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プリズン・エクスペリメントは権力への服従を描く!ネタバレと感想

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実際に行われた「スタンフォード監獄実験」を基にした、人間の深層心理を描くスリラー。刑務所に看守と囚人役を割り当てられた参加者たちが次々と自分を見失っていく過程が面白いです。62点(100点満点)

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プリズン・エクスペリメントのあらすじ

1971年8月、スタンフォード大学心理学部のジンバルドー教授(ビリー・クラダップ)は、夏休みに校舎を利用した心理実験を行う。それは被験者の男子学生9名ずつを看守と囚人のグループに分けて刑務所内での生活を擬似体験させ、それぞれの立場や役割がどのような心理的作用をもたらすのかを観察するというものだった。

看守は囚人に暴力を振るわないなどの条件を設けるも、囚人を演じるダニエル(エズラ・ミラー)は反抗的だとして襲われてしまう。その後看守と囚人の対立は次第に激化し……。

シネマトゥデイより

プリズン・エクスペリメントの感想

カイル・パトリック・アルバレス監督による人体実験ドラマです。ドイツ映画の「es[エス]」、アメリカ映画の「エクスペリメント」と同じく、1971年に実施された心理学の実験を題材にしていて、聞いたことある人も多いかと思います。

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本作はその最新版ともいえるハリウッド映画で、実験として権力を与えられた看守と権力を奪われた囚人がどのような行動を取るかを描いたものです。

舞台は夏休み中の大学のキャンパス。そこを刑務所に見立てて改造し、本物さながらの環境が用意され、いざ実験が始まると被験者たちはすぐその雰囲気に飲まれてマジになっていきます。

権力を与えられた看守側はそれを駆使し、やがて乱用し始めます。逆に権力を奪われた囚人側は権威にねじ伏せられて、やがて服従していく、という興味深い様子が描かれていました。

特に権力大好き人間が看守側に回るとタチが悪く、高圧的に振る舞い、無理難題を押し付けて相手を制圧しようとするのが人間社会の縮図のようでもありました。

刑務所の話だけれど何も刑務所の中だけで起きていることではなく、程度の違いこそあれど会社や他の組織でも普通に起こりうる光景ですね。

弱い人ほど権力に溺れやすく、また服従しやすいかというとそうではないらしく、誰にでも起こりうる、というのがこの映画のメッセージで、人間の潜在意識に隠された怖い部分が見えてきます。

そういう意味では勉強になるし、それを浮かび上がらせる心理学ってすごいなあって思いますね。似た様な人間心理を描いた「コンプライアンス 服従の心理」を彷彿させる部分もいくつかありました。

ネタ的に実際に行われた実験であることや、その恐ろしい内容からも映画にするのはもってこいですね。だからこそ何本も同じネタで映画が撮られているんでしょう。

ただ、そうだとしても、この映画が面白くなったのは俳優たちの演技に支えられた部分が大きいです。有名、無名俳優たちが登場しますが、いずれの俳優もレベルが高いです。意地悪な看守役のマイケル・アンガラノも良かったし、エズラ・ミラー(上の画像の俳優)もやっぱり上手いですねぇ。

これを日本映画としてリメイクしたらまず失敗するでしょう。権力に服従する囚人役は上手くやりこなせそうですが、看守役がリアリティーのない鬼教官みたいなことになりそうで想像しただけでも笑っちゃいます。

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