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第三夫人と髪飾りの感想とネタバレ

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ちょっぴりHで、ちょっぴり悲しげな一夫多妻制の家族を描いたベトナム映画。裕福な家庭に嫁ぐ女性の生き方を見せた大人の昔話です。53点 

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第三夫人と髪飾りのあらすじ

舞台は19世紀のベトナム。14歳のメイはある日、地主の富豪の男ハンのもとに三番目の妻として嫁ぐ。

ハンには第一夫人のハ、第二夫人のスアンがおり、それぞれに息子一人、娘三人の子供を授かっていた。

当然、メイとの間にも子供が望まれた。誰もが女の子よりも男の子を欲しがった。男の子を産むと夫人の間でもステータスが上がった。男の子を出産して初めて奥様と呼ばれるのだった。

メイはハンと体を重ね、やがて妊娠した。どうか男の子が生まれるようにと祈った。同じ頃、第一夫人にも子供ができた。メイは自分の子供がハンの最後の男の子となればいいと願った。

まもなくしてメイは第二夫人のある秘密を知ることになる。一見、豊かで平穏な暮らしを送っているように見える一家には実は複雑な問題が絡み合っていた。

第三夫人と髪飾りのキャスト

  • トラン・ヌー・イエン・ケー
  • マイ・トゥー・フオン
  • グエン・フオン・チャー・ミー
  • グエン・ニュー・クイン
  • レ・ヴー・ロン

第三夫人と髪飾りの感想と評価

アッシュ・メイフェア監督による、19世紀のベトナムを舞台にした長編デビュー作。未成年の性を描いたことからベトナムでは上映禁止となった問題作です。

女性監督が女性目線で撮った、女性向けのソフトな官能文学風人間ドラマで、政略結婚ストーリーに美しい映像と少しの色気を加えた芸術路線の映画です。

ベトナム映画はあまり見る機会がないので、話題作が出てくれると嬉しいですね。昔に見た「季節の中で」という映画が名作だったので、その印象が強く残っています。

この映画に関してはベトナムがかつて一夫多妻制だったことをそもそも知らなかったのでストーリー設定に文化、慣習的な興味を惹かれました。

この物語によると、なんでも当時は、ゴリゴリの男社会で男は複数の妻を持つことが許され、それぞれの妻にとにかく男を産めとプレッシャーをかけるのが当たり前だったようです。

妻たちもそれが当然のごとく振る舞い、若くして嫁に嫁いでいく少女すらもそうした週間を受け入れているかのような表情をしているのが印象的でした。

14歳のメイが年の離れた夫ハンの家庭に入ったとき、戸惑いの表情は見せつつも、不快な感じではないんですね。

先輩の夫人たちは使用人のアドバイスなんかを聞いて、良き妻であろうとする姿も前向きですらあります。

そして一家の生活は一見すると秩序が守られていて、裕福だから食べ物や着るものには困らないし、あれはあれで幸せに感じるのでしょうか。

一夫のハンは自分の好きなときに三人の夫人の中から一人をチョイスして、それぞれの寝床に転がり込んでいくようなハーレム生活を送っていました。

とはいえ威圧的だったり、暴力的な態度はほとんどなく、夫人にも気を使っている様子でした。その証拠にメイがスケベなことを嫌がるとそれ以上追求することもなく、やりすごしていました。

つまるところ奴隷と主人のような関係とはまた違く、たとえ夫のほうが立場が上であっても一応夫婦関係というモラルは成立しているようです。

それにしても男目線で見ると、三人の女性に気を使いながら生活するのもなかなかしんどいですよね。

逆に女性からしたら、夫人同士のバチバチのライバル関係がしんどそうと思うんじゃないでしょうか。

しかしながら三夫人は意外と仲良くなっていて、多少の上下関係はあってもそれぞれがお互いのことを思いやる気持ちを持っていましたね。

これがラテン女三人とかだったら、髪の毛の引っ張り合いになっているところでしょうが、ベトナム人だとあんなに静かに優雅にできるんでしょうか。

問題のベッドシーンは視聴者の見方によるでしょうね。僕的には特に不謹慎に描いているようには思えなかったし、ただ昔は児童婚が当たり前だったし、少女たちは処女を知らない男にああして捧げたんだよ、という史実を伝えただけという感じがしました。

なにより女性監督が描いているからか歪んだ感じがしないんですよ。その点監督の趣味が反映されている「レオン」とかのほうがよっぽど質が悪いと思いますけどね。

でもこの映画が現代社会において問題にかどうかはちょっとデリケートで難しいですね。ヒロインの女優は当時13歳だし、それはそれで論争を呼び起こすのは無理はないでしょう。ベトナム人なんて童顔の女性がたくさんいるんだから、せめて女優はもっと実年齢が上でも良かったかもしれませんね。

それよりなにより、僕が一番気になったのは第二夫人の色気ですね。もっというと第一夫人の熟女の魅力もたまらないです。第二夫人は竹藪に入ってまであんなことやこんなことをしちゃうんだから、なかなかのやり手ですよね。ほかにやることないんだろうなあ、あの生活じゃあ。仕方ないちゃあ仕方ないか。

ところどころベッドシーンはあるんですが、女性漫画のソフトな絡みで、色っぽいというよりむしろ美しい、という感じです。

そこがやっぱり女性向けなんですよねぇ。意外な同性愛シーンとかもあったりして、あれはあれでまた女性受けを狙っているような気配がありました。

映像と色っぽさがメインで、ストーリー自体には特に印象付けられるような部分はなかったです。親に無理やり結婚させたられたのに、いざ結婚したら、夫に断られていた女の子が可哀想で仕方なかった、というぐらいでしょうか。

本来なら「いやいや、私のほうからごめんだし」っていうシチュエーションなんですが、親の顔も立てないといけないし、貧しい出身だし、立場的にそういう態度にはなれないのがつらいところですね。

男の子も男の子で勝手に両親に嫁を決められてしまうのもきついですねぇ。男尊女卑社会とはいえど、結局どっちもきついんだなぁ。

コメント

  1. きのこ食べすぎ より:

    AVでもヌード写真集でも同じなんですが、女性監督や女性カメラマンといった、女性アーティストって、「性愛」を題材にする際に生々しさとか生臭さみたいなものから逃げて、何か「アートっぽい」綺麗な作風に逃げる傾向を感じます。
    加納典明みたいな直球のエロを描けないというか。
    「アートっぽいエロ」って何処かウソ臭さを感じてしまうんですよね。