シンクロナイズドモンスター(原題Colossal)

中途半端なキャラクターたちが繰り広げる、まとまりのない会話と締りのないストーリーに見たことを後悔させられる作品で、さもマニアたちが自分だけが理解できると自慢してきそうな映画です。18点(100点満点)

あらすじ

失業して酒浸りのグロリア(アン・ハサウェイ)は、一緒に住んでいた恋人のティム(ダン・スティーヴンス)に家を追い出され、ニューヨークから故郷の田舎町に戻る。そこで再会した幼なじみのオスカー(ジェイソン・サダイキス)が営むバーで働き始めた矢先、ソウルに巨大怪獣が襲来したことを知る。そしてニュースの映像を見たグロリアは、その怪獣と自分の動きがシンクロしていることに気付く。

シネマトゥデイより


文句

ナチョ・ビガロンド監督による、なんとも言えない退屈さとシュールさに包まれた駄作。アン・ハサウェイが出ていなかったら大手の映画館でも上映されていないレベルの代物です。

邦題の「シンクロナイズドモンスター」は原題とはかけ離れているものの、いい得て妙で、かなりいい線行っていると感じました。タイトル通り、三十路のヒロインがモンスターとシンクロしてしまうお話だからです。

物語は、ある晩韓国の公園にモンスターが出現するところから始まります。それから20年数年後、再びソウルの街に姿を現したモンスターは、実は彼氏と別れて故郷に戻ってきたばかりのグロリアの分身だった、というぶっ飛んだ設定で話が進んでいきます。

アメリカの田舎町の公園でグロリアがポーズを決めると、ソウルにいるモンスターも同じポーズをし、グロリアが手を挙げると、モンスターもそれを真似します。

どういうわけかグロリアとモンスターはシンクロしていて、グロリアの何気ない動きによってソウル市民の安全を脅かしているのでした。

そんなモンスターの前に突如として現れるのが巨大なロボット。このロボットがまたグロリアが働くバーのオーナー、オスカーとシンクロしています。

グロリアに恋心を寄せるオスカーですが、グロリアはオスカーの友人のとできてしまい、男同士の間に強い嫉妬がうごめきます。

そこに元彼のティムまで現れ、グロリアの頭はより一層混乱していく、というのがおおよその話の流れです。

果たしてモンスターはグロリアにとって何を意味しているのか。幼年時代と現在の彼女との因果関係は何なのか、など色々深読みしていけばキリがなさそうな作品だけれど、なにがどうあれ肝心の内容がつまらないの一言に集約されます。

クスクス笑える箇所もあるにはあるものの、全体を通してヒロインの迷走ぶりと、だらしさなさばかりにフォーカスし、緩くてドジなキャラクターたちの掛け合いを笑いにしようとしては滑りまくっていました。

グロリアを自堕落なダメ女として描くなら、もっと外見もだらしなくしないといけませんね。その点、アン・ハサウェイは役に合っていませんでした。

アン・ハサウェイ以外のキャストの仕事ぶりもひどいし、B級映画の類に入りそうな完成度です。これをシュールなカルト映画とか呼びたいなら、どうぞ呼んで下さいっていう感じです。

中でも一番寒かったのは、グロリアがイケメンのジョエルの家に行く下りです。自分から「あなたどこに住んでるの?」と住所を聞いて、夜遅くに押しかけてきたくせに、いざジョエルがキスしようとすると、「なにしてくれるの?」みたいな顔をした後で、「冗談だよ、いいから続けて」などとふざけたことを抜かすシーンはスルーできませんでした。

不器用なジョエルをもてあそぶあの態度。キスをするもしないも自分が決めると言いたげな安っぽい自信。あんな女はたとえやったとしても絶対に家に泊めてはダメですよ。イッた瞬間、ドアの方角を指で指すのが正しいエスコートの仕方です。

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