2017/11/30

ゴッホ 最期の手紙(原題LOVING VINCENT)

ゴッホの死にまつわる出来事をつづった、ゴッホの人物像を浮かび上がらせるアニメーション映画。話の展開はワンパターンではあるものの、芸術心をくすぐられる作品です。58点(100点満点)

ゴッホ・最期の手紙のあらすじ

ある日、郵便配達員ジョゼフ・ルーラン(クリス・オダウド)の息子アルマン(ダグラス・ブース)に、パリへ送付する1通の手紙が委ねられる。その手紙は父の友人であり、自ら死を選んだ画家ゴッホが弟のテオに宛てたものだった。ところがテオの居所を探しているうちに、彼がすでにこの世にいないことが判明する。

シネマトゥデイより


読者のりゅぬぁってゃさんのリクエストです。ありがとうございます。

ゴッホ・最期の手紙の感想

ドロタ・コビエラ&ヒュー・ウェルチマン監督による天才画家ゴッホの死に迫る、油絵で描かれたアニメーション映画。

郵便局員の父親からゴッホの手紙を託された息子目線で進んでいく、ゴッホの死後と死ぬ直前の出来事をまとめた人間ドラマです。

主人公アルマンがゴッホと関わりのあった人物を訪ね、聞き込みをしていく様子はまるで刑事ドラマで、不可解なゴッホの死の真相を関係者の証言から、どうにかして突き止めようと試みます。

ゴッホが最期の数か月を過ごした場所はフランスのオーヴェル=シュル=オワーズ。そこでゴッホは小さな宿の部屋に泊まり、毎日絵を描いて過ごしたそうです。

オーヴェル=シュル=オワーズの住人たちのゴッホに対する印象は人それぞれで、眼つきの悪い頭のおかしい男だったと話す者もいれば、普通にいい人だったと語る者もいて対照的な情報が交差します。

また、村人の中には単なる想像や噂話を膨らます者がいる一方で、実際にゴッホと親しかったのにも関わらず、本当のことを話したがらない者もまでいたりして、ますます謎が深まっていきます。

そんな中、アルマンは多くの村人たちに話を聞いた後、ゴッホの友人であり、主治医でもあったドクター・ガシェに元気だったゴッホがなぜ突然自殺したのかを尋ねにいく、、、というのがストーリーの流れになっています。

主人公が誰かにゴッホとの思い出を聞き、第三者の証言を基にゴッホの人物像を浮き上がらせる手法はなかなか面白いです。

劇中では、かの有名な自分の耳を切って、娼婦にプレゼントした「耳切り事件」や精神病院にいた話、そして雨の中でもずぶ濡れになりながらも毎日平然と絵を描いていたエピソードなどが紹介されます。

37歳にして初めて筆を持ち、絵を描き始めてからわずか8年の間に他の人には決して真似できない素晴らしい絵の数々を残したゴッホについて多くの人が「彼は天才だった」と称する様子は彼に対する強い愛情を感じます。

その一方で、死ぬまでは芸術家として認められず、多くの人にとっては精神異常者にすぎなかった、最期まで理解されなかった天才の不幸な運命も見逃せません。

僕がアホだからか映画に影響されてしまって、久しぶりにちょっくら美術館でも行こうかなっていう気分になりました。大昔の芸術作品にでも触れて高貴な精神にでも浸っちゃおうかなって思う、そんな映画でした。

一つ気になったのは油絵で描かれたという製作スタイルが全面に押し出されている点です。物語が始まる前にもテロップで「この物語は全編100人以上のアーティストによって手描きで描かれています」なんていう説明が入ります。

しかし実際見てみると、俳優たちによる実写映像の上から絵でなぞっているだけの代物で、これを「手描き」というのはちょっとおこがましいなって思いましたね。これなら日本のアニメのほうがよっぽど大変な作業してるって。

それにね、作品を誰かに見せる前に「これを作るために私たちはこんなに頑張りました」とかいらないじゃん。むしろそんなこと絶対に言っちゃだめじゃん。

よく「構想に10年を費やした超大作」とかいう宣伝文句あるけど、何年かかったとかこっちは知らねえし。視聴者からしたら面白いかどうかだけだから。

僕の友達で、「この煮込み料理、一昨日から仕込んでるんですけど、美味しいかどうかぜひ食べてみてください」とかいってドヤ顔で料理を食べさせてくる奴がいるんですよ。そんなこと言われたら美味しいって言うしかないじゃん。

なにが言いたいかっていうと、自らハードル上げちゃダメってこと。あのテロップがなかったら68点は行ったのに減点でーす。

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