チェイサー(英題Chaser)

殺人の追憶」をほうふつさせるクライムサスペンス。スリリングなストーリー展開とエキサイティングなアクションが心臓をバクバクさせます。映像よし、音楽よし、演技よしでこの監督の次回作が早く見てみたい、と思えるような作品でした。57点(100点満点)

あらすじ

デリヘルで勤務する女性たちが次々と姿を消すことを不審に思ったオーナーのジュンホは自ら彼女たちを探しだすことに。彼は元刑事。昔の血が騒ぐのか失踪した女性を追いかけているうちに犯人捜しにのめり込んでいく。そんな折、犯人のヨンミンはあっさりと逮捕され殺人を全面的に認めるが、肝心の死体が見つからず釈放されてしまう。ジュンホはまだ生きているかもしれない女性を思い、独自に犯人と犯行現場の追撃を続ける。

シネマトゥディより

文句

哭声」のナ・ホンジン監督によるソウル20人連続殺人事件を基にした刑事ドラマで、次々と殺人を犯していくシリアルキラーと彼を追う元刑事の執念の追撃の物語です。

韓国映画にありがちな警察が無能というパターンは相変わらずですが、緊張感を作る出す演出はさすがです。突っ込みどころも多く、リアリティーはあったりなかったりで、事実を基にした映画というより、エンタメ映画寄りの作品です。

物語は、元刑事でデリヘル店を経営するオーナーがある晩、不審な男から電話を受け、風俗嬢を派遣するところから話がスタートします。客の自宅に着いたらすぐに住所を連絡するようにと言われたものの彼女は男に手足を縛られ監禁されてしまい、連絡が取れなくなります。

オーナーの男は偶然、犯人と自動車事故の現場で遭遇し、あっさり身柄を確保します。ところが警察が証拠不十分で犯人を釈放してしまい、犯人はさらなる犯行に及ぶ、というのがおおまかなストーリーです。

そもそもデリヘル店が行き先の分からない場所に女の子を派遣するというところからして無理がありますね。それとも韓国のデリヘルは安全管理があんなにいい加減なんでしょうか。

また、元刑事の男と被害者の女の子があくまでも雇い主と従業員の関係で、それほど深い繋がりがあるわけでもないのに、あれだけ彼が命がけで犯人を追いかけたり、復讐に燃える理由が見当たりませんでした。

他の犯人追跡ドラマと違うのは、結構早い時間で犯人が分かり、逮捕される点です。犯人もまた悪びれたふうもなく、自白までしているのにも関わらず、肝心な証拠が見つからず釈放されてしまう、というもどかしい展開で視聴者をじらしていきます。

「あぁ、もうなんでそうなるんだよ」と言いたくなったら、おそらく監督にとってはしめたものでしょう。そういう意味では作り手の狙い通りのリアクションをしている自分がいました。

金づちで被害者の頭を殴っていくシーンなんかはかなりグロくて、目を背けたくなります。終盤の殺人シーンでは画面が急に白黒になって、吹き飛ぶ血と背景色を上手くコントラストにしていたのは見事でした。

韓国映画はアクションやサスペンスでは完全に日本映画の上を行っていますね。韓国映画界が日本より経済力があるとは思えないのに、どうしてあんなにすごい映画が作れるのか不思議です。

殴り合いのシーンは痛そうだし、殺人のシーンは生々しいし、まず基本的な撮り方が日本映画より優れています。あとはキャスティングのセンスですね。

韓国のいい映画には、演技がちゃんとできるいい俳優が必ず出ています。日本のサスペンス映画にはSMAPが出てるぐらいだから、それだけとっても本気度が違いますね。韓国人のおっさん俳優たちは熱くて、シブくて、演技派で、かっこいいです。

ふと思うのは韓国映画はどんどん日本に入ってきてますが、実際韓国にはどれぐらい日本映画が行っているんだろう、ということです。日本の恋愛映画は韓国人にも受けそうだけど、アクションとかサスペンスを見せたら「うわ、だっせー」とか言われそうで怖いです。

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