トールキン旅のはじまりは指輪物語と関係ない!感想とネタバレ

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ありきたりで無難な脚本をもとに主演のニコラス・ホルトをはじめ、二流俳優たちが平均点以下の仕事しかしていない駄作。これを見てもトールキンのことが何も分からないです。26点(100点満点)

トールキン旅のはじまりのあらすじ

浪川大輔がナレーション『トールキン 旅のはじまり』予告編

トールキンは幼い頃に両親を亡くし、母親の友人だったモーガン神父が後見人として彼や弟の面倒を見てくれるようになった。

やがてモーガン神父の伝手でトールキンは、名門の学校に入学することができ、子供の頃から文学や言語学に長けていた彼はほかの生徒たちにも負けないぐらい優等生に育っていく。

まもなくトールキンは学校で、同じく文学やアートに興味を持つほかの男子生徒たちと意気投合し、みんなで集まって芸術についての意見を交換するT.C.B.S.と呼ばれるサークル活動を始める。

一方、下宿所でトールキンは、同じく孤児の美少女、エディス・ブラットと仲良くなり、彼女に恋をする。しかし友人たちやエディスと交際をしていくうちに成績が悪くなり、モーガン神父に大学進学を取るか、恋を取るかの選択に迫られる。

そうこうしていているうちに第一次世界大戦が勃発。トールキンは戦場に駆り出され、友人やエディスのことを想いながら、生死のはざまを彷徨う。

トールキン旅のはじまりのキャスト

  • ニコラス・ホルト
  • リリー・コリンズ
  • コルム・ミーニイ
  • デレク・ジャコビ
  • アンソニー・ボイル

トールキン旅のはじまりの感想と評価

ドメ・カルコスキ監督による、「指輪物語」の作者J・R・R・トールキンの半生を描いた、退屈極まりない伝記ドラマ。

もっと他に面白いネタあるだろっていうぐらい当たり障りのないエピソードに多くの時間を割いていて、青春映画としても、恋愛映画としても失格です。

バイオグラフィーってミスると、まるで話の元ネタになった人の人生が退屈かのような印象を与えるから、かなり慎重に作らないといけない部類の作品ですよね。

この映画を見る限りでは、トールキンが滑ったみたいな感じになってるんですよ。だってトールキンの青春時代がまあつまらないから。そういう意味でかなり罪深い映画といえそうです。

例えば、ホーキング博士を描いた「博士と彼女のセオリー」は苦境に立ち向かう男の愛と感動と浮気のドラマになっていて、人間味を感じさせるんですよ。綺麗ごとだけじゃなくて、人間関係の難しさや現実問題を掘り下げているから心動かされるんです。

それに対して、この映画は、トールキンのことをペラペラに薄く描いていて詳細には一切触れず、ただの好青年として見せているだけの甘ったるい内容に終始します。

まず、最初からトールキンには父親がおらず、なんで死んだのかも教えてくれず、序盤で母親も亡くなります。死因は病気。

なにそれ? ざっくりすぎない? 童話でもお母さんが死んだら死因ぐらいもっとちゃんと教えてくれるのに「病気」って。そもそも伝える気ないでしょ?

この映画の描写によると、トールキンは小さいときから頭が良くて、文学や語学が得意で、高校に上がる頃には身長が190cmあってイケメンで、誰がどう見ても孤児には見えない、金持ちの坊ちゃんの顔をしています。

そんな青年が、これまた孤児にはとても見えない育ちの良さそうな美女エディスと恋に落ち、二人でお茶を飲みながら架空の言語や物語について貴族のように話し合う、という、寒々しいやり取りが続きます。

会話はつまらないし、恋愛エピソードの山場といえば、大学か恋かのどっちかを選ぶ下りぐらいで、あとは情熱や若さとはほど遠い軽い付き合いしかしていないので、二人がどこに惹かれているのかが全然わからなったです。

途中、エディスはほかの誰かと婚約した、といって一度トールキンと別れますが、その婚約者も顔を見せず、誰なのか明かされません。

また、婚約者がいるはずなのにトールキンと再会するとエディスはあっさりキスを許して何もなかったかのように寄りを戻してしまう、優柔不断さには唖然としましたね。で、婚約者とはどうなったわけ?

友情のエピソードも大したことなく、そもそも誰が誰なのか区別がつかないくらい友達に個性がないし、友情っていいなあっと思わせる話が一つもないので、感情移入のしようがなかったです。あれでベストフレンド言われてもね。学校生活の部分は全部カットしてもらいたいぐらいでした。

この映画の最大の問題点は、『指輪物語』で有名なトールキンの伝記映画だというのに、一体どの体験が具体的に『指輪物語』につながっていくのかが全然伝わってこないところです。

感覚としては「僕は言語学、おとぎ話、神話に興味あるんですよ」としか言ってないみたいな感じですかね。

いやいや、興味ある奴一杯いるし。そんな中で彼がどうやって想像を膨らませて、言語化していったのか創作過程が知りたいじゃないですか。

それなのにちょこっと戦場のシーンで、火炎放射器がドラゴンの炎に見えたり、兵士が騎士に見えたりするファンタジックなシーンがあるだけで、あまりにも小説家としての素顔や資質に対する扱いが軽いし、むしろそこにフォーカスしなきゃダメだろ。

挙句の果てには最後の最後までファンタジー小説を書き始めないし、『ホビットの冒険』の一行書いて物語の幕閉じちゃうからね。せめて『指輪物語』まで書こうよ。代表作すっ飛ばすのかよ。

鳥山明の伝記映画を作って、普通「Dr.スランプ アラレちゃん』を描いたところで終わらないじゃん。どんな反則だよ。

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