屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカは胸糞悪い実話スリラー!感想

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実話ベースでリアリティーはそれなりにあるのになぜか恐怖もドキドキもない連続殺人もの。主人公が女たちを衝動的に殺していく様子を淡々と描いた退屈な映画です。37点(100点満点)

屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカのあらすじ

『屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカ』予告編

ドイツ、ハンブルクの赤線地帯にあるさびれたバーでフリッツ・ホンカは毎晩のように酒を飲んでいた。醜い彼は女性にほとんど手にされなかった。

仕方なく、そこに来る年増のアル中の売春婦たちを家に誘い、酒を飲ませて抱こうとした。しかし酒が入ると暴力的になるフリッツ・ホンカは女が自分の言うことを聞かないと、衝動を抑えられなくなり、殺人を犯してしまうのだった。

遺体を切断し、外に捨てると、すぐに新聞に取り上げられ、騒ぎになってしまった。それを機にフリッツ・ホンカは一人、また一人と増えていく死体を家の中に隠しておくことにする。

屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカのキャスト

  • ヨナス・ダスラー
  • マルガレーテ・ティーゼル
  • ハーク・ボーム

屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカの感想と評価

女は二度決断する」や「ソウル・キッチン」で知られるファティ・アキン監督による、実在する連続殺人鬼の犯行をつづったスリラー。

主人公の醜さもさることながら、場末のバーで飲みつぶれている負のオーラを漂わせた汚い中年男女たちばかりが登場する、美しさのかけらもない映画です。

よくここまで醜いおっさんおばさんを集めたなぁ、というぐらいキャストのルックスがすごいです。

舞台が風俗街にあるバー、それも底辺の酒場なので、ある意味それはリアリティーがあって演出や雰囲気づくりとしては素晴らしいです。

いい歳したおっさんおばさんが人目もはばからずに泣いたり、キスしたりしてる風景ってどこかの日本の場末のスナックの状況と似ていますね。あれを見せられると結構きついものがあるけど。

しかし醜さの中に人間性があったり、ドラマがあればまだ救われたんでしょうが、容赦なく病的で狂気の世界を描いているせいか、胸糞悪いだけの話になっていました。

かといって怖いかといったら、なぜか怖くないんですよね。気持ち悪さはあるし、主人公が残虐な連続殺人に手を染めていくにも関わらず、恐怖が伝わってこないってスリラーとしては致命的でしょう。

その理由の一つにフリッツ・ホンカから暴力を振るわれる売春婦たちの反応にあるのかもしれません。

普段、暴力と隣り合わせの生活をしているからなのか、殴られた後の反応がそれぞれいまいちなんですよね。

大騒ぎしないし、ひどい目にあっても逃げようとしなかったり、平気で酒を飲み続けたり、中には通いつめたりする女までいて理解に苦しみました。

また、どこかブラックユーモアを混ぜてきてるようなところがちょくちょく見受けられるせいで終始、酒に飲まれて何がなんだかわからなくなってしまった滑稽な男女の絵になっていたのが問題でした。

警察に主人公が捕まるか、捕まらないのかのハラハラも皆無でしたね。それもそも終始視点は主人公だし、彼を追う警察側の描写がなかったので、まるで捕まる気配も感じられません。

その割には捕まるときは唐突で、なんともあっけなく、また逮捕後の心境や事件を語る主人公の姿も映していません。

フリッツ・ホンカがずっと狙っていた若い女の子も序盤から何度も登場させるなら、彼女をめぐって何かしらの事件がないと、ただの空振りじゃないですか。回収しない伏線なんていらないじゃん。

連続殺人鬼の物語で、気持ち悪いだけで怖くない、という点でいったら「ハウス・ジャック・ビルト」と似ていますね。あれもひどかったけど、これも通じるものがありますね。

一方でファティ・アキン監督は、「女は二度決断する」にしろ「ソウル・キッチン」にしろ、本作にしろ毎回作風が全然違くて驚きますね。まるでそれぞれの作品に共通点がないじゃないですか。別人の作品でしょ、これ。

ここまで監督スタイルやらしさが見えてこないのも珍しいんじゃないかなぁ。でも「女は二度決断する」を見てファンになった人がこの映画を見たら、「え? なにこれ?全然違うじゃん」ってなると思いますよ。

コメント

  1. bezelye より:

    あの、途中で主人公の名前と監督の名前が入れ替わってます。。。