ミリオンズ(原題MILLIONS)

子供が可愛くて仕方がないという時期の親が見たら、なんとか楽しめるファミリードラマ。ただし、冷静に見たらしょうもない作品です。30点(100点満点)

ミリオンズのあらすじ

母を亡くしたばかりの、小学生の兄弟アンソニー(ルイス・マクギボン)とダミアン(アレックス・エテル)は父親と共に郊外の家に引っ越してくる。ある日、ダミアンがいつものように線路脇の秘密基地に隠れてると空から大金の詰まったカバンが落ちてきて……。

シネマトゥデイより

ミリオンズの感想

読者のもっさりさんのリクエストです。ありがとうございます。もっさりさんにはこんなメッセージをいただきました。

こんにちは。いつも楽しく拝見しています。

私がリクエストしたいのは、ダニー・ボイル監督の2004年イギリス映画である「ミリオンズ」です。イギリスでもポンドからユーロに移行される混乱の中で繰り広げられる、小賢しい兄と夢みがちな弟のヒューマンドラマです。

私は銀行員なのですが、現在の夫と付き合っているときに彼から「おすすめのDVDを一緒に見よう」と言われこの作品を選びました。

銀行員らしくお金の話が根底にあり、そして心打たれるヒューマンドラマということで私の中では渾身の選択でした。ただ中盤で彼は寝ていました。

偶然にも私は作品と同じ男の子2人を授かり育てていますが、母になった今見るとまた違う考えを持つものです。ぜひレビューお願いします。

こんなふうに作品に対する思い入れを伝えてもらえると嬉しいですね。やっぱり映画はそれぞれの状況や環境で捉え方が変わってくるんですね。さて、僕の文句は次の通りです。

トレインスポッティング」、「127時間」、「スラムドッグ・ミリオネア」、「スティーブ・ジョブズ」、「T2 トレインスポッティング」などでお馴染みのダニー・ボイル監督のファンタジー映画。

可愛い子供をダシにした、退屈なファミリードラマです。兄弟を演じた子役二人の話し方とやり取りが可愛いというだけで、ストーリーは大したことないし、特に面白味がありませんでした。

弟のダミアンは宗教心が強く、聖人オタク。一方の兄アンソニーは現実主義者でズル賢さが芽生えてきている、対照的な二人です。

そんな二人がひょんなことから大金を見つけたことで、果たしてそのお金をどうするのか、というのを論点に挙げ、兄弟、そして大人たちのお金、道徳、宗教観を浮かび上がらせるといったストーリーになっています。

大金を見つけても、別に無理して使わなければいいじゃん、という話なんですが、ストーリーに緊急性を持たせるためにまもなくユーロが導入され、ポンドが使えなくなる、という架空の設定にしてあります。

さすがにこれはフィクションとはいえ、ポンド大好きイギリス人からしたら受け入れられないんじゃないかな。少なくとも僕は無理です。明日からポンドの紙幣が使えなくなりますって発展途上国かよ。

おそらく軽い笑いと感動狙いなんでしょうが、演出が小賢しくて、笑えないし、感動できません。

ファミリードラマで視聴者を泣かすには、子供か、あるいは親を死なせればいいだけで、この映画の場合は母親を死なせて、寂しさを抱えている兄弟というシチュエーションで泣かせようとしてきます。

なにより最大の問題点は、子供の純粋無垢なところを引き合いにして、「ね、面白いでしょ? 子供って素敵でしょ?」という厚かましい、偽善をかましてくるところです。

いるじゃないですか。実生活にも、こんなこと言う人。

「昨日、うちの息子がね、指をしゃぶってたから、ダメだよって注意したら、『だってお母さんがお菓子食べちゃだめっていうから指を食べてるの』だなんて言い訳したのよ。私、それ聞いて笑っちゃってさぁ」。

まともな感覚なら、こんな寒い話、とても他人様にはしないはずなんですよ。なぜしちゃうかというとお母さんバイアスがかかってるからなんです。

子供が可愛いのは間違いないけど、自分の子供のことだとちょっとしたつまらないエピソードも、さも面白いかのようにグダグダ語る親が多すぎるんですよ。

言っておくけど、それはお前と子供の関係性が前提にあるからそのエピソードが面白くなるのであって、他人からしたらどうでもいいからね。

まあ、それでもまだ一般のお父さん、お母さんがこのバイアスにかかっているのはしょうがないです。でもプロのストーリーテラーがこの親馬鹿キラキラ魔法にかかっていたらお終いです。

ちなみにこの映画の脚本を書いたフランク・コトレル・ボイスには7人の子供がいるそうです。子沢山のお星様ストーリー正直きついっす。

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