Huluが製作したこだわりの感じられない安室奈美恵のドキュメンタリー。アーティストの有終の美に便乗した、引退ビジネスの一つです。10点(100点満点)
Documentary of Namie Amuro “Finally”のあらすじ
デビュー25周年イヤーに突入した安室奈美恵に、様々な取材を敢行し、あらゆる角度から、ヴェールに包まれている安室奈美恵の真実に迫ります。ここでしか出会えない安室奈美恵の姿は必見! 1年間に渡って、毎月1話ずつ追加配信。
Huluより
Documentary of Namie Amuro “Finally”の感想
「安室奈美恵に密着!」という名の映像垂れ流しドキュメンタリー。アイデアもコンセプトも特にないのに、とりあえず話題性のある安室奈美恵を追いかけておけばいいでしょ、というノリで作ったシリーズ。
カメラは、引退発表前日の安室奈美恵の沖縄ライブから、独占インタビュー、ベストアルバムのレコーディング、そしてアジアツアーなどの様子を淡々と映していきます。
ミュージシャンを映しているのに映像にも音にもこだわりがなく、スマホで撮ったのかよっていうぐらいのクオリティーです。
ドキュメンタリーなんだから淡々と記録すればいいだろと思う人もいるかもしれませんが、それってどこの局でもやってることですよね。どこも同じ視点と切り口で全く同じこと質問して何が面白いんだよって。
「今の心境はどうですか?」
「今回のライブはどうでしたか?」
「ファンに対しての思いは?」
なんだその当たり障りない質問。
それでライブ以外の様子をカメラに収めたら「安室奈美恵の素顔」とか言っちゃうからね。薄っぺらいなー。
こういうドキュメンタリーを見ると、いつも思うんだけど被写体と信頼関係のできていない人に密着させて意味あるのかねっていうことです。
それこそデビュー当時からずっと安室奈美恵を追いかけてきたカメラマンとか記者がやるんなら分かるけど、このシリーズ撮るために即席で集められたスタッフが安室奈美恵に気を使いながら、また安室奈美恵に気を使わせながら撮った映像に素顔なんて映ってないから。
30分から1時間ぐらいの映像が10エピソード以上あるんだけど、そんな内容でもファンなら喜んで見るのかなぁ。不思議だよねぇ、ミュージシャンのファン心理って。
安室奈美恵なんてカメラマンたちのことをひとくくりにして「Huluさん」とか社名で呼んでたぐらいだからね。一人の人として認識されてないっていう程度の関係性が笑えました。1年以上密着してもそれだからね。
密着っていうんだったら、それこそ安室奈美恵を抱くぐらいの意気込みで撮ってもらいたいですね。文字通り密着してさ。
どうせならTRFのSAMとかV6の三宅健とかにカメラを持ってもらったほうがよかったんじゃないですか。少なくともそれでギクシャクした安室奈美恵の姿は見れたでしょう。
個人的には安室奈美恵が舞台裏でスタッフにブチ切れてる様子とか、「あー明日歌いたくないなぁ」とか言ってる姿が見たかったんですけどね。そんなときがあってもいいでしょ。
でもカメラがあったら当然気になってやらないだろうし、カメラに抑えたところでアーティスト側がカットを要請してお蔵入りになるんだろうなぁ。
だから結局、聖人みたいに美化されたアーティストしかいないっていうね。少なくてもカメラの前では。だってそういう撮り方しかしないんだもん。だからつまんないんですよ、人間味がなくて。
あと、安室奈美恵って沖縄出身を全面に出すくせになんで沖縄弁で歌わないんですか? 沖縄が原点だとか地元のファンに感謝とか言うならせめて「Can You Celebrate?」の沖縄弁バージョンを歌わないと。
「Can you celebrate? 永遠ていう言葉なんて知らなかったサー。嫁に行くサー、だるはずサー、はんまよー、あげじゃびよー」とか歌ってるところ聞きたいのになぁ。
コメント
最近のドキュメンタリーはひどいのが多いですね。リアリティ重視といってやる事はただ被写体を写してるだけという。カメラなどの機材を使えれば誰でもできるじゃん。後、編集もないようなものです。そのためだらだらだらだら(汗)ただ歩いてるだけとか、喋らない間がながかったらそこきれよと。僕はドキュメンタリーといえどもやはりひとつの作品として最低限みれるために演出や編集や音楽(まったく流さないと眠くなります)にも力を入れてほしいです。引退お疲れ様でした。
ひどいの多いですね。