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映画キックスはひ弱な少年の青春ドラマ!感想とネタバレ

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さえない自分の殻をどうにか打ち破ろうとする少年を描いた、シンプルでまっすぐな青春映画。黒人文化に興味のある人は楽しめるかと思います。60点(100点満点)

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映画キックスのあらすじ

カリフォルニア、リッチモンド。15歳の少年ブランドンは背が低く女子にもモテず、いつもボロボロのスニーカーを履いていてバカにされていた。だが、彼のそんな人生も転機を迎える…はずだった。

コツコツ貯めたお小遣いで最強のスニーカー“エア ジョーダン1”を手に入れた! 仲間からは羨望の眼差しで見られ、女子からも気にかけられ、これで自分の人生もイケイケになると思っていたブランドン。

だが、そんな最高な時間の終わりは瞬時にやってきた。仲間と別れた帰り道、地元のチンピラに襲われスニーカーを盗られてしまう。ブチ切れたブランドンは、友だち二人を巻き込み、命よりも大切なスニーカーを奪い返しに行くことを決心するが…。

公式サイトより

映画キックスの感想

ジャスティン・ティッピング監督による、治安の悪いスラム街を舞台にした青春ギャングドラマ。

いわゆる黒人映画で、ヒップホップ、バスケ、車、ギャング、喧嘩といったありがちなネタを使っているものの、体が小さいことにコンプレックスを抱いた少年が主人公というのがユニークで、ゴリゴリの男らしさを売りにしたギャング映画とは一線を画しています。

物語は、同年代の少年たちよりもはるかに背の低い少年ブランドンがさえない高校生活を送っているところからスタートします。

周りを見渡せば誰もが自分より数段格好良く見え、クールなスニーカーを履き、女子たちともイチャイチャしたりして青春を謳歌しています。

せめて自分にも格好いいバスケットシューズ、エアジョーダンが履けたら、と願うブランドンですが、彼の家は貧しく、お金がありません。

そんなある日、道端で男に話しかけられ、立ち止まると、ブランドンがちょうど欲しかったエアジョーダンを男は格安で売ってくれるといいます。

大喜びで買ったブランドンはさっそくエアジョーダンを履いて街を徘徊するものの、ギャングたちに絡まれて大事なスニーカーを盗まれてしまいます。

自分にとって宝物であるスニーカーを盗まれたブランドンは決死の覚悟でギャングから取り戻そうとする、というのがストーリーの流れです。

題名の「Kicks」は「スニーカー」を意味するスラングで、会話で何度も使われていました。ただ、ブランドンにとっては、やっと手に入れたエアジョーダンはただのスニーカーではなく、男の象徴であり、リスペクトの証といった感じでしたね。

喧嘩もしたことのないようなひ弱なブランドンがスニーカーを取り戻すことにこだわったのは、スニーカーを盗られたことが自分のアイデンティティーを盗まれたことと同等だったからに違いないです。

臆病な少年が、強いいじめっ子に立ち向かっていく、なんていう話はいかにも映画的、漫画的でストーリーにリアリティーがあるかといったらあまりなかったです。仲良しの少年グループが年上の怖い先輩たちに怯えながらも勇気を振り絞って戦うって「スタンド・バイ・ミー」のパターンでもありますよね。

それでも貧困層の黒人の生活や文化をヒップホップの音楽に乗せて見せつつ、少年が強い意志を持って男になっていく様子は、しっかり青春映画には仕上がっていました。

主人公の少年がまるで女の子みたいに小さくてキュートなキャラなのが良かったのかもしれません。友達二人の感じもいいし、叔父さんの家にいったら怖い人がたくさんいてビビっちゃう下りとかも笑えます。

ブランドンの友人アルバート役を演じた少年クリストファー・ジョーダン・ウォレスJrは、ノートリアス・B.I.G.の息子なんですね。彼もいいキャラしてました。

一つ気になったシーンは、ブランドンが新しいスニーカーを買ったときに古いスニーカーを電線に向かって投げる下りです。

日本ではあまり見ないけど、外国に行くとやたらと電線にスニーカーがぶら下がっているのを見るんですよ。僕の住むブラジルでもそこら中でぶら下がっています。

あれにどんな意味があるのかと思ってたら世界各地で違った意味合いがあるようですね。それをまとめたドキュメンタリーまであります。

The Mystery of Flying Kicks from Closer Productions on Vimeo.

ある地域ではギャングのテリトリーを示す意味があり、また別の地域ではいじめっ子が力を誇示するために相手から奪ったスニーカーをつるして裸足で家まで帰らせるためにやったりするそうです。

また、オーストラリアでは童貞を捨てたお祝いの意味でやるんだそうだけど、ブランドンの場合はそれに近いような印象を受けましたね。

古いスニーカーは格好悪い自分を表していて、それを捨てた証としてスーニーカーを投げたんじゃないのかと僕は思いました。

だから新しいスニーカーを盗られても決して電線にかかっている古いのを取ろうとはしなかったんじゃないのかと。

いずれにしても中学生とか高校生ぐらいのときに異様にスニーカーに執着し出す生徒いますよね。あれなんでなんだろう。僕の時代もエアジョーダンがすごい流行ってたしなぁ。

そういう文化って思春期の男子の間で特に根強いけど、スニーカーって何か男にをとりこするものがあるんですかね。

男の靴は他人からよく見られるとか、靴を見ると性格が分かるとか、よく言われるけどあれどうなの?  僕なんて靴はいつもボロボロになるまで履いてますけど。

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