洗骨は笑えるし面白い沖縄映画!感想とネタバレ

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沖縄を舞台にした大いに笑えるおバカコメディー。感動する類の話じゃないけど、今すぐ沖縄の離島に行きたくなる作品です。69点

映画洗骨のあらすじ

『洗骨』予告編

沖縄には死者を土葬してからお墓に入れ、しばらくしてからまた親族の間で骨を洗う儀式である洗骨をする習慣があった。沖縄の粟国島では今もなおその伝統が受け継がれていた。

ある日、粟国島に住む新城家の母が亡くなり、洗骨のために息子の剛や娘の優子が故郷に帰ってきた。ところが優子が出産を間近に控えているほど大きなお腹をしていたのを見て、家族たちは驚きを隠せなかった。

父の信綱は最愛の妻を失い、お酒に溺れていた。息子の剛は離婚したばかりで、なにかと家族に当たり散らした。洗骨の儀式を前に新城家は団結するどころかバラバラになっていた。果たして彼らは儀式をしっかり終えることができるのだろうか。

映画洗骨のキャスト

  • 奥田瑛二
  • 筒井道隆
  • 水崎綾女
  • 大島蓉子
  • 坂本あきら
  • 山城智二
  • 前原エリ

映画洗骨の感想と評価

ガレッジセールのゴリこと照屋年之監督による、沖縄の粟国島を舞台に、死者を洗う伝統儀式「洗骨」をテーマに掲げた家族ドラマ。

様々な問題を抱えた新城家を主人公に彼らの会話を通じて、その土地の文化、風習を感じさせる、ほのぼのストーリーに仕上がっていて、普通に面白かったです。

テーマ選び、映像、脚本、そして笑いの部分において至る所で監督の才能が光っていて、とても長編デビュー作とは思えない完成度でした。

ロケーションが申し分ないので、絵がとにかく綺麗ですね。ビーチはもちろん丘にあるブランコとか贅沢すぎる景色じゃないですか。

どこもかしこも絶景スポットだらけで、いちいちロマンチックなんだよなぁ。それなのに人が全然いないっていうのが楽園っぽくていいですねぇ。

若干、ストーリーのリアリティーのなさや演技の問題はあるものの、そういった欠点をユーモアで埋めていましたね。

やはりコメディー映画は芸人が撮るのが一番いいのかもしれませんねぇ。「洗骨」というマジな儀式に、ふざけた人たちのドタバタ劇を被せる、という対比が素晴らしく、長いコント見たような思いになりました。

物語は、母親を亡くしたことをきっかけに、久々に家族が沖縄の離島に集まり、喧嘩をしたり、仲直りをしたりしながらも「洗骨」という儀式を通じて家族の絆を再確認していく様子を描いていきます。

まず、「洗骨」というタイトルそのものが十分にインパクトがありますね。日本人にとっても、外国人にとっても「なにそれ?」っていう風習だし、こういう失われつつある文化を伝える映画は貴重です。もっと海外にも出て行くべき作品なのにねえ。

一方で「洗骨」に触れる時間はそれほど多くなく、終盤にちょこっと儀式を見せるだけだったのが、ちょっともったいなかったです。「洗骨あまり関係ないじゃん」って途中まで思っちゃったぐらいだから。

実質ストーリーは新城家の家族トラブルを中心に回っていくといってもいいでしょう。

家族トラブルの原因は、お父さんがポンコツでアル中気味なことと、娘の優子が妊娠していることでしょうか。どちらに対しても真面目な長男の剛が終始二人に対して厳しい目を向けます。

特に優子の場合、男のもとを離れシングルマザーになる決意をしていることもあって、家族からのブーイングはすさまじいものでした。

さらにそこに肝っ玉叔母さんの信子が割り込んではドスを利かせた声で怒鳴りちらし、家族を取りまとめようとするという構図になっています。

この映画のMVPは間違いなく、その信子役を演じた大島蓉子でしょう。彼女が主役だったと言っても過言ではないんじゃないかな。

ほとんどの笑いのシーンも大島蓉子発信だし、沖縄出身でもないのに、ほかの誰よりも沖縄のおばちゃんみたいでしたね。

使う言葉は厳しいけど、実は心優しいっていうキャラも最高でした。「命は女がつなげて行くんだよ!」っていうセリフとか名言じゃないですか。

この映画の最大の見せ場は、洗骨の儀式から産気づいた優子の出産シーンに移行するシーンでしょう。

出産っていっても破水してからそんなにすぐに生まれるわけじゃないんだから、十分家に帰ったり、病院に行く余裕あるはずなんだけど、炎天下のビーチで赤ちゃんを産んじゃうっていうのがバカですねぇ。妊婦をあんなところに何時間も放置したらダメだろって。

そういった突っ込みどころ満載のシーンにも関わらず、ちゃんとコントとして成立していたし、なにより笑いに昇華させていましたね。お見事です。

一方で奥田瑛二、筒井道隆、水崎綾女などはほとんど標準語に近い話し方をして、沖縄県民っぽさを全然出せていませんでしたね。特に筒井道隆がひどいね。いまだに「あすなろ白書」のノリかよ。

ナレーションがまず標準語だからね。県外に住んでるからっていうのは理由にならないぐらい沖縄感がないもんね。

古謝美佐子など沖縄出身の人たちも何人か出ていたみたいだけど、せっかく地元の伝統文化をテーマにしているんだからどうせならキャストはオール沖縄人で固めるべきでしたね。オール地元キャストにするのってやっぱり難しいのかなぁ。

それと、メイクのレベルの低さはやはりどうしても気になってしまいますね。妊婦のお腹の膨れ具合とか、遺体の腐敗具合とか、まだまだ外国映画と比べてしまうと、作り物感が半端ないです。邦画ってなんであの分野が全然成長しないんだろう。

コメント

  1. 海のまりも より:

    いつも楽しく拝見させて頂いています。
    出身ではないのですが沖縄在住です♩この映画、全く注目してなかったのですが、映画男さんのレビューを見て「見たい!」と思いました!
    なんなら泣けそうな気がします。
    上手じゃない沖縄弁はレベルを越えた胡散臭さをかもしだすので、そうなるくらいならばってことで標準語だったのかな?!とも思ったのですが、
    見てから判断せねばですね(≧∀≦)
    楽しみがまた増えました。ありがとうございます!

    • 映画男映画男 より:

      他県の方言は、うさん臭さ満載になるリスクは確かにありますね。ただ、そのリスクを背負って挑戦してもらいたかったです。沖縄在住ならきっと楽しめるんじゃないでしょうか。ぜひ見てみてくださいね。