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ダウンサイズはつまらないし笑えない!感想とネタバレ

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この記事は 約5 分で読めます。

子供が思いつくようなアイデアで勝負し、着地地点を見失い、見事に失敗した作品。コメディーだけど笑えないし、SFだけど想像力に欠けます。24点(100点満点)

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ダウンサイズのあらすじ

舞台は未来の地球。ある日、人口増加や温暖化対策として科学者たちが人々の体を縮小させるダウンサイズ技術を開発した。それによって身長は約12cmにまで縮むため、人々の生活にたいしたスペースやエネルギーが必要ではなくなり、エコな生活ができるというものだった。

小さくなることであらゆる出費が抑えられ、豪邸で優雅な暮らしができるようになると聞いて、ポールとオードリーの夫婦はついに自分たちもダウンサイズすることを決意する。

ところがいざダウンサイズの注射を受けるときになってオードリーだけ途中で不安になって断念してしまう。

すでに体が小さくなった後にそれを知ったポールはダウンサイズした人々が住む世界レジャーランドで急遽一人で暮らしていかなければならなくなってしまった。

その結果、離婚することになったポールは小さくなったことを後悔しながらも新しいアパートで独身生活をスタートさせる。

そしてパーティーに明け暮れる、うるさい隣人ドゥシャンや スラム街に住む片足のないベトナム人掃除婦のノク・ラン・トランなどと知り合い、レジャーランドの現実に直面する。

ダウンサイズのキャスト

  • マット・デイモン
  • クリストフ・ヴァルツ
  • ホン・チャウ
  • クリステン・ウィグ
  • ロルフ・ラスゴード

ダウンサイズの感想と評価

読者のありのままさんのリクエストです。ありがとうございます。

「ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅」、「ファミリー・ツリー」、「サイドウェイ」などで知られるアレクサンダー・ペイン監督によるSFコメディー。

脚本はオリジナルだけど、「もし人間がミクロになったらどうなるの?」という長年使い古されたプロットによる、特に新鮮味のない物語です。

人間を小さくした世界って、いわばドラえもんの「リトルスターウォーズ」だったり、ハリウッド映画の「ミクロキッズ」だったり、これまで散々映画のネタに使われてきましたよね。

それをあえてこの時代に映画化するんだったら相当な笑いとオチが必要になってきますが、主人公が小さくなった後に起こる出来事のアイデア不足といったら半端ないです。

最初の数十分はそれなりに面白いんですよ。もし自分が小さくなったらどうなるんだろうか、という想像を駆り立てるものがあるし、小さくなることによって果たして社会が抱えるあらゆる問題が解決するのかどうかというのも興味深いです。

スペースが使い放題になるから家が豪邸になり、電車や飛行機の中でもゆったり過ごせる、という設定もまあいいでしょう。

ただ、面白いのはそこまでで、実際に主人公が小さくなった後に特に何も興味深い話を用意していないんですよ。

小さくなった人々の世界では生活コストが下がるため、普通の世界で持っているお金の価値が何十倍にも増える、という論理も破綻してますよね。

小さければ小さいほど安いものなんて土地ぐらいなもので、インフラ整備や機械を小さくする技術なんて相当なお金がかかるだろって。

それに生活コストが下がれば、そこで働く労働者の給料だって安くなるんだし、経済が回らないでしょうよ。

その辺の部分はコメディーだから目をつぶりましょうというノリで作ってあって、でもその中で環境問題や人類の問題を語っているから、話についていけなくなります。

それに小さいかどうかって相対的なものだから、常に大きい一般の人間と比較する必要があるのに、小さい人々だけの話にフォーカスしたら、小ささが強調されないし、”普通”のサイズの話になってしまうんですよ。だから途中からサイズはほとんど関係なかったですよね。

そんでもって主人公ポールがベトナム人のおばちゃんと知り合ってからは彼女のわざとらしブロークンイングリッシュぐらいしか笑いのネタがなくなるのがダメですね。

それもいかにもネイティブの人がわざと英語が喋れない人を演じているのがバレバレで、あの喋りを延々と聞かされるのはかなりうざったかったです。

そうかと思ったらポールがベトナム人のおばちゃんとできちゃうし、絵的にも、ストーリー的にも、いろんな意味できつい映画でした。

興行成績は赤字だったみたいだし、完全に主人公を演じたマット・デイモンの株を下げることになったでしょう。よくもまあこんなのに出演したよなぁ。脚本読んだらコケること分かりそうだけどね。

他の作品もそうだけど、アレクサンダー・ペイン監督の笑いって微妙なんですよね。結局、ダサさとか、格好悪さを笑いにするスタイルで、派手な映画が続いて地味なものが逆に新鮮に感じられるときにははまるかもしれないけど、そうじゃなとただの恰好悪い映画になっちゃうからね。

結局、ラストもなんだったのかよく分かりませんでした。ポールは愛を取ったんですか? 贅沢するためにレジャーランドに行ったはずなのに結局スラムで働くことになるっていうのを皮肉にしたかったんでしょうか。あれは幸せみたいな感じに描かれてもね。

登場人物を小さくするのはいいけど、オチまで小さくしちゃダメだろ。

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