【フル動画】旅するダンボールはほのぼの感動ポルノ!感想とネタバレ

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外国人エコロジスト、ミニマリスト、アートファン向けの記録映画。段ボール収集とそれを使ったアート作品の制作をライフワークにした男の物語です。51点(100点満点)

旅するダンボールのあらすじ

映画『旅するダンボール』予告編

島津冬樹。いま世界が最も注目をあつめる話題の段ボールアーティスト。本人は自身を段ボールピッカーとも呼ぶ。これまでに世界30カ国を巡り、なにげない街角から捨てられた段ボールを拾ってきた。もう8年もの間、誰もが見向きもしない段ボールを、デザイン、機能性を兼ね備えた段ボール財布に生まれ変わらせている。

こうして島津が生み出す段ボール財布は世界中を旅し、リサイクルや再利用といった概念のさらに先を行くくアップサイクル>の可能性として受け入れられているが、島津の思いはソーシャルな反応とは無関係に、ただひたすら段ボールが好きという、純粋さそのもの。

『旅するダンボール』は、そんな島津がある日徳之島産のジャガイモの段ボールを見つけ、その源流を辿って行く旅の途中で出会う、この段ボールと深く、浅く、近く、遠く、関わった人たちとの温かい交わりを3年間にわたり追ったドキュメンタリー映画。

公式サイトより

旅するダンボールの感想と評価

岡島龍介監督による、段ボールアーティスト島津冬樹の活動を追ったドキュメンタリー。世界中で段ボールを拾って来ては家に持ち帰って飾ったり、眺めたり、加工して財布にしたりする変わり者の青年をハートフルに描いた作品です。

ナレーションが英語になっているので、最初はてっきり外国人監督が撮ったのかと思いましたが、日本人監督の作品でした。

世界にアーティスト島津冬樹をアピールするうえでも、ドキュメンタリー映画という注目されにくいジャンルのターゲットを広げる意味でも、ナレーションを英語にするのはありですね。

段ボールをアートに変えるとか、ゴミをただリサイクルするのではなく、付加価値を付けて「アップサイクル」するとか、いかにもエコ好きの外国人が面白がりそうなテーマになっています。

一方で日本人視聴者が見ても楽しめるかというと、アートやモノづくりが好きな人以外には難しいかもしれませんね。なんせ段ボールの話で約90分だからね。

それでも自分の好きなことを極めて仕事にしている人の話なので幸せそうだし、ストレスを微塵も感じさせない島津冬樹のマイペースなキャラは素敵です。彼の周囲の人々も素朴な人たちばかりで終始ほのぼのしています。

多摩美術大学を卒業した島津冬樹は、美大出身の多くが進む広告代理店に就職し、しばらくサラリーマンをやっていたそうです。社名は明かしてなかったけど電通だってね。

面接の日に遅刻をしていくようなヘマをしても段ボールアートという武器を持っていたおかげで面白がられ、電通に採用されたはいいけど、自分の興味がない仕事に対しては全く力を発揮せず、結局段ボールアートの活動をもっとやりたくて彼は退職します。

そして段ボールから財布を作っては1万円で売ったり、ブランドとコラボしてワークショップを開催したりして、フリーのデザイナーをしたりして、生活しているようです。

段ボールにはまったばかりに大企業のエリートの道を自ら捨てたり、ひたすら我が道を行っているようで、実は結婚してるっていうから驚きです。

そうならそうと島津冬樹の素顔を撮るためにも奥さんも映画に登場させるべきでしたね。家が段ボールだらけになることについて奥さんが実際のところどう思ってるのか聞かないと。「はっきり言って迷惑です」とか言い出したら面白いじゃないですか。

島津冬樹の段ボールに対する思い入れは、十分に伝わってきました。しかし好きな段ボールのデザインがチョイダサ系のものばかりで、特に田舎の工場で製作されたポテトの段ボールに異常なまでの愛着を見せるところは到底理解できませんでした。

そして彼が気に入ったポテトの段ボールをデザインした人を探す、という企画にかなりの時間を割くんだけど、正直、この映画で一番いらなかったのはあの箇所ですね。

平凡なデザインをあれこそ絶賛する島津冬樹と、それを作った会社の社長や社員の温度差といったらなかったです。

会社からしたら何十年も前に作った一つの箱にすぎないのにアーティストがテレビカメラを連れてやってきては、その箱のデザインの製作秘話やバックストーリーを聞きに来るっていうね。そんな覚えてないっつーの。

挙句の果てには定年退職したデザイナーの家にまで押しかけていって、本人に直接話を聞きに行くんだけど、デザイナー本人にとっても、いくつもこなした仕事の一つでしかないから、ほとんど積極的なコメントは出てきません。

仕方ないからテレビクルーを前に緊張しまくってる奥さんが感激して泣くところばかりを撮り続ける、という地獄のような時間が待ってました。

あの一連の感動ポルノのせいで急にテレビ番組みたいな安っぽい演出になり下がった感があって残念です。島津冬樹の活動だけでも十分に面白いんだから、無理にドラマチックしなくてもいいのになぁ。

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