな愛情や感動が含まれていて、心温まりました。名作とか傑作とまではいかないけど、十分な出来だったと思います。

できればこれのバッドエンドのバージョンも見てみたい気がしますね。あのままヒロインが父親とも夫とも疎遠になって、一人で子供を育てていくストーリーのほうがリアルと言えばリアルかもしれません。

だって夫が格好良すぎるもんね。あんなに仕事ができて、エネルギーに満ち溢れていて、普段から美人に囲まれていて浮気しないはずないもん。っていう考えがそもそもフェリックス的な考えなんだけどね。

コメント

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