ジョン・デロリアンは誰も死なない自伝的犯罪ドラマ!感想とネタバレ

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予備知識なしで楽しめる、実際に起こった犯罪と裁判の行方を追った自伝的ストーリー。破天荒でちょっと間抜けな男たちの物語です。68点(100点満点)

ジョン・デロリアンのあらすじ

デロリアン開発の裏にある真実…『ジョン・デロリアン』予告編

ある日、パイロットのジム・ホフマンは家族を乗せてセスナ機でカリフォルニアに降り立つと、大勢のFBI捜査官に囲まれる。

機内を調べるとそこからは大量のコカインが発見されたが、ベネディクト捜査官はジム・ホフマンが数日間を飛行機を離れていたことを知って逃がすことにする。その代わりにジム・ホフマンを情報提供者としてFBIのために働かせることにした。

ジム・ホフマンは妻に新しい人生をスタートさせると偽って、パイロットの仕事を辞め、FBIの資金提供を得て、富裕層が住む地区に引っ越しをした。

隣人はなんとゼネラルモーターズの有名なエンジニア、ジョン・デロリアンだった。ジム・ホフマンがたまたまジョン・デロリアンがデザインした自動車を所有していたため、二人はすぐに意気投合した。

ジョン・デロリアンは、アメリカ車の性能の悪さを嘆きつつ、自分の自動車メーカーを立ち上げようとしていた。彼はドアが翼のように開くデロリアンをすでに考案しており、開発のために資金を募っていた。

一方、ジム・ホフマンはFBIから大物の逮捕につながるような情報提供をするように圧力をかけられていた。そこで麻薬のディーラーであるモーガンとの会話を録音することを試みた。以前、カリフォルニアで押収されたのはモーガンのコカインだったからだ。

ところがモーガンに脅されると、ジム・ホフマンはすぐに口を割り、FBIに圧力をかけられていることをばらしてしまう。

また、ふとした会話の中で、ジョン・デロリアンと知り合いであることを話してしまい、モーガンをジョン・デロリアンのパーティーに連れていくはめになる。

こうしてジム・ホフマン、モーガン、そしてジョン・デロリアンの三人は顔なじみになった。やがて三人はひょんなことからそれぞれの運命を変える麻薬取引に手を出すことになる。

ジョン・デロリアンのキャスト

  • リー・ペイス
  • ジェイソン・サダイキス
  • ジュディ・グリア
  • コリー・ストール
  • マイケル・カドリッツ

ジョン・デロリアンの感想と評価

ニック・ハム監督による、天才エンジニア、ジョン・デロリアンの波乱万丈の半生を、第三者の目線で描いたコミカルな人間ドラマ。

麻薬の密輸をしていたところをFBIに見つかり、刑務所送りにされない代わりに情報提供者として働かされることになったパイロットが偶然自動車業界の有名人と出会い、麻薬取引する顛末を描いた実話ベースの話です。

ジョン・デロリアンといえば、バックトゥザフューチャーでお馴染みのタイムマシンのベースとなった自動車デロリアンDMC-12の天才開発者だそうです。

僕は、車に詳しくないので、そもそもあの車が実在する車だった、ということも知りませんでした。てっきりフィクションとばかり思っていました。ドアを翼のようにして開ける斬新なデザインは、実はジョン・デロリアンのアイデアだったんですね。

しかし一見、華やかで恰好よさげなあの車は市場ではヒットせず、ジョン・デロリアンの自動車製造会社デロリアン・モーター・カンパニーは火の車だったようです。

そんなとき彼は隣人のジム・ホフマンに頼んで、麻薬のディーラーと話をつけてもらい、自分の会社を守るために億単位の闇仕事をしようとしたのです。

いわばイーロン・マスクがテスラの資金巡りに困って、麻薬の密輸ビジネスに手を出すみたいな話で、天才ともいわれた男が簡単に道を外す様子が信じられないです。

特にジョン・デロリアンの場合は新しい事業をわざわざ立ち上げなくても、悠々自適に暮らす道もあったのに、あえて無謀な夢に挑戦し、運転資金のトラブルを抱えるうちに物事の分別を失ったかのようでした。

この映画が面白いのは偉人のバイオグラフィーであるにも関わらず、ジョン・デロリアンが主人公ではないところですね。

主人公はあくまでも頭の悪い、お調子者のおしゃべり男ジム・ホフマンで、彼の目線で物語が進んでいくのが不思議です。だってどう見ても主役の器じゃないからね。

麻薬の密売人をしてもすぐ捕まっちゃうし、FBIの情報提供者をやってもヘマするし、挙句の果てには奥さんにまでFBIのために働いていることを知られちゃうぐらいのポンコツで、救いようがないんだけど、そんな男が最後には全員を手玉に取るかのような結末が痛快でした。

カメラは大部分の時間ジム・ホフマンを追いかけるので、一体どこでジョン・デロリアンの話になるんだろう、と思ったんですが、うまいこと着地させていましたね。

また、結構スケールの大きい犯罪ドラマなのに誰も死なない、というのも珍しいです。銃撃戦もなければ、カーチェイスもない。それでもそこそこエキサイティングなのは、ストーリー構成や脚本がいいからでしょうか。

ただ、どこまでが事実なんでしょうかね。特にラストはあまりにもできすぎた終わり方で、いかにもフィクションって感じがしたなぁ。

ジム・ホフマンの性格と裁判の判決を左右した最後の証言もあまりマッチしてたとは思えませんでした。

いずれにしてもジム・ホフマンのアホっぽさは絶妙でしたね。常にヘラヘラしていて、余計なことしか言わず、周囲をイラつかせる男。危機的な状況を笑えない冗談で乗り切ろうとする空気の読めなさ加減。

あの信用に値しない感じを俳優のジェイソン・サダイキスが見事に表現していましたね。久しぶりに見た「こういう奴いるよなぁ」なキャラでした。

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